[目次]

▼ 3合炊き炊飯器を選ぶメリットとは?

▼ 選び方:加熱方によって炊き上がりが変化

▼ 3合炊き炊飯器のおすすめ8選

▼ ご飯を上手に炊くヒント


 食は生活の根幹をなす重要な要素の1つです。中でも米食文化が色濃く残る日本では、炊飯器というツールは食生活の要となる重要な存在。毎日をより充実させるためにも、まずは炊飯器から見直してみるというのはいかがでしょうか?

 そこで今回ご紹介するのが、1人~2人暮らしの家庭にちょうどよい“3合炊き”の炊飯器です。以前は、3合炊き炊飯器には低価格な製品しかありませんでしたが、現在は機能が充実した高級機種も登場。5合炊きに遜色しないほど、おいしく炊けるようになりました。

 このページでは、3合炊き炊飯器のおすすめ製品を紹介するとともに、選び方やおいしい炊き方のヒントも解説します。

3合炊き炊飯器を選ぶメリットとは?

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RUNSTUDIO//Getty Images

 1~2人暮らしの家庭の場合、ごはんをまとめて炊いて冷凍保存しておくのでなければ、3合炊きはぴったりなサイズと言えるでしょう。

 3合炊飯器と聞くと、少し容量が小さいように感じますか? お米1号は約230g。ご飯1人前が150g~180gほどと言われているので、3合の炊飯器でも1人暮らしや少人数のご家庭なら、十分賄(まかな)えてしまう量ではないでしょうか?

 基本的に5合炊きより消費電力が少なく済み、本体がコンパクトなので置き場所にも困りません。また、内釜が小さく軽いため洗いやすく、食洗機に入れやすいのもメリットです。

 また、味覚には個人差があるので一概には言えませんが、1合など少ない量を炊く場合、3合炊き炊飯器は5合炊きよりも熱効率が良く、おいしく炊けるとも言われています。 

3合炊き炊飯器の選び方:加熱方式によって炊き上がりが変わる

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GI15702993//Getty Images

 炊飯器の性能やご飯の味を大きく左右する要因の1つが、加熱方式の違いです。次の3つの加熱方式を知っておくだけで、炊飯器選びに役立つはずです。

圧力IH:もっちりした炊き上がり

 内釜全体に圧力を加えながら、コイルの電磁力で加熱する方法です。高温で一気に炊き上げることでお米の芯まで熱が通るため、もちもち食感のご飯が味わえます。もっちり柔らかめの炊き上がりが好きな人に合っています

IH:しゃっきりした炊き上がり

 コイルで電磁力を発生させ、内釜全体を直接発熱させる方法です。熱の伝わり方のムラが少なく、高火力で炊き上げるため、粒の立った炊き上がりになります。しっかりした触感のご飯が好きな人に合っています

マイコン:リーズナブルに購入できる

 炊飯器の下部にあるヒーターで、内釜を直接加熱する方法になります。製品の価格が安くお財布に優しいことがメリットです。その反面、炊きムラが発生しやすいため、ご飯の味を最重要視したい人には向きません

3合炊き炊飯器のおすすめ8選

象印 極め炊き NP-RZ05

象印 極め炊き NP-RZ05-BA

極め炊き NP-RZ05-BA
¥33,600
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4段階の圧力コースと「熟成炊き」で好みの炊き上がりに

 象印は、1996年から圧力炊きを販売してきた老舗メーカー。この製品も、圧力炊きを2万円を切る価格ながら、高級機種に迫る炊き上がりと評判です。

 炊飯は「ふつう」モード以外に、「すしめし」やカレーに合う「しゃっきり」、圧力炊きならではのもちもち感を楽しむ「もっちり」など、圧力を4通りに調整することが可能です。さらに、しっかりと吸水させておいしさを引き出す「熟成炊き」モードなら、予熱・炊飯時間を長くして玄米も手間なく炊けるでしょう。

 30時間保温できる「うるつや保温」や、温かい状態で保存したい人のための「高め保温」も備えるなど機能も充実。おいしいごはんの炊ける高機能な炊飯器をコスパを重視しつつ探している人におすすめのモデルです。

  • タイプ:圧力IH

パナソニック Wおどり炊き搭載 小容量タイプ JW058

Panasonic Wおどり炊き SR-JW058-KK

Wおどり炊き SR-JW058-KK

元祖「圧力炊き」の進化系。もっちりした炊き上がりが好みならコレ

 圧力炊き炊飯器の元祖は、1992年に販売された三洋電機の製品。その伝統を受け継ぎ、さらに進化させているのがパナソニックのコチラの炊飯器です。

 この「JW058」は、3合炊きではメーカー最上級となる機種。底面と側面のIHを切り替えて米を交互に対流させる「大火力おどり炊き」と、加圧と減圧を繰り返してムラなく加熱する「可変圧力おどり炊き」を組み合わせた「Wおどり炊き」を搭載しています。

