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▼ 鶏肉、マグロ、豆腐……どんな食品にどのくらい含まれている?
※2024年4月22日に「ダイヤモンド・オンライン」に掲載された、武藤弘樹氏(フリーライター)による記事の転載になります。
身体はタンパク質で
構成されている
私たちの身体は、約半分は水分、そして残りはタンパク質が重要な役割を担っています。心臓や肝臓などの臓器、皮膚、毛髪、骨格筋やホルモン、さらにはDNAなどの遺伝子情報物質まで、タンパク質で形成されています。
体内では絶えず新陳代謝が行われており、古くなったタンパク質が新しいタンパク質に入れ替わっています。
食事から取り入れたタンパク質は、そのままの形では吸収されません。胃や腸で細かく分解され、その過程でタンパク質はアミノ酸へと分解されます。そのアミノ酸が再合成されて、人の体の材料となります。
人の構成をするアミノ酸は20種類です。この20種類のうち、9種類は体内で合成できなかったり、合成量が少ないため、食事から摂取する必要があり、「必須アミノ酸」と呼ばれています。
「アミノ酸スコア100」の食品とは?
この必須アミノ酸のバランスを表したものを「アミノ酸スコア」といい、9種類のアミノ酸全てが必須量の100%をクリアしていれば、アミノ酸スコアが100となります。
アミノ酸スコアが100の食品は、牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳、プロセスチーズ、アジ、サバ、サンマ、マグロ、カツオ、鮭、卵、大豆、豆腐などです。
これらは毎日取り入れたい食品ですが、特に肉は、脂質も多いので食べ過ぎると肥満のもとになってしまいます。脂肪が少ないのは、鶏ささみ肉、鶏むね肉、牛ヒレ肉や牛もも肉などの赤身の肉です。食べ過ぎが気になる人は、これらの肉も積極的に選ぶと良いでしょう。
食品によって含まれる栄養成分の違いがあるので、いつも同じ食品からではなく、さまざまな食品をローテーションで取ることが大切です。例えば、朝食に卵、昼食に肉、夕食に魚というように、毎食違った種類の食品を選ぶよう意識していきましょう。
鶏肉、マグロ、豆腐…
どんな食品に
どのくらい含まれている?
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18歳以上で男性は65g、女性は50gが推奨量です。しかし、体重や活動量などの違いがあるため、体重1kg当たりタンパク質量1gを目安にするとよいでしょう。
例えば体重が70kgの方であれば1日に70gのタンパク質量の摂取が目安量となります。定期的に運動をしている方は、運動量に応じて、体重1kg当たり1.5~2gに増やして計算します。
しかし、鶏ささみ肉を100g食べたら100gのタンパク質が取れるわけではないので、食品にどれくらいのタンパク質が含まれているのかを把握しておくことも大切です。
タンパク質が多く含まれているものでも、1食分の目安量で15~20gほどしかないので、1日の推奨量を目指すには、1日3食全てにタンパク質を多く含む食品を取り入れたり、また、1食の中で食品2種類以上を組み合わせて取るなどの工夫が必要になります。
例えば、朝食でスクランブルエッグや目玉焼き、ゆで卵といった卵料理に、豆腐のみそ汁や納豆を組み合わせたり、夕食に豚肉のしょうが焼きを食べる際には冷ややっこをプラスしたり。肉豆腐や親子丼など、複数のタンパク質食品が含まれているメニューは効率的に摂取できます。
朝昼晩の食事でタンパク質が不足していると感じたら、仕事の休憩中に牛乳や豆乳を飲んだり、間食でヨーグルトやチーズを食べれば、不足分を補う助けになります。
タンパク質と一緒に
ビタミンB6を取るべき理由
タンパク質を身体の中で効率よく利用するためには、ビタミンB6が必要です。ビタミンB6はタンパク質の分解と再合成を助ける働きがあるからです。
レバーや鶏ささみ肉、マグロ、サンマ、サケなどは、タンパク質とビタミンB6の両方多く含む食品なので、おすすめです。
ビタミンB6は、玄米やニンニク、赤ピーマン、ししとうがらし、バナナにも多く含まれています。主食を玄米に変えたり、ニンニクを料理に活用すると良いでしょう。
毎日の食事でタンパク質を意識して、健康につなげていきましょう。