今回、『エスクァイア UK』のエディターは、夏のスタイリングをする中で絶対にしてはいけない10のコトをまとめました。
もしかすると、あなたのコーディネートを振り返ってみると、してはいけないコトが発見できるかもしれませんよ。発見した瞬間に撃沈になること、間違いないかと(笑)。
ちなみに「絶対」とは言っていますが…、まっ、これは『エスクァイア UK』側の言い分ですので、良きに計らっていただければ幸いです。
寒さに関していえば、我ら英国人(民族に関わらず)は何も問題がなく、活き活きと過ごすことができます。なぜなら、私たちはコートの存在とその素材を知っているし、スカーフへの親近感もあり、さらにプルオーバーとも揺るぎない関係を築いてきたからです。これは“生ぬるい”以上の気温には、めったにならない土地に住む習慣によって、育むことができた技と言えましょう。
そうして夏が来ると、そんな自信は崩れるのです。慌ててしまうばかりに、おかしなショートパンツとTシャツを買ってしまい(どうして、2度しか着ないものに、大金を支払わねばならないのか)、挙句の果てには、1ポンドショップの包装紙に包まれた生焼けのパンのように、だらしなく公園を歩き回るのでした。
でも実際には、夏の暑い季節に自分を涼しく見せるには、冬に同じことをやり遂げるよりも、格段に簡単ということです。もちろんレイヤードは、いただけない弛んだ体型を隠すのには役立ちますが、レイヤーというものは難解だし、コートは高くつきますから。
ということで、夏に最も凶悪な“スタイル犯罪”をご紹介しましょう。これはできれば、皆さんに犯してもらいたくはない。なので、そのなかでも最悪のパターンを、いくつかピックアップしてみました。これを“命がけで”避けなければなりませんよ(笑)。
1 | ヴェスト
ヴェストというものは本来、重ね着して暖を取るための、アンダーレイヤーとしてデザインされたものです。このアイテムが誕生して以来、その役割は長~い間変わっていません。ビーチにいない限り(またはそうでなくても)、ヴェストは重ね着するときにのみ、身に着けられなければなりません。この慣習に従いましょうね。
2 | ソックレスはNG
靴とパンツの裾の間から覗く、日焼けした足首。清潔感があり、この上なく夏らしい、魅力的な姿です。
夏のソックレススタイルは単に心地いいだけでなく、パンツとフットウエアをマッチさせる非常に簡単で有効なテクニックなのです。数センチの隙間を広げ、そこから素足を覗かせるだけで、簡単にモダンなスタイリングに仕上がります。
例えば、清潔感のある白いスペルガのスニーカーと、テーパードしたネイビーチノのコーディネイト、これは鉄板と言えるでしょう。しかしながら伝統的には、紳士の嗜みとして、ソックスレスはNGですよね。なので、“足にコンドームつけているんだ”って思えばいいかもしれません。透明のソックスをはいてるんだ…って、言ってみてください(笑)。通用するかなぁ???