 45~55℃で米に浸水させてお米の旨味を引き出す「旨み熟成浸水機能」や、蓋にもIHを搭載して、底面・側面・上面の全面から釜を包み込むように加熱するなど、高級機ならではの充実した機能が魅力。炊き上がったごはんは「お米の旨みが感じられる」と評判です。

  • タイプ:圧力IH

三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-SEB06

三菱電機 備長炭 炭炊釜 NJ-SEB06-W

備長炭 炭炊釜 NJ-SEB06-W

特許「連続沸騰」でツヤのあるふっくらごはんが炊ける

 「もっちり」より、「ふっくら」とした炊き上がりが好みなら、三菱電機の炊飯器もおすすめです。特徴は、特許技術「連続沸騰」にあります。吹きこぼれを専用のカートリッジで受け止めることで、一切火力を弱めずに強火で連続加熱。沸騰を途切れさせないことで、お米をしっかり対流させ、加熱ムラを生じさせません。

 さらに「超音波吸水」技術により、吸水させずに炊飯器にお米を入れても、時間をかけて吸水させたお米と同じようなツヤと旨味を実現しています。また、0.5合から炊けるため、1人分だけ炊くことができるのも便利。パーツの点数が少ないため、日々のお手入れがラクなのもうれしいポイントと言えるでしょう。

  • タイプ:IH

シャープ マイコン式炊飯器 KS-CF05B-B

SHARP KS-CF05B-B

KS-CF05B-B

ふっくらおいしく、米粉入りのパンも焼ける

 厚さ3mmの「黒厚釜」がお米の芯まで熱を伝え、底面を球状にした「球面炊き」でお米をおいしく炊き上げることができます。玄米などの健康に配慮したメニューを専用の火加減で炊き分けてくれる「炊飯メニュー」を採用している上に、忙しいときにも便利な「おいそぎ炊飯機能」も搭載。ご飯の早炊きも、これで簡単にできます。

 さらにパン調理機能の搭載しており、もちもちの米粉入りパンを発酵や焼き上げの温度設定不要でつくることが可能に。水加減が見やすいくっきり水位目盛りや、内釜でお米が洗えるWコーティング内釜など、使い勝手もしっかりと考えられています。

 使用時のみ浮かび上がるLED表示で、使いやすくスタイリッシュなデザインも男性の部屋にマッチするでしょう。

  • タイプ:マイコン

象印 極め炊き マイコン式 L-BT05

象印 NL-BT05

NL-BT05

熱伝導に優れた黒厚釜を採用

 熱が側面まで伝わりやすい、広く浅めになった形状の5mm黒厚釜を採用しています。この釜によって蓄熱性を高め、広く浅い形状が側面まで熱をしっかりと伝えます。

 加熱方式はマイコン式です。炊飯時一気に火力を引き上げ、沸とう中も高火力を維持することで激しい対流を起こします。それによって炊きムラを抑え、芯までふっくらとご飯を炊き上げます。そして、炊き上がってのちに蒸らす際も釜底と上ふたのヒーターがごはんのベタつきの原因となる露(つゆ)を抑え、しゃっきりと炊き上げてくれます。

 また、こちらの炊飯器も発酵から焼き上げまで、手づくりパンが楽しめる「パン(発酵・焼き)」メニューを搭載しています。

  • タイプ:マイコン

パナソニック SR-KT060-K

パナソニック SR-KT060-K

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¥16,116

2段IH式とヒーターで包むように加熱

 備長炭釜(備長炭コート)を採用したIH式炊飯器です。内釜の厚みは2mm。内面には備長炭入りのコーティングが施されています。2段IHと側面・ふたヒーターで釜を包み込むように加熱し、ふっくらとおいしいごはんを炊き上げてくれます。

 「玄米」コースを搭載し、高温浸漬(こうおんしんせき=高温で浸すこと)で玄米の吸水を促進し、時短をしながら玄米も炊くことができます。また「ケーキコース」も搭載し、炊飯器が自動で温度をコントロールすることで手軽にいろいろなケーキも楽しむこともできます。

