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コンドーム:男性用と女性用、正しい使用法と効果について再検証
性感染症の予防ばかりでなく、計画外の妊娠を避けるためにも有効なコンドーム。その利点を改めて検証していきましょう。
コンドームは妊娠を防ぐのみならず、性行為によるHIV感染やクラミジア・淋菌感染症などの「性感染症(STI=Sexually Transmitted Infection)」の予防するためにも有効です。
コンドームには、男性用と女性用が存在します。男性用コンドームのほうが女性用コンドームよりもはるかに普及しており、イギリスにおいては「生殖適齢期の女性の約25%が男性用コンドームに避妊を頼っており、女性用コンドームを使用したことがあるという方はわずか2%に過ぎない」というデータもあります。
今回はイギリス人医師ロジャー・ヘンダーソン博士が、男性用と女性用コンドームの正しい使用法(つけ方と注意点)、そしてそれらの効果(メリットとデメリット)について、おさらいも兼ねた基礎知識も含み再検証します。
◇コンドームとは、なにか?
男性用コンドームとは、男性が絶頂に達した(イった)際に放出される精液を封じ込めるための避妊具です。「ゴム」とか「アレ」とか…、ちなみにイギリスでは「ジョニー」などと呼ばれることもあります。
15センチ(6インチ)程度のものが主流ですが、大小さまざまなサイズの商品が存在します。小さすぎるものを装着するのは大変です。おすすめ関連:「コンドーム」の適切なサイズを探すための簡単なガイド
ほとんどすべてのコンドームが、ラテックス(とても薄いゴム)でつくられています。が、ラテックスにアレルギーを持つ方も2%ほどいるため、ポリウレタン製のコンドームもわずからながら存在します。
実にさまざまな種類のコンドームが流通しており、どれを選ぶかは人それぞれと言えます。ですが、品質保証と安全性とを示す日本では「JISマーク」(イギリスでは、カイトマーク=凧(カイト)の形に似ていることから)があることが信頼の証、購入の条件にすべきでしょう。ラテックスアレルギーのある方(もしくはラテックスと化学反応を起こす可能性のあるクリームなどを使用している方)は、ノンラテックス製のコンドームを選ぶべきでしょう。
◇男性用コンドームの正しい付け方と注意点
男性用コンドームを買えば、そのほとんどにステップ・バイ・ステップの使用説明書が付属しているので、その説明に従って使用しましょう。
一般的な装着方法、注意点を挙げておきます。
●未使用の清潔なコンドームを、個包装のパックから注意深く取り出します。爪を立てて引っ張り出さないように気をつけましょう。
●強度を損なう恐れがあるので、使用前に膨らませないでください。
●男性用コンドームの先端部分は、乳首のような形状をしています。そこをつまんで空気を押し出しましょう。
●勃起した男性器に、コンドームを巻き下ろします。勃起前の状態で装着しないように注意しましょう。
●男性器の根本まで、しっかり巻き下ろしましょう。
●装着中に、(緊張のためか)勃起が続かないという男性もいます。ですが、これは誰にでも起こり得る現象です。パートナーの手を借り、刺激しながら着けてもらうと良いでしょう。
●絶頂に達したら、コンドームをしっかりと押さえながら、男性器を女性器から引き抜きます。溜まった精液が流れ出ないように注意しましょう。
●コンドームを外したら、ティッシュペーパーなどに包んでゴミ箱へ捨てます。
●もし繰り返し性交渉を行なう場合には、一度、性器をキレイに洗い流してから、未使用の新しいコンドームを装着しましょう。
●コンドームを再利用してはいけません。
●もし行為の最中にコンドームが破けたり、外れてしまったりした場合には、(「72時間以内になるべく早く」とただし書きをそた)緊急避妊法がバイエル薬品の公式サイトで公開しています(ですが、確実に回避するものではありません)。ご参考にしてください。「緊急避妊法」はこちらから(日本語)
◇男性用コンドームの効果を検証 ― 妊娠の確率は?
