土壌汚染対策などの環境ビジネスを展開する株式会社エンバイオ・ホールディングスはこのたび、水不足が深刻なヨルダン北部のシリア国境地域において、太陽光発電を用いて地下水を汲み上げ、地域に届ける大規模な水資源開発事業を2020年7月より開始すると発表しました。

 現在、現地協力会社との合弁会社を設立し、モデルプラントの建設を行っています。今後、このプロジェクトは指導し、現地調査を重ねた上で老朽化などで使えなくなった井戸の改修に着手するということです。

 また、地域の水不足の緩和と安定したエネルギーの供給するための動力は、太陽光発電を用いるということで、「持続可能な社会」を目指すSDGsにも貢献する事業になります。

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老朽化する井戸と、難民流入による深刻な水不足

 ヨルダンは、国土の90%以上が年間降水量200ミリメートル以下であり、国民一人当たりの年間水資源は129立方メートルと極めて少ない地域。水資源の開発と公平な利用が、この国の重要課題の一つとなっています。

 そして、多くの水資源を地下水に頼っているわけですが、揚水するための井戸の多くは老朽化し、放置されているのが現状とのこと。また、シリアを始めとする近隣諸国からの難民流入によって、水資源の需要も増加する一方。可能な限り早急に、これに対応しなければなりません。

太陽光発電を用いた安定した水の供給

 そこでエンバイオ・ホールディングスは、ヨルダンでの水供給に向けた大規模なプロジェクトに着手。すでに現地協力会社との合弁会社を設立し、モデルプラントを建設しています。これを基に放置された井戸の調査を進め、改修を進めていく予定。そして改修した井戸を使って地下水を汲み上げ、住民や農園への水供給を行っていくとのことです。

 そこには、さらなる壁が立ちはだかります。それは、その動力源のエネルギー問題。ヨルダンは電気代は高く、さらにその価格も上昇傾向にある国です。

 これに対しエンバイオ・ホールディングスは、水の汲み上げに必要な動力は太陽光発電によって得られる電力を使用すると発表。そうすることでランニング費用を削減し、安価で安定した地下水資源の揚水と供給の実現を約束する…という、非常に期待すべき事業になります。

■詳細内容

事業名:ヨルダン水資源開発事業 プロジェクト
合弁会社:Enbio Lel Taqa FZC LLC
開始時期:2020年7月予定
プロジェクト金額:80万米ドル(モデルプラント)
エンバイオの役割:水供給事業、水供給事業への電力供給事業者としての役割を担う(予定)