 タッチキー & ガラスパネルを採用したスタイリッシュなデザインは、男性の部屋にぴったりではないでしょうか。

  • タイプ:IH

アイリスオーヤマ IH式炊飯器 RC-IB30-B

アイリスオーヤマ RC-IB30-B

RC-IB30-B

31銘柄を炊き分けてくれる優れもの

 大火力で一気に加熱し炊き上げる、IH式炊飯器です。極厚火釜3層構造で熱を逃がさず包み込み、お米の芯まで熱を伝えてふっくらと炊き上げてくれます。主要なお米31銘柄に適した火力と時間を判断し、おいしく炊き上げてくれる機能も搭載しています。

 炊飯メニューは5種類 (無洗米、白米、炊込み、おかゆ、玄米)から選ぶことが可能で、煮込み・蒸しのモードも搭載しています。炊飯器でシチューやスープ、カレーなどもつくれます。さらに付属の蒸しプレートを使用すれば、蒸し料理(蒸しパン・蒸し野菜・茶碗蒸し等)も。あなた(もしくはパートナー)の料理のレパートリーを広げてくれることでしょう。

  • タイプ:IH

タイガー IH式炊飯器 JPF-N550-K

タイガー JPF-N550-K

JPF-N550-K

冷凍用にご飯をおいしく炊くならこの炊飯器

 釜は熱効率に優れた5層遠赤特厚釜の外側に、土鍋コーティング加工を施すことで、さらにふっくらとした炊き上がりを実現した炊飯器になります。

 「残ったごはんを冷凍したい」「まとめて炊いて冷凍したい」というニーズに応え、冷凍用ごはんとしてもおいしく炊ける専用のメニューを搭載。具体的には、冷凍ごはんを解凍した際に起こる “べたつき"などを解消するため、通常の炊飯よりも時間をかけて吸水するように設定し、べたつきを抑えつつも芯までふっくら炊き上げることで冷凍保存してもおいしさを保つよう設定されています。

 また、その機能は炊飯だけのものではありません。早く昇温させる機能で、5分で1品が完成する時短調理メニューも充実しています。メイン料理からスープや煮魚、焼き物といった料理の短時間調理法などは、本格的なレシピとともに特設のウェブも公開しているので、献立のレパートリーを広がてくれるでしょう。

  • タイプ:IH

ご飯を上手に炊くヒント

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Stefan Tomic//Getty Images

お米の炊き上げに必要な時間は?

 白米の炊ける時間は、機種およびお米の量に左右されます。が、3合炊きなら40~50分程度で、早炊きなら30分ほどで炊き上げられるでしょう。

「普通炊き」と「早炊きの」違いとは?

 普通炊きモードは、お米を炊く前にお米に水を浸透させる工程が入ります。これをすることで、お米の芯まで水が浸透しやすくなるという効果を狙ったものです。一方で早炊きモードは、お米に水を浸透させることなく、すぐに炊飯工程に進むことで時間短縮を図っているものになります。

 普通炊きと早炊きの味の違いですが、保温することによって味に違いが出てくると言われています。早炊きで炊いたご飯は水分が早くなくなってしまい、米の甘味が失われやすくなると言われています。

 炊いた分だけ一度に食べ切ってしまう場合は、早炊きをするのも良いかもしれません。ですが、保温や冷凍を念頭にご飯を炊くのであれば、普通炊きのほうがよりおいしいご飯が楽しめそうです。

おいしくご飯を炊くコツは?

 お米を研いだら、炊飯器に入れて開始スイッチを押す前に、研いだお米を水に浸すことが大切となります。浸漬(しんせき)と呼ばれるこの工程を踏むことで、お米の芯までたっぷりと水が浸透し、ふっくらと炊き上がるわけです。時間の目安としては、最低30分(冬場は1時間程度)として覚えておくとよいでしょう。

 また、炊き上がったごはんは、10〜20分程度蒸らすことも必要です。この「蒸らし」とは、お釜の中の温度を均一にすることで米粒内の水分を均等にする工程となり、米自体の旨味を引き出すための大切な時間なのです。蒸し時間が短いと、冷めたときに芯が残りやすくなります。逆に蒸らし過ぎると、旨味のないベタついたごはんになってしまうことに…というわけです。

 ここで注意点として、最近の炊飯器の多くは「蒸らし」まで終わってから、炊き上がりを知らせる音が鳴るように設定されています。これに気づかず未だに炊き上がりの音が鳴ったあと、蒸らしの時間を取る人もいらっしゃるでしょう。なので、蒸らし過ぎにならないよう、炊飯器の取扱説明書を今一度確認することもおすすめします。

 それではこの期間を活用して、ご飯の炊き方からこだわって自身の食文化のグレードアップをしてみてはいかがですか。