「オリジナルのパンツをつくるきっかけとなったのは、会社勤めからフリーランスになり、スーツやネクタイ、革靴から解放されたことですね。移動手段も電車から自転車に。そうしたときにTシャツやスニーカーに合う、それでいてきちんとした格好に見えるパンツがボクのワードローブになかったんです。ならば、今の自分のライフスタイルにマッチしたパンツをつくろうと。それが始まりです」

と語るのは、今や20~30代のおしゃれ男子から絶大な人気のパンツ専業ブランド「ニート」のデザイナー西野大士さんだ。西野さんが言う“会社勤め”とはアメリカントラッドの総本山「ブルックス ブラザーズ」。ここで7年間、販売と広報の仕事をしながらブルックス流トラッドをたたき込まれたとか。

hiroshi watatani,neat
Hiroshi Watatani
毎シーズン生地を替え展開しているベルトレスタイプの定番モデル。40年代の英国軍のオフィサートラウザーズをベースにしており、ニートらしいシルエットが楽しめる一本です。今季はイギリスの生地メーカー「Moon」の、昔使われていたギャバジンの復刻版生地を採用。4万1800円(ニート/にしのや TEL 03-6434-0983)

その経験を生かして、ニートのパンツはクラシックをベースにしながらシルエットを今どきにアップデート。イン2プリーツ、ボタンフライといったドレスパンツの仕様を取り入れながらも不思議とカジュアルにもマッチするのだ。

これまでドレスパンツをはいたことがない若い世代には新鮮であり、またルールに縛られることなく自由に着こなせる点も人気の理由だろう。

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Hiroshi Watatani

…にしてもだ。昭和の古いトラッドおじさんのボクが解せないのは、きちんとした格好に見せたいならTシャツ改め襟付きシャツだろうと(笑)。スニーカー改めローファーだろうと(笑)。Tシャツにスニーカーじゃ銀座のバーに行けないよ~。ゴルフ場で注意されちゃうよ~。って、そんなトコには行かない!? きちんとするトコはどこだ。

綿谷画伯がたどり着いた、進化した今のトラッドスタイルがこちら
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Hiroshi Watatani
画伯が特に気に入ったのは、大胆にも全面にペイントを施したモールスキンのテーパードトラウザーズ。こういった遊び心あふれる意匠も西野さんならでは。(オーダーアイテム)5万3900円(ニート/ニートハウス TEL 090-3335-2110)

公式サイト

(メンズクラブ2021年10月号より)
※掲載内容は発売日時点の情報です。価格の変更や売り切れの場合がありますので、最新情報についてはブランドのHPよりご確認ください。