3 | ジャケットを羽織らない
夏のロンドンで地下鉄に乗ると、ケタ外れのスケールで自分が流行りのファッションに身を委ねていることが再確認できます(嬉しくも悲しくも…)。
周りにはアイロンをかけていない服を着こなすもの、黄ばんでバギーな(ダボっとした)シャツを、これまた大きめのスーツの下でゆるやかにタックインしているもの…が。
こんな出で立ちの悲しそうな男たちが、数えきれないほどプラットホームにあふれているのです。粗末なカットなら、優れた仕立屋が何とかしてくれるでしょう。
ですが、ジャケットなしのコーディネイトはいかんともしがたい…。気温が高いからといって、上着をまとわないでよいという意味ではありません。
軽量通気性ウールを素材にした、リチャード ジェームスやエルメネジルド ゼニアのジャケットに投資してください。それで、なんとも“悲しいバギーT ”までには成り下がらないようにしてくださいね。シャツの上にジャケットをまとうほうが、まとわないよりも絶対クール(見た目にも実質的にも)なスタイルを実現してくれます。
そして、どうせジャケットを着こなすなら、羽織るより着こなしてください。ジャストサイズを選んで、立ち姿のときはフロントボタンを閉めること。それが紳士というものです。
4 | 半袖シャツ
“50年代風ボキシーカラー”の2015年春夏プラダ風でない限り、半袖のシャツの着こなしにはテクニックが必要です。週末にピケ・ポロシャツ? 上等です。
仕事の休憩中に半袖のシャツ? それはNGですね。そこにネクタイを締めたら、“TVドラマシリーズ『The Office』で最低上司、デヴィッド・ブレント”の夏スタイルになってしまいますよ(苦笑)。
5 | タイトすぎるチノパン
夏は淡い色のパンツをはくほうが、断然、心地いいでしょう。ダークなスキニージーンズやパンツは、冬にマッチするイメージですよね。
だからと言って、タイトなベージュのチノパンをはいたなら、サイズがなんであれ、足が生焼きのフランクフルト・ソーセージのように見えてしまいますよ(笑)。
これから伝授する、このアドバイスを信じて欲しいです! 素材は薄手のコットン製、シルエットは適度にテーパード加工が施され、太腿部分には若干の余裕があるパンツを1本購入してください。世界全体があなたの選択に、拍手することでしょう。
6 | 自分に似合っていないサングラスをかける
世に無数のタイプのサングラスが存在することは、もう誰もがご存知ですよね。自分の顔にマッチする1点(例えば、エラが張った丸顔に、ハート型のアビエータースタイルなど)を購入すれば、あなたの夏イメージが、大きく変わることでしょう。その反対に間違った選択をしたなら、逆のベクトルで大きく変わるでしょう。
7 | 間違った場所でサングラスをかける
室内でサングラスをかけることは、暗闇の中で身に着けていることになるため、明らかにタブーですね。太陽が表に出ていない、例えばくもり空の日にサングラスをかけるのはアウトな印象ですし、ちょっとお馬鹿さんにも見えますね。また、オフィスのエレベーターでのサングラスも同様です。さも取り外すのを忘れているかのように見えていて、ま、それ自体、間抜けな話じゃないですか?(笑)
8 | 間違った色彩を使いすぎ
太陽がキラキラ輝いているからといって突然ケアベア(幼児向け番組のキャラクター)のように、カラフルに着飾っていいとは誰も言っていません。
鮮やかなポップカラーを散りばめるのはクールですが(例えば、空色のシャツにネイビーのスーツや、モーブ色のシャープなセーターにスリムジーンズなど)、やりすぎは禁物。外出途中に、子供服の更衣室にでも足を踏み込んでしまったように見えることでしょう。
9 | 帽子
バイザー、キャップ、ポークパイ、パナマ。実際に日よけとして使わない限り、これらのアイテムは間抜けに見える要素が多々あり、危険と言えるのです。メンズウエアの多くのアイテムがそうであるように、実際の目的に合わせて身に着けているならば素晴らしいのですが、そうでない場合はやめた方が得策であることが多いです。
10 | オフィス内でショートパンツ
これは、夏に加熱する討論トピックでもありますが、私たちはここで間違いのない回答を出しましょう。オフィスにショートパンツをはいていくことは、靴を脱いで自分の同僚の肩を叩いて回るのと同じくらい不適切だと言えます。
海辺や公園、自宅、さらにはパブでのショートパンツは最高ですね。
しかし、それが仕事場となると、向かうべき焦点は、あなたの毛むくじゃらの足ではなく、冴えた理性と比類なきスキルで対応すべきなのです。仮に、耐えられないほどの暑い日ならば、超通気性サッカー地を素材にしたスリムカットのパンツに投資して、奥方からお叱りを受ければいいだけのことですから。
Source / ESQUIRE UK
Translation / Spring Hill, MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。