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テレワーク(在宅勤務)を成功させる秘訣 ― 経験者たちの話です
通勤時間をなくして、成功をつかみましょう。そして、自身の時間や心の健康も手に入れるのです(本記事では、安易にテレワーク(在宅勤務)を推奨するのではなく、その厳しさも取材しています)。
恐らく通勤中、会議の最中、または会社にいて、こんなことを思ったことがあるでは?
「テレワーク(在宅勤務)だったら、もっと生産的になれるのになぁ…」と。多くのビジネスパーソンが、こんな思いを抱いているかもしれません。「働き方改革」の実現に向けて動き出したばかりの日本社会ではありますが、その悩みは日本人だけではありません…。特に、先進国で働くビジネスパーソンの中で共通して存在しているようです。
世論調査などで知られる米国企業「ギャラップ」社の調査報告によれば、アメリカ人の10人に約4人は少なくとも勤務時間の一部は遠隔で働いており、3分の1の割合の人は総勤務時間の80%を遠隔で働いているというのがアメリカの現実のようです。
約6年前に自宅で仕事を始めたニューヨーク市内の公認会計士である54歳のアダム・カーンさんは言います。
「上司から離れた環境に身を置かなければ、どれだけ上司と時間を過ごしていて、そして、どれだけ時間を無駄にしていのか気づかないでしょう」と。「テレワーク(在宅勤務)なら、会社に出社している建前や(服装などの)社会的な建前も気にする必要はないですし、会議に次ぐ会議もありません…。ただ、自分自身に責任を課す自だけなのです」。
今回、ご紹介するこの記事を参考に、在宅勤務を実際に行い、気に入っている方たちの話に耳を傾けてみてください。ご自身の働くスタイルへ、いま一度問いかけてみるきっかけにしてみてはいかがですか。
◆テレワーク(在宅勤務)で効率的に集中し続ける方法
カリフォルニア州カールスバッド在住で、教育関連会社Fire Engine REDの広報責任者であり、2児の父親でもある51歳のチャック・バドゥンさん。彼は、新たなフレキシビリティーのライフスタイルをどのように機能させるか考え出し、その過程において実りある仕事をしています。
「妻は、私が集中して、生産的に仕事を続けることができるとは思っていませんでした。それは5年前のことで、現在の私は順調にやっています。彼女も今では認めてくれています。当初、妻が言っていたことを録音しておけばよかったですね(笑)。私はマーケティングの現場にいて共同作業にも携わっているので、前は『ホワイトボードで練ろうよ』なんて言っていました。が、今ではそれはできません。今はアイデアをシェアするために、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Slackなどの様々なツールを使っています。うまくいっていますよ…」。
「テレワーク(在宅勤務)を始めたころは、朝食やシャワーといった毎朝の日課に行き詰まりましたね。休憩には昼食、犬の散歩、ヨガ、そしてドラムの練習も含んでいます。また、潔癖症の気があるので休憩中に自宅のあるエリアを片づけて、別の休憩中には他のエリアの片づけをしたりするのですが…、すぐに仕事に戻ることはできます」とのこと。
また、「前職のオフィスは、いわゆる“今っぽい空間”でした。音楽が鳴り響き、おもちゃの銃が嫌いになりそうな開放感のあるエリアの隣だったのです。ですので、今は自宅で集中して自分がしていることについて、考えることが容易になっています。これが良き結果をもたらせているのです」とバドゥンさん。
「しかし、孤立感が問題です。そこは認めます。けれでも、そのことを受けいれてしまえば、その時点で半分勝ったも同然の状態なので、あとはそれに対抗するために何かをするだけなのです。私は友人とコーヒーを飲んだり、ランチを一緒にしています。時には、夕方にヨガのクラスを受けたりもしています。そしてそういった日には、夜に仕事時間をつくり出しています。電話をかけなければならないときには、ノートパソコンを図書館やコーヒーショップに持っていくこともありますね。全く見ず知らずの人であっても、人とわずかなやり取りがあるだけで、自分のバランスを保つことに役立ちます」とのこと。
「全体的に考えると、特に我が家にとってはかなり上手くいっていますね。オフィスで働いていたときは、多くの人が子どもの面倒を見るために、17時に退社していました。今では、自分の椅子に座っていればいいだけですから。その代わり、締め切りと結果がすべてです。責任はある意味増しましたし、同僚からの信頼がなければ成り立ちません」と続けます。さらに…
「今では、2人の娘が午後3時に学校を終えたときに会えることをうれしく思います。彼女たちとちょっとした会話をして、それに妻は私の仕事の境界線を支援してくれていて、何かを私に頼むのは仕事を終えるまで待っていてくれますし。とは言っても、私も子どもたちの放課後の一部になっているのです。友人たちと子どもの運動の送り迎え当番もやれていますので。今の会社のCEOは、テレワーク(在宅勤務)を支援してくれる方です。
テレワーク(在宅勤務)をしている人はいつでも好きなことをやれるのです。良い仕事を続けていれば、問題はありませんので…。善くも悪くも“能力主義”ということです」。
51歳チャックさんのテレワーク(在宅勤務)の成功戦略を活用しましょう!
