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男性ホルモン「テストステロン」の増加が期待できる7つの食べ物
最近疲れやすく、さらに疲れが抜けにくく、駅の階段の上り下りがきつかったり、さらにはパンツのベルトの穴がひとつ大きくなったりなど…。こうした原因不明の体調不良をウェブ検索で自己診断すれば、「テストステロン(Testosterone)」なる男性ホルモン不足によって起こる、いわゆる「男性更年期障害」の可能性があるとのこと。では、どうすればいいのでしょうか?
そこで手っ取り早く、「テストステロン(Testosterone)」のサプリメントを探して購入したり、お医者さんにかかるのもベターな対策です。が、サプリメントは割と高価なものですし、病院に行くのもなにかと面倒…そんな思いから、どうしていいのかわからなくなっている人も少なくないでしょう。そんな次なる対策に迷いを感じている皆さんにすすめなのが、「まずは身近な食べ物から、テストステロンを摂取し始めてみること」です。
テストステロンの重要性
男性にとって重要なホルモンのひとつである「テストステロン」。10月13日に公開した『「テストステロン」の誤解。正しく付き合う方法を専門家医師が解説』の記事では、「テストステロンは“忍耐力”、“緻密性”、“協調性”、“計画性が高く”…など、世のリーダーに必要な効果をもたらしてくれるであろう重要なホルモンである」と専門家医師による解説が述べられています。そしてこれが不足すると、「暴力的でキレやすく、ある者は臆病になり、ある者は強引さになります…」ということ。加えて、「男性特有の更年期障害を引き起こし、疲れやすかったり太りやすくなる」とも述べています。その最後には、このテストステロン不足を日常から改善を図るため、ホテルシェフが考案した「テストステロンUPメニュー」のレシピも一緒に提案しています。
そこで本記事では「日常の食事からテストステロンを摂取する」という自主的改善策を、さらに深度を増して紹介します。以下に挙げた特定の食品(食べ物)を摂取することで、体内で「テストステロン」という男性ホルモンの産生を促す可能性があることについて解説していきます。しかしながら、「その食べ物に含有されている」といった単純な話ではないこともご考慮のうえ、「テストステロン」値の上昇が期待できる7つの食べ物を確認してください。
日本メンズヘルス医学会による一部監修記事
今回の記事を作成するにあたり、社団法人「日本メンズヘルス医学会」に監修協力をお願いしました。「日本メンズヘルス医学会」とは男性医学を専門とする医師が集う医学会であり、主に男性ホルモンが関係する疾患(男性更年期、LOH症候群、男性性機能低下症など)を臨床研究し、男性の健康医学の確立・発展に貢献する学会です。
「テストステロン」を増やすメリット|管理栄養士が解説
まずはなぜ、「テストステロン」を増やす必要があるのでしょうか。そのメリットについて再確認していきましょう。
「テストステロンは、身体機能や健康に多くの役割で関わっているのです」と言うのは、管理栄養士であり、健康やフィットネスに関する情報を提供しているウェブサイト「Exercisewithstyle.com」のアドバイザーでもあるクリスティン・ギレスピーさんです。
「テストステロンは、男性の生殖機能や性的成熟に関わっているだけでなく、骨の健康維持や、気分や性欲、認知機能全般など脳機能の促進にも役立つものと言えるのです」と、彼女は続けています。
テストステロンが減少・不足するとどうなる?
そして、そのテストステロンが不足してしまうと、逆のことも言えるというわけです。
「テストステロンが欠乏すると、筋肉量の減少、イライラした状態になりやすく、集中力の低下、精力の減退、脱毛、骨がもろくなり骨折しやすくなるなどの症状が現れてしまう」と、管理栄養士のギレスピーさんは話します。
テストステロンは体内でつくられるものですが、特定の要因がその産生レベルに影響を与えることがあります。
「身体は適切な循環レベルを調整し、それを維持するために内部でテストステロンを生成します。ですが特定の条件下では、私たちの身体の能力を低下させる可能性もあります。その条件とは、エイズ、腎臓病、アルコール依存症、肝硬変やストレスなど慢性的な健康障害が含まれます」と、説明してくれました。
年齢でも変わってくる「テストステロン」の産生
さらにこの「テストステロン」産生の条件には、年齢も関わってくるということ。
「テストステロンのレベルも、加齢とともに着実に減少していきます。(それぞれの人の)適切なレベルを維持するために十分なテストステロンを生成することができない人は、代替供給源からそれを得ることも可能です」と、ギレスピーさんは話しています。
医師はサプリメントを処方して、テストステロンが不足している患者のレベルを上げることができますが、栄養成分の結果として、自然にそのレベルを上げるために効果が期待できる食べ物もあるのです。
「ビタミンD、マグネシウム、亜鉛など特定の栄養素は、テストステロンの生成とレベルを維持することに効果があります」と、彼女は話します。
しかしながら食べ物自体は、テストステロン生成のためのほんの1部を担っているだけであることも留意しておいてください。他にも、睡眠、喫煙、飲酒、運動、さらに遺伝も関連しています。特定の栄養素がテストステロン値を上昇させるという研究結果はありますが、特定の食品を食べれば効果があるという保証はないこともご承知おきください。
それでは、テストステロン値の上昇に関連する7つの食べ物を紹介します。
【1】脂の乗った魚|「テストステロン」を増やす食べ物
「サーモンのような高脂肪の魚には、ビタミンD、亜鉛、オメガ3脂肪酸など、ホルモンの健康や恒常性(身体の状態『体温・血糖・免疫』を一定に保つこと)を保つのに役立つ多くの栄養素が豊富に含まれています」と、ギレスピーさんはおすすめしています。
「脂肪の多い魚に多く含まれるこれらの健康的な脂肪とビタミンDが、テストステロン値の上昇につながる」という研究結果もあるのです。
【2】葉物野菜|「テストステロン」を増やす食べ物
ケールを日頃から摂取をしていますか?
