スパイ役からパイロット役まで! 名優トム・クルーズの代表作20選
「ミッション・インポッシブル」シリーズや『トップガン』などでお馴染みの俳優と言えば、名優トム・クルーズです。近年、アクション俳優として高い人気を誇る彼ですが、これまであらゆる役をこなしてきました。そんな彼の代表作をここで振り返りましょう。
いまもなおスタントなしで、ひたすらアクションに挑む名優トム・クルーズ。そんな彼が、SpaceXおよびNASAと宇宙で映画を撮影するために交渉中であるとのことがこのたび明らかになりました…。
これまでトムは、命がけで地球上で最も高い建物に登ったり、離陸している飛行機にぶら下がったり、上空2万5000フィート(約7620m)からジャンプをしたり…と、映画「ミッション:インポッシブル」シリーズでのスタントシーンでは映画界に新たな歴史を次々と残してきました。
ここ最近はアクション俳優の一員となったトムですが、実はこれまで、さまざまな温度感を持つ役を演じてきました。頭の中はSEXのことでいっぱいの受験生を演じたかと思えば軍人に扮したり、吸血鬼になったかと思えばクールなエージェント役も...。
それではここで、そんな彼がこれまで出演してきた厳選20作を振り返ってみましょう。
『タップス』(1981)
トムのごく初期作品。1年後に廃校となる名門の陸軍幼年士官学校で起こったある事件をきっかけに、学生たちがその純粋さゆえに悲劇を引き起こしていきます。
トムは生徒のひとり、デヴィッドを演じました。共演名優たちの若き姿も見逃せません。
『アウトサイダー』(1983)
名匠フランシス・フォード・コッポラ監督による、名作中の名作青春劇です。
1960年代のオクラホマ州で暮らす若者たちの姿を描いたフレッシュな作品であり、若さみなぎる悪(わる)なスティーヴ役を見事に演じています(チョイ役と言えるぐらいにの立ち位置ですが…)。
キャスト陣は、当時の流行語にもなった「YA(ヤングアダルト)」なスターたちが出演。この後、彼らはどんどん有名になっていきます。そんな有名スターたちの粗削りな演技を観るだけでも、かなりの価値はあるでしょう。きっと彼らは、「子どもはみな黄金で、その心を持ち続けてほしい」を実践したきたのでしょう。
『卒業白書』(1983)
ゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされるなど、トムを一挙にスターダムへと押し上げた初の主演作になります。
大学進学を控えたジョエルは両親の留守中にハメを外してしまい、トラブルに見舞われます。あどけなさの残るトムのダサくてカッコいいダンスシーンは超必見です。まさに「トムこそ、今後の映画界に欲しい人材」となった作品と言えるでしょう。
原題の『Risky Business』というもの秀逸です。
『トップガン』(1986)
米海軍のエリートパイロットの仲間入りを果たした訓練生ピート・ミッチェル(コールサイン:マーヴェリック)をトムが演じ、挫折や恋を経験しながら成長していく姿を描いた名作です。
トムのさらなら魅力を世界へと知らしめた、プロモーションビデオ的映画とも言えるでしょう。トムが続投する続編『トップガン マーヴェリック』も、現状では2020年夏公開予定。日本版予告編も解禁となり、いまから期待でワクワクです。
『レインマン』(1988)
長らく絶縁状態だった父の死を知り、帰郷したチャーリー(トム)。彼は、その存在さえ知らなかった自閉症の兄レイモンドが、父の遺産のほぼすべてを受け取る予定であることを知ります…。
ちなみにレイモンド役を演じたダスティン・ホフマンは、これでアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。
『カクテル』(1988)
大ヒット青春映画。兵役を終えたブライアンは、NYでバーテンダーのバイトをすることに。そして、カクテルづくりのド派手なパフォーマンスが好評を得るのですが…。
公開当時は、彼のマネをするバーテンダーが爆発的に増えたそう。弾けんばかりの魅力あふれるトム、実にまぶしい…。
『7月4日に生まれて』(1990)
実話小説をもとに、名匠オリバー・ストーンが贈る戦争ドラマになります。
アメリカの独立記念日である7月4日に生まれたロン(トム)は、強い愛国心を胸にベトナム戦争に参加するのですが…。
ロンの半生には、胸を打たれること間違いなし。トムはこの作品でアカデミー賞主演男優賞にノミネート、ゴールデングローブ賞主演男優賞を手にしています。
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994)
吸血鬼ルイ(ブラッド・ピット)がインタビュアーに半生を語るという形式の、一風変わったゴシックホラーです。
トムはダイエット&ブロンドヘアで変身、ルイを吸血鬼にしたレスタトを妖艶に演じて、新境地を切り開きました。このトム&ブラピの耽美なヴァンパイア姿は、歴史に残る変身ブリなのです。
『ミッション:インポッシブル』(1996)
出すたびに大ヒットを記録する、大人気シリーズの記念すべき1作目がこちらです。
スパイ組織IMF(国際通貨基金ではなく、架空の秘密機関Impossible Mission Force)に所属するイーサン(トム)は、とある任務に失敗してチームメンバーが殺されます。さらに、そこで裏切り者としての濡れ衣を着せられることに…。その身の潔白を証明すべく、彼は独自に動き出したのでした…。
トムはこの作品で初めて製作も務め、一流アクションスターの仲間入りもこの作品で果したのでした。
『ザ・エージェント』(1996)
有能スポーツエージェントのジェリー(トム)。会社の方針に疑問を持ち、提案書を提出するのですがクビになってしまいます。そして同僚のドロシー(レネー・ゼルウィガー)とともに、独立するのですが…。