男性用コンドームを用いることで、妊娠の可能性を大幅に減らすことが可能です。活発に性生活を営む生殖適齢期の女性の場合、避妊を一切行わなければ、80%の確率で妊娠するという研究結果があります。そこでコンドームを使用すると、「その妊娠の可能性は2%まで引き下げられる」と言われています。
正しく使用されていることが前提となりますが、コンドームの着用によってHIVを含む性感染症(STI)の感染リスクも大きく減少することが知られています。ただし、これも100%ではありませんので、注意が必要です。
避妊のためにせよ、感染予防が目的であるにせよ、性行為の間はずっとコンドームを着用していることが重要です。
コンドームの効果は、その使用法によって変化することをお忘れなく。コンドームを乱暴に引っ張ったり、パートナーに噛ませたり、行為の途中になって装着したりすれば、予防効果は大幅に損なわれてしまうことを忘れずに。
◇妊娠しやすくなる条件(コンドームに関する視点から)
●挿入前にコンドームを装着しない場合。
●コンドームが破れてしまった場合(丁寧に扱えば、破れることは滅多にありません。指輪で引っかけたりすると破れる危険性は高まります)。
●ワセリン、ボディオイル、クリーム、ローションなどの油性潤滑剤を使用している場合は、ラテックス製コンドームを劣化させ、穴を空けてしまう可能性があります。潤滑剤を使いたい場合には、K-Yゼリー(水溶性の潤滑ゼリー)や専門の避妊用ゼリーをご使用ください。
◇コンドームを使うメリット
男性用コンドームには、次の利点があることが知られています。
●入手が簡単である。
●医療リスクが無い。
●性感染症に対する予防効果が高い。
● さらに「HPV(ヒトパロマ―ウイルス)」の感染リスクを低下させ、子宮頸がんの予防が期待できます。
◇コンドーム使用のデメリット
マイナス点についても、ここで触れておくべきでしょう。
●着用によって、挿入時に得られる快感が減少する男性がいます。
●装着の際、行為が途切れてしまいます。
●性行為中に破れたり、精液が漏れてしまうことの心配も。
●避妊という点だけを見れば、ピルを用いるなど、より効果的な方法もあります。
◇フレーバー付きコンドームについて
フレーバー付きのコンドームが売られていますが、これは前戯の楽しみを増幅させることを目的とした商品です。主に、オーラルセックスでの使用が前提となっています。
留意点として、商品ブランドによっては殺精子剤が使用されている商品もありますが、用いられる化学物質によってはアレルギー反応を引き起こす可能性もあるのでご注意を。
女性により大きな喜びを与えられるようにデザインされた、凹凸のある形状のコンドームも人気の高い商品です。
◇女性用コンドームとはなにか? その歴史
女性用コンドームは1990年代初頭に生まれた、膣(ちつ)の内壁を覆う柔らかいプラスチック製の、バリアー型の女性用避妊具です。
ラテックス製ではなくポリウレタンでつくられているので、アレルギー反応を引き起こす可能性は低く、オイルの潤滑剤によって膣内を損傷から守る効果も期待できます。
最も広く流通しているのは、フェミドームという潤滑オイルに殺精子剤は含まない商品です。
◇女性用コンドームの効果を検証 ― 避妊効果と妊娠の確率は?
女性用コンドームを正しく使用することで、95%の避妊効果が(男性用コンドームの98%と比較して)あると言われています。
この装着法は女性自ら(もしくはパートナーの手を借り)性交渉の前に、膣内に女性用コンドームを装着することになります。
一度、性交渉が始まった後で装着しても、十分な効果は期待できません。性行為の際に男性は、女性用コンドームの内側を狙って挿入するよう、細心の注意を払う必要があります。
◇女性用コンドームの正しい付け方と注意点
装着のためのベストな姿勢を見つけるためにも、まずは複数の挿入体勢を試してみるのが良いでしょう。寝転がった状態が装着しやすいという女性もいれば、椅子などに片足を乗せて立った姿勢で装着する女性もいます。しゃがんだ体勢が良いという女性もいますので。
装着方法はパッケージ内の説明に従うべきですが、通常は以下の手順で行ないます。
●女性用コンドームの閉じた側を手に持ち、内リングの位置を確かめます。
●内リングを指先で押さえ細長い形状をつくり、装着可能な状態をつくります。
●空いているほうの手で、膣の入口を広げます。
●内リングを細長い形状にしたまま、膣の奥まで入れていきます。取扱説明書には装着方法が図解されていますので、ご参照ください。
●次に二本の指を、女性用コンドームの内部に指し込み、内リングをできるだけ奥へと押し入れます。それによって膣内に、女性用コンドームがきれいに収まります。
●外リングが、女性器の入口周辺を覆うように広がってていることを確認します。外リングの端がクリトリスのあたりにある状態です。
●外リングの内側へと、男性器の挿入を促します。女性用コンドームの外側から男性器が挿入される場合もあるので、注意が必要です。
●性行為の後、外リングをひねるように優しく女性用コンドームを引き抜きます。その際、膣内に精液が流れてしまわないように気をつけましょう。
●使用後はティッシュなどで包み、ゴミ箱へ捨てます。再利用はしないでください。装着方法が詳しく書かれた日本語サイトのリンクをご参照ください。
◇まとめ
女性用コンドームは、男性用コンドームほど普及していませんが、好んで使用するカップルも増えています。女性自ら生殖を制御できるという利点があります。
また使用する際には、男性用コンドームと併用しないことが重要です。片方または両方のコンドームが破けてしまったり、摩擦によってずれたりする危険性が高く、避妊の役目を果たさないのみならず、性感染症予防の効果も損なわれてしまいます。
女性用コンドームは一般的に、男性用コンドームよりも高価と言えるでしょう。ちなみにイギリスの家族計画クリニックでは、いずれのタイプのコンドームも無料で提供されています。
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