「AARO開設」や「ネッシー大捜索」など…UFO(UAP)&UMAにまつわる2023年動向まとめ【「ムー」エディターが厳選】
2023年もメキシコUFO公聴会で公開された「異星人ミイラ」騒動をはじめ、UFO(UAP)やUMAに関する新たな目撃談や着陸情報があったそうです。そんな1年を総括すべく、世界の謎と不思議のニュース&考察コラムをお届けする「webムー」の敏腕編集者、望月哲史さんが今年起きたUFO&UMA関連の重大ニュースを5選ご紹介します。
アメリカUFO情報研究機関AAROで初代局長が早速罷免された?
2020年からアメリカ政府によるUFO(未確認飛行物体:2021年6月からなぜか、アメリカ政府はUAP<未確認空中現象>と言い始めした)情報の公開が続いています(以降、ここではUFOで統一させていただきます)。
軍関係者個人やNASAの単位でも情報発信が相次ぎ、やもはや「UFOはある」ことを前提に、どの機関がどんな情報を発信するかが焦点の時代。その中でも、ペンタゴン(国防総省)が2022年7月に開設したUFO調査機関「AARO(全領域超常現象解決局)」がいま最も注目を集めていると言っていいでしょう。
AAROの公式サイトでは、近年の米政府公認UFOの映像や連邦議会に提出された報告書と議事録、それら調査の進捗状況などを確認することができるため、世界中のUFOマニアにすれば実に有益な公式情報源となりそうです。
日本では広島や長崎などいくつかの都市が「UFOスポット」として指摘されているほか、なんと、1947年のロズウェル事件を含めて歴代のUFO事例データベースを構築していくのだとか…。このように、アメリカ公式のUFO情報が一元化される壮大な機関になりそうです。
今後は、地球外生命体やその文明がもたらす(空中現象ではなくて…)飛行物体という意味でのUFO情報も公開が進むことが望まれます。ですが、AARO内部ではいわゆる宇宙人の扱いについては見解が分かれている模様。エイリアン情報に関心が強い初代局長が早速罷免されたという話も…。これは陰謀でしょうか? 「ムー」には、積極的な情報公開を期待します。
メキシコUFO公聴会で公開された「異星人ミイラ」騒動の裏で…。
2023年9月12日、アメリカに続けとばかりにメキシコでも、「UFO公聴会」が開かれました。国会議員やアメリカ軍関係者、日本の政治家も参加した公的な場で「どんなUFO情報が明かされるのか?」と、世界中から注目される中で公開されたのが「異星人のミイラ」です。
身長約60センチの彼らの姿は、日本でも報道されたのでご存じの方も多いでしょう。公表した超常現象研究家のハイメ・マウサンによれば、彼らは2017年ごろにペルーの鉱山で発見され、メキシコ国立自治大学(UNAM)の科学者による放射性炭素年代測定では約1000年前のものと判明したそうです。また、そのDNAは地球上の生物とは一致しない…とのこと。その見た目から「つくり物だ!」という指摘も集まったわけですが、メキシコ側は未知の生命体のものという姿勢を崩していません。
ロイター通信は11月8日(水)、同月7日に第2回目の公聴会が行われた記事を公開しています。そこでは、X線写真からの検査結果を検討したうえで、アルゼンチンの外科医からは「現在の人類の進化版で、われわれの子孫と考えられる」との意見も出されました。結果、誰も宇宙人の遺体とは認定していません。ちなみにマウサンは、それでも地球外生命体の可能性を主張しているようです。
さて、これらがリアルかフェイクかはともかく、問題はペルーのナスカ地方から持ち込まれたという事実です。地上絵で有名なナスカ地方では、やはり2017年頃から「異星人らしきヒト型のミイラ」が発見されており、ナスカの古代史において重要な遺物として研究が進められています。
なぜそれがメキシコに? どうやら正規の輸入手続きを踏んでいなかったらしく、「異星人のミイラ」についてはペルーからメキシコへ「盗品だ!」という猛抗議が送られています。実は中南米には、こういった「謎の古代遺物」を扱うブローカーの暗躍もあるようで…。ここで確かなこととして言えることは、「古代の神秘を研究する前に、国際関係を良好にする方法を研究し、解決することのほうが重要」ということです。
