お洒落上級者ならともかく、ボクのようにトラッド至上主義の前期高齢者がカッコよくカジュアルでキメるのって大変。

たまにヴィンテージやダメージ加工の服もいいなと思うけど、それでなくても身体のあちこちがダメージしてるもんだから、余計に汚らしく見えるだけかなと。やっぱ清潔感は大事だからね。

あと、今どきはやりのルーズシルエットも油断すると途端にだらしなく見えるから要注意。カジュアルといえども多少の緊張感は必要ということかな。

「確かに最近の服は、むやみにオーバーサイズのものが多いですね。若い方が着るならそれもいいですが……。うちのシャツとパンツは、トラッドやクラシコイタリアを経験してきた大人の方にぜひ着てほしいカジュアル服です」と、そう語るのは、2022年春夏コレクションでデビューしたシャツ&パンツブランド 「コロン」のディレクター小峰明彦さん。

綿谷寛
Hiroshi Watatani
プリーツがサイドポケットに重なるようデザインされた、ブランドを代表するスラックス。ドレス然とした見た目ながらワタリにあえてゆとりを持たせているため、はき心地はとても快適。ベルト裏につけられたマーベルトや、3mm幅の両玉縁仕様のヒップポケットなど、ドレスウエアを専業とする工場でなければ縫製できない本格的なディテールが詰め込まれています。3万800円(コロン/エンメ TEL 03-6427-2261)

シャツはスタンドカラー、パンツは2プリーツのテーパードを中心としたシンプルなコレクションながら、これまでありそうでなかった大人のカジュアル服ということで、セレクトショップでも注目のブランドだ。

国内のドレス専門工場でカジュアルなアイテムを丁寧につくり上げることを信条とするだけあって、シャツは裾出しで着てもだらしなく見えないよう設計。身頃はたっぷりゆとりがあるが、裾回りはダブつきがなく、肩の収まりもよいので動きやすそうだ。

それに合わせる2プリーツパンツは、ワタリは太いが腰回りやヒップはフィットするなど、ドレス仕立ての良さを随所に取り入れている。

「画伯、スタンドカラーって女子ウケもいいみたいですよ」と小峰さん。

え、そうなの? これまでスタンドカラーのシャツは縁がなかったけど、そうと聞いては(笑)。

「今だと首元にバンダナやスカーフを巻くのもいいですね。ネクタイのような効果があり、シャツ1枚でもお洒落でキチンとした印象が得られますよ」

なるほど。スタンドカラーシャツは前期高齢者の回春トラッドアイテムとして加えさせていただきます(笑)。

綿谷画伯がたどり着いた、
進化した今の
トラッドスタイルがこちら

綿谷寛
Hiroshi Watatani
もうひとつのブランドアイコンであるスタンドカラーシャツ。こちらもプリーツの使い方がなんとも特徴的で、襟元から深く入れることで身頃にボリュームが出るよう計算されています。横からも後ろからもエレガントに見えるようロング丈の裾には長めのスリットが入っていて、身頃の前後で少し長さを変えているのもポイント。2万7500円(コロン/エンメ TEL 03-6427-2261)

●問い合わせ先/
コロン
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03-6427-2261
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※メンズクラブ2022年8・9月合併号掲載記事の転載です。
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