私たちは一般的に「セックスはもっぱら夜に行う行為」と考えがちですし、数多(あまた)の研究や調査によっても、人々はたいてい性行為を夜に行っていることが明らかになっています(だからこそ、「一夜を共にする」という表現があるわけで、「陽が沈むまで頑張ろう」などと言う人は稀なはずです)。
◇朝の性行為が良いとされる6つの理由
あなたも多くの人と同じように、セックスを夜に行っているとしても「朝のセックスには確かなメリットがある」ということは事前に知っておくべきでしょう。そこには、「できる限り、やれるもののならやりたい!」といった衝動を強く駆り立てる「快楽」という感覚的な利点を超えるほどの、大きなメリットことが報告されているのです。
もし、まだ仕事へでかける前の––あるいは週末の起き抜けの––“イッパツ”の経験がないとしたなら、ストレスの軽減や生産性の向上など、さまざまなプラス効果を得損なっているかもしれません。
◇産婦人科医で医学博士が記事を監修
朝のセックスのメリットについて、もっとお知りになりたいですか?
われわれは数多くの調査に目を通したうえで、産婦人科医で「ウイメンズ・ヘルスケア・オブ・プリンストン」のメディカルディレクターを務める医学博士、米国産科婦人科学会会員(FACOG)のマリア・ソフォクレス博士に、知っておいてほしい数々の説を確認させていただきました。
【メリット1】朝のセックスはより生産的にしてくれる
マットレスの評価を行う米国のウェブサイトが最近行った、パートナーと同居している1000人を対象にした研究調査があります。
それによると、「朝のセックスの経験がない」と回答していたのは、男性はわずか37%であったのに対して、女性は63%だったそうです(ゲイとバイの男性は朝にセックスを行う傾向があるとされています。よって、これが男女の数字に違いの一因になっていると考えられます)。
さらにこの研究では、男性の半数以上(53.1%)が「朝のセックスは昼間の生産性を高めてくれる」と答えています。先に「セックスが仕事中の幸福感を後押ししてくれる」と示されていることを考えると、これは納得ができるでしょう。一方の女性の場合はそれよりやや少なく、「生産性が上がる」と答えていたのはわずか45.2%でした。
また注目すべきは、男性の7%、女性の12%が、「朝のセックスで生産性が落ちる」と答えていることです。残りの人は、「朝のセックスは生産性に影響しない」と答えていました。
【メリット2】「朝のセックスは、疲れなく元気いっぱい」
この調査結果に対して 、日本で言えば2chに近い存在の米国掲示板サイト「Reddit」に参加している人々も、おおむねこれに同意しています。
「朝のセックスが好きな理由」を訊(たず)ねたスレッドでは、あるユーザーが「それのおかげで起きることができる。それにセックスをすると生産的なマインドになって、『今日も1日頑張れるぞ』って気分になるんだ」と言っています。
また、別の人はこう言っています。「ぐっすり眠って、元気いっぱいで目を覚ます。すると、隣にゴージャスな女性がいるわけでテストステロン*のレベルも上昇する、これ以上の1日の始まりってあるかい?」とつづっています。
その人はさらに、「それに対して、夜になれば疲れているし、ストレスもかかっている。だから、シーツの上で汗まみれで頑張って誰かを楽しませるより、早く休んでリラックスしたいと思うだろう」と言っています。
*テストステロンとは?
