【 INDEX 】

◇「ダンベルロウ(ワンハンドローイング)」とは何か?

背筋を鍛え上げるには、かなりのトレーニングが必要です。もっとも、簡単かつ効果絶大ということで人気が高い筋トレのひとつとして挙げるのが、「ダンベルロウ(Dumbbell Row)」です。「ワンハンドローイング」とも言われています。

ボートを漕ぐようなロウ系(Row)の運動は、背筋強化に適していると言われます。日ごとにバリエーションを変えたりすれば、その効果はさらにアップすると言えます。

◇現役のプロトレーナーが記事を監修

「ロウ系のトレーニングは、私たちが日常生活の中で自然に行う水平方向にベクトルがあるプッシュ系の動きとは真逆の運動になります。それゆえ、背中を鍛えるのに最適となるです」と言うのは、「メンズヘルス」US編集部のフィットネスディレクターであり、パーソナルトレーナーの認定資格を発行している団体NSCAの認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト資格者エベニーザ・サミュエル(以下、Eb)です。

◇「ダンベルロウ」鍛えられる筋肉・どの部位に効くか?

  • 広背筋
  • 僧帽筋(りょうけいきん=僧帽筋の深部にあり脊椎から起こり、左右の肩甲骨に停止する一対の筋)
  • 菱形筋
  • パイセプス(上腕二頭筋・大腿二頭筋)
  • 三角筋(両肩)
  • 腹筋
  • 大臀筋

「パソコンに向うとき、クルマを運転するとき、ドアの開けるときなど、私たちは腕を前方に伸ばす姿勢になります。ロウ系のトレーニングは大臀筋に効果があるばかりでなく、菱形筋や後部の三角筋など、プッシュ系の動作では鍛えにくい重要な筋肉群を鍛えることができるのです」。

バーベルや固定型の器具を用いたバリエーションを行なう場合と比較して、ロウ系の筋トレには、ダンベルを用いることでさらに高い効果を期待できます。

ユニラテラル(片手ずつ用いる)器具を使用することで、筋肉を最大限に動かすことができるからです。

◇自宅で可能な椅子(トレーニングベンチ)を使った「ダンベルロウ」の効果的なやり方

preview for Dumbbell Row | Form Check

背骨を傷めないように姿勢に気をつけながら、前傾姿勢で「ダンベルロウ」を行なうことが一般的ですが、ベンチ(自宅の場合は椅子など)を活用することで、より高い効果を得ることができます。

ベンチを補助として用いる「ダンベルロウ」は、ジムで行なう「ダンベルカール」と同じく人気の高いトレーニングですが、「その効果を最大化するためには、ちょっとしたコツがある」とEbは言っています。正しいやり方をチェックして、より効果的なトレーニングのヒントにしましょう。

◇「ダンベルロウ」3つの留意点

「ダンベルロウ」を行う際のスタンスの確認

Eb:「ダンベルロウ」のフォームですが、片手と片膝をベンチに添えた姿勢で行うほうが多いことでしょう。基本的にこれは違ってはいません。ですが、腰にかかる負担が大きく、結果的に背骨を傷めてしまう危険性もあります。

特に初心者の人は、腰と背骨をうまくコントロールできるように心がけることが重要となります。まずはベンチに片手を置き、両脚を均等に開くスタンスで「ダンベルロウ」を行う。これが理想的なスタート地点と言えます。

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Courtesy of Men's Health US

その上で、地面に対して直角になるよう腰を保つことを意識してみましょう。両肩が腰の位置よりわずかに高くなる姿勢です。

ダンベルを上げる際に腰を保護するためには、背中の伸筋を活用する必要があります。 

背筋のテンションを維持する

Eb:ロウ系トレーニングの基本動作は、両肩甲骨を引き絞る動きです。そうすることで、背中が丸まってしまうのを回避することができます。また長期的には、肩を痛めないよう保護することにもつながります。

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Courtesy of Men's Health US

背中が丸くなってしまうのは、ジム通いの初心者に多く見られます。これを容認すれば、フォーム全体が基本からズレることになります。上腕骨(肩から肘までの腕の骨)と鎖骨を近づけすぎてしまい、関節の安定性に寄与している軟骨である関節唇(かんせつしん)と共に、回旋筋腱板(肩甲骨と上腕骨をつないでいる4つの筋肉の腱の総称)の故障へと導いてしまう可能性があります。

肩甲骨さえ引き締めておけば、そのようなリスクを減らすことができます。加えて、「ダンベルロウ」の効果を高めることにもつながります。広背筋と菱形筋の両方が、アクティブな状態でトレーニングできるわけです。

最初のうちは、レップ毎に肩甲骨が引き締まっているかを意識しながら行なうようにしましょう。進歩に従って、意識しなくても自然とできるようになっていくはずです。 

上腕二頭筋でダンベルを上げるのではなく、背筋を使うようにする

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正しいフォームでのやり方。Courtesy of Men's Health US

Eb:正しい姿勢を身につけたからといって、「あとは、ダンベルを引き上げるだけ…」などと甘く考えてはいけません。どのように引き上げるかが、ここでは鍵となるのです。

上腕二頭筋の力でダンベルを引っ張り上げてしまいがちですが、このトレーニングは広背筋と菱形筋に意識を集中して行うことが大切となります。このことを忘れないようにしてください。

■注意点

肘を高く上げることにばかり、集中しないようにしましょう。

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注意:間違ったNGのやり方は、肘を高く上げすぎてしまっているフォームです。 Courtesy of Men's Health US

「ダンベルロウ」を正しく行なえば、いずれにせよ上腕二頭筋は関与することになります。ですが、上腕二頭筋に支配されてしまっては、本来の効果を得ることが難しくなってしまいます。

◇回数(レップ数)は?

正しいフォームで、8~12レップ(回数)がおすすめです。これで1セットです。それを3セット行ってみましょう。

Source / Men's Health US
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。