「画伯、今回は趣向を変えて、‟眼鏡のトラッドを考える”というのはどうですかね? 実はこの秋にイタリアの超大御所デザイナーズブランドとコラボする、注目の日本人眼鏡デザイナーがいるんです。たぶん画伯好みの眼鏡じゃないかなと」と、当ページ担当の編集O君。
へえ~。それはスゴイね! ボクは老眼だけど、いつものトラッドがちょっと新鮮に見える素敵な眼鏡はあるかな? うん、いこっいこっ!」
というワケで、僕とO君が向かった先は渋谷区桜丘町の『アトリエサンク』。ここの代表兼眼鏡ブランド、YUICHI TOYAMA.(ユウイチトヤマ)のデザイナー外山雄一さんにお話をうかがった。
眼鏡デザイナーというから、どんだけとんがった眼鏡を掛けた方かと思ったら、意外やクラシックな太い黒縁のウェリントンタイプ。でも、それはいかついものではなく、フレームに丸みを持たせた優しげな印象で、今どきの格好ともお似合いだ。
「眼鏡は顔に着けるものなので、派手でこれ見よがしなデザインにはしたくないんですよね。よく見ると‟あれ、ちょっと他とは違うな”くらいがいいと思います」と外山さん。
ブランドポリシーは、「伝統的な技術と革新的なデザイン」とするユウイチトヤマを一躍有名にしたのは、代表的なダブルダッチシリーズ。2本のロープを使った縄跳び競技から着想したもので、縄の動きをイメージしたユニークなデザインだ。この独特な構造は、世界に誇る日本の眼鏡生産地である福井県鯖江市の職人の技術力あってのもの、と外山さんは熱く語る。
そして、鯖江が誇るすご腕の5人の職人とタッグを組み、生まれたプレステージライン「YUICHI TOYAMA:5(ユウイチトヤマ:ファイブ)」は、フレームを構成する全てのパーツをオリジナルで開発したということ。
「例えば、蝶番にはネジ山がつぶれないように六角形のヘキサゴンネジをデザインしました。付属の専用カード式ネジ回しで、ユーザーがメンテナンスできる仕組みです。自分で眼鏡をメンテナンスする仕草ってカッコいいと思いませんか?」
確かに(笑)。外山さんは、トラッドな男心のくすぐり魔でもあった。
●問い合わせ先/
アトリエサンク
TEL 03-6407-0990
公式サイト
※メンズクラブ2023年11月号掲載記事の転載です。
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