…男性ホルモンの一種(とは言え、男性ホルモンの95%はテストステロンです)であり、男性の場合は約95%が睾丸(精巣)の中、残る5%が副腎で合成・分泌されていると言われています。そして、テストステロンが産生されることで、脳内物質の「ドーパミン」の分泌が始まります。のちに興奮作用のある「ドーパミン」が男性の陰茎海綿体に「勃起せよ」と司令を出すことで、ペニスに血液が集まり勃起するという流れになります。
つまり、男性が性行為に積極的になるためには、このテストステロンの分泌が欠かせないというわけです。
再度ここで大まかに言えば、「男性的な身体つきや思考性を司る」ものになります。精神的・肉体的な元気さを維持するために必要なものとして、性機能(勃起力や性欲)・生殖機能や記憶力、認知力にも関係しているとのこと。つまり、「精力」とともに、仕事ができる者に不可欠と言える「決断力」と「判断力」のパフォーマンスも上げてくれるとされているのです。
【メリット3】ストレス軽減
また、朝のセックスは自身に蓄積された昨日までのストレスを浄化へと導いてくれることも期待でき、さらにはあなたとパートナーの関係性、絆を深めてくれることも期待できるのです。
「セックスには、エンドルフィンの分泌を促す効果があります。エンドルフィンが『幸せホルモン』であることはよく知られていて、くつろぎの感情をつくり出し、不安や憂鬱(ゆううつ)な気分を払いのけてくれることも大いに期待できます」と、ソフォクレス博士。
そして、「その日を素晴らしい1日にするためには、絶好のスタートと言えるかもしれません」とも言います。
【メリット4】パートナーとの愛と絆が深まる
さらに朝のセックスは、ストレスを和らげてリラックスした気分にしてくれるホルモン、オキシトシンの分泌を促します。これがパートナーとの結びつきを強くしてくれるのは、言うまでもありません(オキシトシンは“愛のホルモン”としても知られています)。
ソフォクレス博士は多くの患者から、「朝のセックスがパートナーに対する本当の親近感を与えてくれる」との報告を受けているそうです。
【メリット5】朝はテストステロンのレベルがより高くなる
いい気分のときは、セックスもさらに気持ちよくなるでしょう。 実は、朝はテストステロンのレベルが最も高いときでもあり、つまりは、セックスの意欲も高くなっていることを意味しています。
例えば、トレーニング後のセックスが最高なのも、「テストステロンのレベルが高くなっているから」と解釈できるのです。
同様にシスジェンダー(=身体と心の性が一致している人)の男性は、いわゆる“朝だち(正式には「夜間陰茎勃起現象」と呼ばれますが)”状態と共に目覚めるときがあるはずです。つまりその連鎖から、朝のセックスは必然の行為と解釈することもできるでしょう。
そして朝のセックスから、待望の解放感を得ることでその日の気分は高まるわけです。まさに、幸先のいいスタートを切ることができるわけです。
【メリット6】朝は勃起しやすい:夜間陰茎勃起現象
前述の「夜間陰茎勃起現象」…いわゆる「朝立ち」という現象は、健康な男性には付き物です。再確認すると、これは朝、睡眠から目覚めたときに男性器が勃起している現象のことであり、勃起に自信のない男性にとっては好都合となるはずです。関連記事:朝立ちは健康の証
◇アドバイス:もしパートナーが朝のセックスを好まなかったら?
本記事を読んで、あなたが朝のセックスを試してみたくなったとしても、あなたのパートナーはその気になれないかもしれません。
なんだかんだ言ったところで、セックスをしたい気分になるときが一致しないというのは、パートナーとの関係においてはよくあること。つまりは、タイミングの問題です。あなたはいつでもやる気になれても、相手は朝のタイプではないという場合もあるわけです。
そこで、パートナーと妥協点を見い出せるかどうかを確認してみてください。パートナーとの関係というのは、そもそもそうあるべきものではありませんか?
両者の“やりたい気分のピーク”にできるように、セックスを開催時間を「朝にする日」と「夜にする日」に分けて整理してみてもいいかもしれません。あるいは早起きしたり、仕事に遅刻するかもしれないというストレスを感じなくてもいいよう、朝のセックスを週末限定の楽しみにするという決まりにしてもいいかもしれません。
◇立ちはだかる問題への解決策
「もし、あなたのパートナーが朝の行為を不快と感じたり、朝の口臭や髪の乱れを不安がるようであれば、“朝セックス用のキット”になるようなグッズをベッドサイドに用意してはどうでしょうか?」と、ソフォクレス博士はアドバイスしています。
「気分をリフレッシュさせてくれるものを、その中に入れておくのです。考えられるものとしてはマウスウォッシュやミント、フェイスワイプ、それから、かいた汗をぬぐうのに使う性器用のソフトタイプのウェットティッシュやタオルなどです」。
ソフォクレス博士によると、「女性器の乾燥で目を覚ます人もいるので、潤滑ローションも1瓶入れておくといいでしょう」とのことです。
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Source / Men’s Health US
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。