「こういった葉物野菜は非常に栄養価が高いので、テストステロンレベルを維持するための重要な栄養素が含まれていることは驚くことではありません」と、ギレスピーさんは話しています。
さらに、「ほうれん草、ケール、コラードグリーンには、最適なテストステロンレベルを促進する働きがあります。この場合の重要な微量栄養素はマグネシウムで、酸化ストレスの防止によるテストステロン値の上昇と関係があるとされています」と、付け加えています。
【3】卵|「テストステロン」を増やす食べ物
「卵もまた、豊富な栄養素を含んでいるため、テストステロン値を維持するのに役立つ食品の1つと言えます。卵に含まれている重要な栄養素は、魚と同様の効果をもたらす健康的な脂肪とセレン(selenium)です」と、ギレスピーさん。
「セレンというミネラルは、抗酸化物質としての作用が期待できる成分であるため、マグネシウムと同様に酸化によるダメージを防ぐのに役立つことでしょう。ご存じかもしれませんが、卵の中で最も栄養価の高い部分は黄身。最大限にその栄養による効果を発揮するためには全卵を摂取することが重要となります」と、留意点を付け加えています。
【4】アボカド|「テストステロン」を増やす食べ物
「アボカドは、『テストステロン生成の効果がある』といくつもの研究で立証されている健康的な脂肪とマグネシウムが豊富。さらに、テストステロンのレベルを調整するのにも効果があることがわかっています。こういった栄養素に加え、アボカドにはホウ素(boron)が含まれているので、このホウ素にも循環テストステロンレベルに影響を与える可能性が考えらます」と、ギレスピーさんは話しています。
【5】ザクロ|「テストステロン」を増やす食べ物
「ザクロにはフラボノイドという抗酸化物質とされる成分が豊富に含まれており、この抗酸化物質はテストステロンの生成を促進することが動物実験では示唆されています」と説明するのは、米国ミズーリ州セントルイスの登録栄養士で、食と運動の両面から健康を考えるキム・ヤウィッツさんです。
念のためですが…こちらの効果が確認されたのは、まだ動物実験においてであることを留意した上で参考にしてください。
ザクロジュースを普段の食生活に取り入れようとお考えであれば、砂糖を加えていない100%のザクロジュースであることを確認してください。ヤウィッツさんは、「スムージー、サラダ、ヨーグルト、オートミール、ローストベジタブルなどに加えるのもおすすめです」と、教えてくれました。
【6】生姜|「テストステロン」を増やす食べ物
「動物実験では、生姜のサプリメントがテストステロン産生の増加につながるいくつかの解剖学的および生理学的変化をもたらすことが示唆されています」と、ヤウィッツさんは話しています。
ですが、「生姜とテストステロンの関連性は、人間ではあまり研究されていません。ある小規模の研究では、不妊症の男性が生姜のサプリメントを摂取したところ、3カ月でテストステロン値が平均して18%近く上昇しました」と話すも、「生姜が不妊症でない男性のテストステロン値を高めるかどうか?は、まだ不明です」と付け加えています。
それでも生姜には、「他にもたくさんの素晴らしい健康効果がある」と言います。彼女は、「生姜をすりおろして炒め物に混ぜるのが好きです。また、皮をむいたショウガの根に熱湯を注げば、自家製のジンジャーティーにもなりますよ」と、教えてくれました。
【7】牡蠣|「テストステロン」を増やす食べ物
「牡蠣には、亜鉛を含むテストステロンを増やすと考えられている、いくつかの重要な栄養素が含まれています」と、ヤウィッツさんは話し、さらに「亜鉛のサプリメントは単体または薬との組み合わせで、テストステロンレベルの低い患者の治療に使われることがある」と説明します。
「ですが、そんなに簡単にはいかないですよ。サプリメントは、亜鉛欠乏症の男性にしか効果がないようです」と、管理栄養士ギレスピーさんは付け加えています。
「そのことを考えると、亜鉛を多く含む食品を多く摂ることがホルモンの健康状態をサポートできる可能性があるのです」と、彼女は話します。「約85gの牡蠣には32mgの亜鉛が含まれており、これは他のどの食品よりも含有量が多いのです」と、教えてくれました。
最後に、日本屈指の泌尿器科専門医師として、また最近は男性ホルモンの領域で各メディアで啓発活動に尽力する順天堂大学教授であり日比谷国際クリニックの堀江医師は、「現在潜在的な欠乏症も含めた、亜鉛欠乏症の成人男性は約半数と非常に多いです。そして亜鉛欠乏は、男性不妊、ED、テストステロン低下、免疫力低下につながります」と、説明しています。
関連記事:食事で増加。ホテルシェフ考案「テストステロンUPメニュー」
食事によって、テストステロンの増加へと導くためには、意外なことに「炭水化物が大事」ということ。それは、血糖値が上がるとテストステロン値も上がるという考察からのものになります。
そのほかの栄養素では、ビタミンDと亜鉛です。具体的には鮭などがいいでしょう。昔は塩鮭をよく食べていたので、自然と摂取できていました。あとは羊肉が有効です。海外だと一番高級な肉は、羊肉とされているのももしかしたらそういうことかもしれません。あとは香味野菜、また貝類も大事です。記事を読む
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Source / Men’s Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。