2020年1月26日に起きた ヘリコプター事故によるコービー・ブライアント氏の訃報に対し、ここで改めてブライアント氏および愛娘のジアナさん、さらにパイロットを含めた同乗者の方々のご冥福を祈りたいと思います。そして、コービーの思いを受け継ぐためにも気持ちを切り替え、NBAそしてスポーツの情報をお送ります。


 アメリカ・男子プロバスケットボールリーグのNBA(National Basketball Association)、その優勝決定シリーズとなるのがNBAファイナル(2020年は6月4日~ 6月21日)です。そこで優勝したチームに贈られるトロフィーが、「ラリー・オブライエン・チャンピオンシップトロフィー」です。

 それは、まさに現代のアイコンのひとつと言えるでしょう。より正確に表現するのであれば、16ポンドのスターリングシルバー(92.5%の銀と7.5%の銅でできた合金)と24カラットのゴールドオーバーレイ(金張り)でつくられた、「ゴールのリングの上に浮かぶバスケットボールの彫刻」と呼ぶべきでしょう。高さは約61cmで、ティファニー製になります。

 圧倒的なオーラに包まれたそのトロフィーは、見る人をうっとりさせるほどに素晴らしい逸品です。これほどまでに気高く、そして品格に満ちたトロフィーであるからこそ、収蔵するためのトラベルケースもそれに見合うほどにエレガントであるべきでしょう。

 そんなわけで、ここでルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の出番となります。

 ルイ・ヴィトンは、NBAと複数年に亘るパートナーシップを締結したと発表。手始めとして発表されたのが、今回のトラベルケースとなります。パリ中心部から数マイル北西にあるアニエール工房の職人の手によってつくられたこのケースは、外側をブランドのシグネチャーであるモノグラムキャンバスで覆い、内側はNBAのオフィシャルカラーであるブルーのマイクロファイバーでライニングされています。

ルイ・ヴィトンが発表したトロフィーのトラベルケース
Courtesy
このトラベルケースには、毎年6月にNBAファイナルの勝者に授与されるラリー・オブライエン・チャンピオンシップトロフィーが収められ、展示されます。

 前述の通り今回発表されたトラベルケースは、コラボレーションの始まりの一歩に過ぎません。この先、ルイ・ヴィトンは毎年限定版のカプセルコレクションをリリースする予定となっています。メンズアーティスティックディレクターのヴァージル・アブロー氏によってデザインされる最初のコレクションは、今年6月の発表を見込んでいますが、正確な時期はいまだ謎のままです。

 他にも気になるミステリー(謎)が残されています。

 ルイ・ヴィトンのファッションそのものが、今後どのように展開していくのかということです。特にルイ・ヴィトンのメンズウエアについては、前任のデザイナーであったキム・ジョーンズ氏のもとで、そして現在はヴァージル・アブロー氏の指揮のもとで、スポーツウエア/ストリートウエアとの親和性をますます高めつつ、新たなる方向へと突き進んでいます。

 今季のアブロー氏の仕事ぶりから見て取れるのは、例えばビジネスの現場で求められる従来通りの2つボタンスーツなどは恐らく(いや、確実にと言った方が良いでしょうね)眼中になく、むしろ現代的なスタイルの追求を徹底しているということです。

 果たして、「LV × NBA」という組み合わせがもたらすスタイルとは、どのようなものになっていくのでしょうか。バスケットボールコートでの躍動を思わせるものとなるのか、暗い夜道の怪しげな雰囲気をまとうこととなるのか?

 それが明かされる2020年6月の到来が今から待ちきれません。

Source / Esquire US
Translation / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。