「突然ですが、画伯はストールとかマフラーとか、巻き物にはご興味ありますか?」と、担当Oくん。うん、あるよ。てか、冬場の年寄りに巻き物は欠かせないアイテム。

「それはよかったです(笑)。実は今注目のストールブランドがあるんですが、ご一緒にいかがですか」

おっ、それはいいね。行く行く! 服だけじゃなく小物も進化しないとね。ひと頃流行ったミラノ巻きを鏡の前で練習したけど、あれは物覚えの悪いボクには難しい。もっと簡単でお洒落な巻き方を教えてもらおうっと。

というワケで今回、ボクとOくんの2人は原宿にあるストールブランド、スローの仕事場にお邪魔した。

「初めまして。よろしくお願いします」

ワレワレを迎えてくれたのは、スローデザイナーの山内達詞さん。

あ、昔セレクトショップでバイヤーをされていた山内さんだ! メンズ誌のスナップでよくお顔を拝見してたので、勝手に親しみを覚えてしまいました(笑)。バイヤーだった山内さんがまたどうして、ストールのデザイナーに?

「それはどうも(笑)。実は実家が、尾州一宮でテキスタイルを卸す会社をやってまして…。そこで仕事をするなか、日本のテキスタイルの素晴らしさをもっと知ってもらうにはと考えたとき、生地を最大限に表現できるのはストールかなと思って2019年にスタートさせたのが『スロー』です」

綿谷寛
Hiroshi Watatani
表と裏で配色が異なるバイカラーのミニストール「JETT」。カシミヤシルクのニット素材で編まれており、美しい光沢が品の良さを感じさせます。「スカーフでは少しドレッシーすぎるかな」といったときに、ニット素材ならではのカジュアルさで気楽に巻けるのが魅力。ありそうでない小ぶりなサイズ感に目をつけるあたり、ストール専業ブランドならではの懐の深さがうかがえます。自宅で手洗い可能なのもうれしいポイント。1万9800円(スロー/スロー TEL 03-6434-9096)

なるほど。それでどれも大判のストールなのですね。先ほど日本のテキスタイルとおっしゃいましたが、どことなくヨーロッパの薫りがします。色柄や風合いも独特。

「ブランド名の『スロー(THROW)』は、英語で毛布やブランケットという意味があります。単に首元に巻きつけるというより羽織るイメージ。肩にバサッとかけていただければと大判にしました。このグレンチェックのストール(イラスト下)はリネンとウールカシミヤの混紡。適度な張りとフワッとしたウォーム感が独特でしょ? このあたりが他でないうちらしさかな」

山内さんおすすめのコーディネイトは、Mー65と合わせたフレンチアイビー。年寄りにも優しい肩掛けが今は旬。


綿谷画伯がたどり着いた、
進化した今の
トラッドスタイルがこちら

綿谷寛
Hiroshi Watatani
ふんわりとした極上の手触りに綿谷画伯も驚いたグレンチェックの大判マフラー。ウールにカシミヤをブレンドし二重織りにすることで、高級感のあるぜいたくなタッチに仕上がっています。裏側が無地のリバーシブル仕様になっているため、巻き方によってその表情はさまざま。左ページのようにさらりと羽織るだけでもサマになりますが、ボリュームが出るよう結ぶのも山内さんはおすすめだとか。3万8500円〈スロー TEL 03-6434-9096〉

●問い合わせ先/
スロー
TEL 03-6434-9096

公式サイト

※メンズクラブ2023年2・3月合併号掲載記事の転載です。
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