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中華料理づくりにあると便利な調理器具が、中華鍋です。主に熱伝導率に優れた鉄やチタンでつくられており、チャーハンなどの炒め物から唐揚げなどの揚げ物まで、マルチに調理できるのが魅力です。焚き火との相性もよく、キャンプにももってこいの調理器具でもあります。
そんな中華鍋ですが、中華鍋には「北京鍋」や「広東鍋」の2種類があることをご存知でしょうか? また、素材によっては使用前に空焼きをしたり、使用後に油を塗ったりする必要があります。
そこでこのページでは、中華鍋の種類や素材、お手入れ方法などを詳しく解説。さらに、おすすめの中華鍋も紹介します。ガス火だけでなくIHに対応している製品もあるので、これなら一般家庭でも使いやすいはず。さっそく見ていきましょう。
中華鍋の選び方
持ち手が一つついている中華鍋を、「北京鍋」と言います。料理人でなくても持ち手を持って鍋を振りながら調理することが比較的容易になるので、シャキシャキした食感を活かした野菜炒めや、パラパラに仕上げたいチャーハンなどの炒め物づくりに向いています。
一般的なフライパンのような見た目をしており、料理初心者にも扱いやすいと言えます。特に中華鍋をはじめて購入する場合には、北京鍋がおすすめです。
広東鍋は、両端に持ち手がついているのが特徴です。北京鍋と比べると、鍋底が広く浅いので、食材にまんべんなく熱が伝わりやすいのがポイント。高温を保ちやすいため、揚げ物などの調理におすすめです。
ただ炒め物をするときは、少しコツがいります。持ち手を持ってユラユラと揺らさなければならず、慣れるには時間がかかるかもしれません。
中華鍋の素材には、鉄やチタンがよく用いられます。それぞれのメリット・デメリットを考慮して、扱いやすいほうを選びましょう。
鉄:耐久性に優れる
鉄製の中華鍋は、熱伝導率や耐久性に優れているため、強火で一気に調理できるのがメリット。さらに使えば使うほど油がよくなじみ、焦げつきにくくなるのもポイントです。
サビやすいので使用後のお手入れは必須ですが、そのぶん愛着が湧くというもの。手間はかかりますが、自分だけの中華鍋を育てるという楽しみもあるわけです。
チタン:軽くて扱いやすい
チタン製の中華鍋は、とても軽いのがメリットです。その重さはなんと、鉄の6割程度。腕力に自信がない人でも扱いやすいと言えます。サビにくいため、お手入れもラクラク。
しかし、ほとんどの製品が1万円以上するため、調理器具としては高価な部類に分類されます。油なじみが悪く、熱伝導率が低いのも気になるところです。
中華鍋のサイズは、以下を参考に選ぶとよいでしょう。ただし、これらはあくまでも目安です。特に大きい中華鍋は、お使いのコンロに収まりきらないことも…。あらかじめ、コンロのサイズをチェックしておきましょう。
- 直径24〜27cm程度:一人暮らしの場合
- 直径28〜30cm程度:2〜3人分の料理をつくるとき
- 直径30〜33cm程度:3人分以上の料理をつくるとき
中華鍋の中には、IHに対応している製品もあります。ですが、やはりガス火が主流。特にIHクッキングヒーターを使用している場合は、せっかく購入したのに使えなかった…という事態を避けるため、対応熱源をしっかり確認しておくことをおすすめします。
IH対応の中華鍋は、底が平たくなっています。また、製品スペックに記載があることもありますので、参考にしてみてください。
持ち手の素材にも注目してみましょう。例えば、持ち手に熱伝導率の低い天然木を用いた中華鍋なら、やけどの心配を減らしてくれます。
一方で、鍋本体と同じ鉄もしくはチタンでつくられた持ち手は、調理中に熱くなってしまうため鍋つかみや布巾での防御策が必須となります。ただし鍋と一体になっているので、安定感があることは確かです。
中華鍋のおすすめ8選
パール金属 鉄製IH対応底平北京鍋27cm
使い込むほど油がなじむ鉄製の北京鍋です。強火で一気に調理できるので、焼き物や炒め物、揚げ物料理に向いています。さらにガス火やIH 、ハロゲンヒーターやラジエントヒーターなどを含むオール熱源に対応している点も見逃せません。
- 種類:北京鍋
- 素材:鉄
- サイズ:直径27cm
- 対応熱電:ガス火、IH、シーズヒータ、ハロゲンヒータ、エンクロヒータ、ラジエントヒータ
- 持ち手の素材:鉄
和平フレイズ 味道 鉄製中華鍋30cm
和平フレイズが手がける業務用品シリーズ、「味道」の中華鍋です。食材の風味や食感を活かした調理ができると評判です。素材に赤サビに強い、黒皮鋼板を用いているのもポイントです。