「嘘ではない。本当に宇宙人だった」ラスベガスUFO着陸事件が話題に。
国防総省によるUFO調査が始まったアメリカですが、2023年4月30日から5月1日にかけての深夜、ラスベガスでまさかの「UFO着陸」が起きていたそうです。
「自宅の裏庭にUFOが降りてきた!」と警察に通報したのは、16歳のエンジェル・ケンモアさん。「自宅の裏庭に何かが不時着し、その中から異星人としか思えない存在が出てきた」「UFOの横に身長3メートルほどの人がいて、中にはもう1人いるようだ」という通報内容が警察の記録にも残っているとも…。
この「UFO着陸事件」が明らかになったのは、その40日後のメディア報道がきっかけ。なので、その間になぜ大騒ぎにならなかったのか、客観的には疑問が残ります。エンジェル・ケンモアさんはその後のメディア出演で、「嘘ではない。本当に宇宙人だった」と主張していますが…。
ただ、通報の約1時間前に、カリフォルニア州東部・ネバダ州・ユタ州にまたがる広範囲で、明るく光る正体不明の飛行物体が墜落(落下)する様子を多くの住民が目撃しており、その光景は、現地ラスベガスの警察官も記録しています。宇宙人との遭遇はともかく、あの夜に何かあったことは間違いないようです。未確認飛行物体の事件が国際紛争や軍事の色も帯びる昨今、UFO着陸から宇宙人との遭遇というエピソードは何を意味するのか…。こういった事例も、米国防総省傘下AAROにとって研究対象となっていくでしょう。
ネス湖でネッシーの大捜索「ザ・クエスト」が行われました。
世界で最も有名な未確認動物(UMA)のひとつと言えば、ネッシーでしょう。スコットランド北部の「ネス湖の怪獣」として、1933年の通称・外科医の写真で世界的にその存在(の噂)が広まりました。
いまや常時湖面を追うライブカメラも設置されているネス湖ですが、8月26日、27日に半世紀ぶりという大掛かりな調査が行われました。ネス湖の文化と歴史にまつわる「ネス湖センター」が中心となり、熱探知機を搭載したドローンに水面下の音響の異変をキャッチするハイドロフォンなども用いた大調査。テクノロジーによって、広大なネス湖全体の異常を死角なく見つけようという本気のプロジェクトが実現したのです。
はたしてその成果は? 残念ながら調査側からは「水中での4回のノイズ」について公式に発表があったものの、巨大生物そのものの発見には至らず。ただ、調査に関連して集まった人たちからは湖面をうごめく巨大な黒い影が目撃されており、まだまだネッシーと人間の追いかけっこは続きそうです。
そもそもネス湖の怪獣伝説は中世にもさかのぼり、馬と魚が合体した姿の幻獣「ケルピー」との関連も指摘されています。古代から湖を守ってきた主(ヌシ)、霊的な存在としてのネッシーを考えると、大規模な調査はほどほどにして、神秘の歴史を文化面でも保全すべきでは?と思えます。静かに湖面の変化を見守るくらいがよいのでは…。
アメリカのネッシー「チャンプ」がソナーで撮影されたそう。
巨大怪獣が潜んでいる湖は、ネス湖だけではありません。日本でも屈斜路湖のクッシーや池田湖のイッシーが知られていますが、アメリカにもネッシーのような湖の怪獣、レイクモンスターの噂があります。
代表的なのが北岸はカナダ領になる国境沿いのシャンプレーン湖に棲むというUMA、「チャンプ」です。シャンプレーン湖ではヨーロッパ人到達の16世紀から大きな生物の影などが記録されているほか、1977年の写真を皮切りにその実在性について関心が高まっています。
前振りが長くなりましたが、2023年7月23日、シャンプレーン湖を航行していたチャーター船のエコー探知機が「巨大な影」を捉え、騒動になっていました。そこには細長い首、大きな胴体、長い尻尾、そしてヒレという、首長竜のようなシルエットがくっきり。魚の群れではないということで、体長数メートルに及ぶ巨大生物の「姿」にUMAマニアが沸いています。
いっそ「シャンプレーン湖の水ぜんぶ抜く」企画に期待したいところですが、琵琶湖の2倍近くもあるため、なかなか困難なプロジェクトになるでしょう。
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