理想に燃える主人公を熱演したトムは、これで見事アカデミー賞主演男優賞にノミネート、ゴールデングローブ賞主演男優賞も受賞しています。
『アイズ ワイド シャット』(1999)
巨匠スタンリー・キューブリックの遺作となった、エロティック・サスペンス。
当時の妻だったニコール・キッドマンと共演し、今まで知らなかった世界へと足を踏み入れていく夫婦を演じて話題に…。この謎めきぶりがクセになる人も多数。ぜひともEyes wide openでご覧ください。
そうしてトムは、このあたりからオトナの男の魅力がググッと増し始めたのでした。
『マグノリア』(1999)
名監督ポール・トーマス・アンダーソンがメガホンをとった、LAが舞台の群像劇。一見、何のつながりもない12名の人間のバラバラの物語が、ひとつに収束していくさまは壮観です。
錚々(そうそう)たるキャストがそろったキャストの中でも、トムはセックスカルトの教祖を怪演して異彩を放ち、ゴールデングローブ賞助演男優賞獲得、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。
『マイノリティ・リポート』(2002)
舞台は2054年のワシントン。犯罪予防局で刑事として働くジョン(トム)は、予知能力者プリコグの透視により犯罪を未然に防いでいました。
しかしある日、プリコグが透視した犯人の名前が自分だったことから、彼はその身を追われることになってしまうのです…。
アクションスターとしての地位も、この作品で確実なものとなりました。
『ラスト サムライ』(2003)
南北戦争で英雄となったのですが、戦争の無意味さに打ちのめされることに…。そうしていつの間にか、アル中暮らしとなっていたオールグレン大尉(トム)のもとに、近代化を目指す日本軍の教官として日本へ渡るよう命じられます。
そして彼は、勝元(渡辺謙)というサムライと出会い、ふたつの運命が交差するのでした。
トムの渋さが炸裂し、ゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネート。
『宇宙戦争』(2005)
1953年にも映画化されたH・G・ウェルズの古典SFを、スピルバーグがリメイクした作品です。地球侵略を企てるエイリアンと、それに立ち向かう人類の姿を描かれています。
レイ(トム)は家族を守りつつ必死に逃げますが、人類にはなす術もありません。ダメなパパが我が子を守るべく強くなっていく…という父の成長ストーリーでもあるのです。
『アウトロー』(2012)
全米でベストセラーとなったハードボイルド小説を、映画化した作品です。
白昼、一般市民が銃殺される事件が発生する…容疑者を確保した警察の前に突然、ジャック・リーチャー(トム)という謎の男が現れます。
『ミッション:インポッシブル』シリーズに次ぐ、新たなアクションに誰もが魅せられることでしょう。続編『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』も要チェックです。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)
日本のヒットSF小説をハリウッドで映像化したという、日本人にとって非常にうれしい作品です。
謎の生命体「ギタイ」の侵略により、壊滅寸前の近未来が舞台。ウィリアム少佐(トム)は最前線に送り込まれてしまいますが、敵の圧倒的な強さにすぐ死亡してしまうのですが…。次の瞬間彼は、出撃の前日に戻っているのでした…。
トム並みにパワフルなアクションを見せた、『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラントにも注目です。
『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(2017)
ユニバーサルの巨大プロジェクト、“ダーク・ユニバース”の第1弾。
イラクの地下に眠る棺を発見した米軍軍曹ニック(トム)と、考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)。棺に眠っていたのは、古代エジプトの邪悪な王女アマネットでした。
衝撃の展開に驚かされた人も多いのでは?
ただし、今作がコケてしまったことで、“ダーク・ユニバース”の先行きもかなりダークになってしまったのでした…。一部では、「ダーク・ユニバース」計画は完全に消滅したともささやかれていますが、続報を待ちたいところです。
『バリー・シール/アメリカをはめた男』(2017)
パイロットとしてCIAの仕事をしながら、麻薬の運び屋でもあった実在の人物バリー・シールの実話をもとにしたフィクション映画です。
本作では、まるで『トップガン』で演じたマーヴェリックのように、サングラスをクールに着用して航空機を操縦しています。
見た目はクールでありながら、中身はドジなバリー役はなかなかのハマリ役であったのではないでしょうか。自宅でお金を懸命に隠すシーンは、なかなかの爆笑ものです。
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)
「ミッション・インポッシブル」シリーズ6作目であり、最新作がこちら。何者かにより複数のプルトニウムが盗まれ、3都市で同時核爆発が企てられます。タイムリミットは72時間、イーサンらIMFのメンバーは、それを防げるのでしょうか?
歳を重ねるに比例して、アクションもパワーアップしている本シリーズ、今回もアクションてんこ盛りです。ちなみにトムはこの撮影で骨折しております。
2020年7月3日には57歳となるトム、それでも自分の思うどおりに身体が動き続けるまでは、彼はきっと挑み続けてくれるでしょう。