- 種類:広東鍋
- 素材:鉄(黒皮鋼板・クリアー塗装)
- サイズ:直径30cm
- 対応熱源:―
- 持ち手の素材:鉄
ユニフレーム キャンプ中華鍋17cm
キャンプで使える中華鍋をお求めなら、この商品がおすすめです。1.6mm厚の鉄板により、高火力にも対応しています。またハンドルには、ステンレスを採用。熱伝導を軽減します。ソロキャンプにぴったりなコンパクトサイズで、持ち運びやすいのもうれしいポイントです。
- 種類:北京鍋
- 素材:鉄
- サイズ:直径17cm
- 対応熱源:―
- 持ち手の素材:ステンレス
大屋金属 CLOチタン北京鍋 36cm
大屋金属のCLOチタン北京鍋は、レストランなどでも使われる業務用製品。鉄よりも軽量で、サビにくいチタンでつくられているのが特徴です。サイズは36cmと大きめですが、そのぶん一度に多量の食材を炒めたり揚げることができます。
- 種類:北京鍋
- 素材:チタン
- サイズ:36cm
- 対応熱源:―
- 持ち手の素材:チタン
和平フレイズ enzo(エンゾウ) 鉄中華鍋
腕力に自信がない人でもあおり調理がしやすい、軽くて扱いやすい鉄製の中華鍋です。底面を平らにすることで、IHクッキングヒーターにも対応しています。ハンドルには、ブナとステンレスのフラットラッパーを採用しています。
- 種類:北京鍋
- 素材:鉄
- サイズ:直径28cm
- 対応熱源:ガス火、IH
- 持ち手の素材:天然木(ブナ)
遠藤商事 中華鍋両手33cm
新潟県燕三条で設立され、ホテル・レストラン向けのキッチン用品を数々手がけている遠藤商事。この中華鍋は、両端に持ち手がついた広東鍋です。鉄を打出すことにより、表面積が広がることで熱効率がアップ。全体に熱が素早く回る上、食材を入れても高温をキープできます。
- 種類:広東鍋
- 素材:鉄
- サイズ:直径33cm
- 対応熱源:―
- 持ち手の素材:鉄
サミット工業 IHミニ北京鍋20cm
熱の吸収性と保温性に優れた鉄製の中華鍋でありながら、使用前に空焼きをする必要がないのがポイントです。取り回しやすい直径20cmサイズで、気軽に使えます。一人暮らしの人にもおすすめです。
- 種類:北京鍋
- 素材:鉄
- サイズ:直径20cm
- 対応熱源:ガス火、IHなど
- 持ち手の素材:鉄
京都活具 中華鍋30cm
中華鍋一つひとつを手作業によって油通しを施しているので、使用前の空焼きや油ならしは不要。購入してすぐに使えるのがメリットです。サビ対策のため、直火700度以上で焼くことで強固な酸化皮膜をつくりあげています。専用箱入りなので、ギフトにもおすすめです。
- 種類:北京鍋
- 素材:鉄
- サイズ:直径30cm
- 対応熱源:ガス火、IH
- 持ち手の素材:天然木(樫の木)
中華鍋のお手入れ方法
鉄製の中華鍋は、使用前後のお手入れが欠かせません。ここでは、その方法を紹介します。きちんとメンテナンスをして、一生ものの中華鍋を手に入れましょう。
1 | 使う前に空焼きを
まずは、空焼きをしてサビ止めの薬剤を落としましょう。空焼きと言っても、特別な道具などは必要ありません。次の3ステップで完了します。
2 | 中性洗剤をつけたスポンジで軽く洗う
水気を拭き取り、中華鍋の表面が青白くなるまで火にかけます。
3 | 自然に冷まし、再び中性洗剤で洗う
空焼きが終わったら、次の手順で油ならしを行います。油ならしとは、油の膜を張って焦げつきを防ぐこと。なお油ならし後は、洗剤の使用はNG。せっかくコーティングした油膜が、はがれてしまいますので。
- 空焼き済みの中華鍋に、お玉1杯分のサラダ油をひき中火で加熱する
- 全体に油をなじませる
- 余分な油を捨てる
- 野菜くずを入れて軽く炒める
- 野菜くずを捨てて、水洗いする
4 | 調理後は油を塗布するのを忘れずに
中華鍋を使ったあとは、たわしなどで水洗いします。このとき衛生面が気になるからといって、洗剤を使って洗うのはやめましょう。サビの原因になってしまいます。たわしでこするだけでも、十分きれいになります。
水洗いしたあとは、中華鍋を火にかけて水分を飛ばしましょう。その後、サラダ油をなじませたキッチンペーパーなどで表面を拭いたら、お手入れ完了です。
まとめ
中華鍋を購入するときは、中華鍋の種類や素材、サイズや対応熱源などをチェックすることがポイントになります。この機会にぜひ、中華鍋を使って本格中華づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。