▶設備を整備すべき:自分の作業場所をさえぎるもの…吠える犬や元気いっぱいの子どもたちから、逃れる必要があります。別室に仕事環境を用意できればベストでしょう。心理学的には、固定の仕事のスペースを持つことで、そこは仕事をする場所であることを自身や他のすべての人に思い出させることができますので。そして、その場所から離れるということは、仕事が終わったということになります。
▶推進する価値のあることは同僚とのコミュニケーション:同僚との、過剰なコミュニケーションは大切です。Slackやメッセージ、電話会議を利用したやりとりで多くの時間を費やしています。これは無駄ではなく、大切なことなのです。視界に入らないのですが、忘れられたくはないのです。だから、相手の頭にしっかり浸透するよう繰り返します。それほどしつこくはしないのですが、オフィスに行っていないことを補うためには必要です。
▶健康のために体と心のストレッチ:体操(ヨガ)と趣味(ドラム)。約3年前にヨガを始めたので、5〜10分の短いセッションのためにヨガマットを手が届くところに置いておきます。ガレージにドラムキットはあるので、ヘッドフォンをつけて1、2曲叩いたりもします。このような短い休憩は、想像力を助けてくれます。悩んでる仕事から少し頭を離してみると、PCの前に戻ったときに、潜在意識がときにベストな回答を与えてくれることもあります。
◆テレワーク(在宅勤務)のフレキシビリティー(柔軟性)を活用する方法
コロラド州フォートコリンズ在住で、テレワーク(在宅勤務)を推進するFlexJobsでマーケティングディレクターを務める37歳のマイク・ガットマンさんは、テレワーク(在宅勤務)で成果を上げています。
「約10年前にしばらくの間、テレワーク(在宅勤務)を可能にしてもらうために交渉していました。通勤に片道1時間かかっていて、その時間を自分の時間として取り戻したかったのです。すると突然、その時間が自分のものになったのです。その時間を朝のランニングと、夕方に自転車を乗ることなどに使えるようになりました。そもそものアイデアは、『オフィスのルーティン作業や会議、それに何人かの人から逃れられるかもしれない』という(少々不純な!?)動機でした。が、逆に決まったルーティン作業や社会的な交流は、ある程度必要だということに気づかされました」
「私は自宅ワークだからといって、パジャマの姿で仕事はしません。朝の支度、例えばシャワーを浴びたり、歯を磨いたりするのも楽です。いつでも出かけられるように、外に出てても恥ずかしくない格好をしています。そういうことで『仕事をするのだ』という気持ちにセットしています。それと仕事の割り当て、その日の用事、それからトレーニングの時間も含めた自分の1日の計画もしています。このスケジュール化がルーティン作業の設定を可能にし、そして、このルーティン作業が生産性へとつながっているのです。つまり、自宅ワークだからと言って、決められた作業(ルーティン)をしないで良い、というワケではないのです」
「私の効果的な方法の1つは、朝、徐々に目を覚ましながら仕事とは無関係のもの、を20分間ベッドの中で読書しています。このことで自分を刺激して、それから20分間体操をしています。次に歯磨きをします。通勤に費やしているはずの時間は、自分のための時間に使います。自己愛の1つの形かもしれませんが(笑)、非常に大事なことです」
「“あくまで”私の価値観にとって良かったことは、オフィスでの政治的な駆け引きに巻き込まれることがなくなったことです。テレワーク(在宅勤務)では、仕事の質が最も大事なことです。積極的に電話をかけたり、遠隔ミーティングをセッテングするように心がけています。テレワーク(在宅勤務)はある意味では、オフィスに出社するより能動的に動く必要があります。自分のIT環境もサポートしなければなりませんし、自分自身が研究所でもあるので、自分で問題解決をしなければなりません。しかし、このことは自分の将来的に利益をもたらすスキルとなるでしょう」
「経験から言うと、自分の家が住処でありオフィスになると、すぐにそのことにうんざりとすることでしょう。ちょっとした散歩でも、外出することは重要なことです。もちろん、Slackやテレビ電話もありますが、少しでもつながりを求めて、チームミーティングを定期的に開催しています。それに、コーヒーショップでもエネルギーをもらったりしていていますね。自宅ワークだからと言って、組織の一員であることは忘れてはいけません。コミュニティーを大切にする必要が大切なのです」とのこと。
「そうは言っても、仕事中は自分と友人や家族とは、一定の距離(壁みたいなもの)をつくらなければなりません。結局のところ、決め事と優先順位なのです。大事な人(家族)との間にも決め事を設定することは、絶対に必要です」
「孤独に対処することが、自宅ワークを続けていくための重要なスキルとなります。私は受け入れています。自分の考えを心地良く感じれば、自分が自分の親友になれると学ぶでしょう」
37歳マイクさんのテレワーク(在宅勤務)の成功戦略を活用しましょう!
▶自分の時間を記録する:1週間自分がどのように時間を使っているか、正確に書き出します。仕事においてだけではなく、家で何かをすることでも、集中するために役立つでしょう。どこでバランスを取るべきかや、調整の仕方のアイデアを得ることができるでしょう。
▶有意義な抵抗:毎朝目を覚ますと、携帯電話をチェックしなければという衝動に抵抗しましょう。自宅ワークで大切なことは、自分の生活と仕事に境界線をつくりましょう。起きている時間ずっと、仕事が頭の中に染み込まないようにしてください。自分の時間を取り戻しているのです、そのことは価値のあることとなります。
▶最も幸せになれる場所を見つけましょう:私は自分のノートパソコンで仕事をしていて、マイクが付いたノイズキャンセリング ヘッドフォンを持っているので、気を散らすことのないミーティングをすることができます。このことでソファ、キッチン、仕事場のあるその部屋は、全くもって会社と何ら変わらず機能するのです。自分の家で働くことのできる自由さ、私にとって幸せな居場所とも言えるのです。
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From Men’s Health
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。