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冬のドライブに備えておきたいアイテムと言えば、タイヤチェーンです。スタッドレスタイヤをはいていても、国土交通省が定めるチェーン規制区間では全車チェーンを装着しなければ走ることができません。
また急な降雪時、スタッドレスタイヤをはいていなくても、タイヤチェーンがあれば最低限の走行が可能となります。「雪がめったに降らない地域の方にこそ、タイヤチェーンをトランクに積んでおくことにメリットがある」と言えるでしょう。
このページではタイヤチェーンの選び方と、Amazonで手に入るおすすめの製品をご紹介します。取り付け方が簡単な非金属の製品や、女性でも取り付けやすい布製のタイプもラインナップしています。
タイヤチェーンには3タイプある
タイヤチェーンは大別して、3種類(布タイプ・非金属タイプ・金属タイプ)に分かれます。まずは、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
【布タイプ】1シーズンに1度使う程度なら、これが便利
2018年12月から国土交通省がチェーン規制への対応を認めたのが、北欧生まれの「布タイプ」です。チェーンと言うよりも、タイヤにはかせる靴下のような簡単なものですが、雪にしっかりとグリップしてスリップしにくくしてくれます。
取り付けやすい上、コンパクトに収納することが可能であり、布なので乗り心地が悪化しない点がメリットとなります。ただし、使う回数とともに布が痛んでいくため、耐久性はあまりなく、あくまで緊急時のみの使用がおすすめとなります。
■布タイプのメリット
- 布なので小さくしまっておける
- 軽くて、女性でも簡単に取り付けやすい
- 乗り心地がいい
- さびない
■布タイプのデメリット
- 耐久性に乏しく、使える回数が少ない
【非金属タイプ】チェーンを頻繁に使う人におすすめ
プラスチックやゴムでできた「非金属タイプ」は、今やタイヤチェーンのスタンダードとなりつつあります。装着しやすいように工夫された製品が多く、騒音への対策や乗り心地にも優れています。
耐久性抜群で、かなり長期間使えるのがメリット。頻繁に使うなら、非金属タイプがおすすめです。ただし価格が高いことと、収納時にかさばる点はデメリットと言えるでしょう。
■非金属タイプのメリット
- 耐久性が高く、長く使える
- 装着しやすいものが多い
- さびない
■非金属タイプのデメリット
- 価格が高い
- 収納時にかさばる
【金属タイプ】値段の安さを重視する人に
3タイプの中で、最も古くからあるのが「金属タイプ」のタイヤチェーンです。重さはありますが、鎖がつながった形状のためコンパクトにしまえます。また、価格の安さも魅力と言えるでしょう。
一方で走行時の振動が大きく、音もガラガラとうるさかったり、ホイールを傷つけてしまう可能性が他のタイプに比べて高いなど、デメリットもあります。
■金属タイプのメリット
- 価格が安い
- 収納時は意外とコンパクト
■金属タイプのデメリット
- 走行時の騒音と振動が大きい
- ホイールに傷がつく可能性が他のタイプより高い
- さびる恐れがある
タイヤチェーンの選び方
頻繁に使うなら「非金属」、緊急用なら「布」が最適
頻繁に使うなら耐久性が高く、走行性能にも優れる「非金属タイプ」をおすすめします。高い頻度で使用するなら、かさばることもあまり問題にならないはずです。
一方で、あくまで緊急用と考えるなら、コンパクトにしまえて装着もしやすい「布タイプ」がおすすめです。なお金属タイプは、昔から使っていて慣れている人以外、選ぶメリットはあまりなくなってきています。
愛車のタイヤサイズに合うものを選ぶ
タイヤチェーンを付けるために、タイヤと車体の間の隙間(クリアランスとも言われます)が十分に確保されている必要があります。
非金属タイプと金属タイプは、最低でも2.5cm~3cmの隙間が必要です。ほとんどの車種で問題ありませんが、スポーツタイプのクルマや、改造して車高を落としている場合には、装着できない事態も考えられますのでご注意を。
もし、クリアランスが2.5cm未満の場合、選択肢は「布タイプ」のみとなります。事前にタイヤチェーンの詳細を確認して、自分のクルマに装着できるかチェックしておきましょう。
タイヤと車体の隙間が3cm以上あるかチェック
タイヤチェーンにはサイズがあるので、ご自分のクルマのタイヤサイズを事前にメモしておきましょう。サイズの合っていないチェーンでは走行できませんし、例え走行できたとしても、車体に傷をつけかねません。サイズは間違えないように選びましょう。
装着しやすさは口コミが参考になる
昔の金属チェーンの取り付けは、チェーンを敷いてクルマを前に出し、装着後の増し締めも必要…と、かなり複雑で骨の折れる作業でした。しかし最近では、「巻くだけでOK」というような、簡単に取り付けが可能となるタイヤチェーンが増えています。
チェーンの装着は、冬の寒い日に雪の降る中で行うことが多くなります。スピーディーに装着できれば、寒い思いをする時間も短くて済むので、口コミを読んで装着が簡単なものを選びましょう。
タイヤチェーンのおすすめ7選
どれも、国土交通省が定めるチェーン規制に適合した製品となります。
オートソック 布製タイヤすべり止め
ノルウェーで誕生した、布タイプチェーンの元祖です。あくまで緊急用として生まれましたが、日本では2018年からタイヤチェーンとして正式に認可されました。自動車メーカーの純正オプションとして採用された実績も多数あり、信頼性は抜群です。
- タイプ:布タイプ
- 車両移動:必要
- 増し締め:不要
イッセ セイフティー スノーソック
オートソックと同じく、タイヤにはかせる靴下のような構造で、スペインで開発されたイッセセイフティー(Isse Safety)のスノーソックです。他社製の3.5倍もの耐久性の高さをうたっており、繰り返し使用も可能です。BMW社の純正オプションやロードサービスのツールに選ばれるなど、この布タイプも信頼できる製品です。
- タイプ:布タイプ
- 車両移動:必要
- 増し締め:不要
カーメイト バイアスロン クイックイージー
日本で最も売れている非金属チェーンで、国内の自動車メーカーでも純正品として採用されるなど信頼できる製品です。車両移動も増し締めも必要なく、慣れれば片輪わずか80秒ほどで装着できます。
価格も高すぎないので、迷ったらこれがおすすめです。
- タイプ:非金属タイプ
- 車両移動:不要
- 増し締め:不要
イエティ Snow net
タイヤ全体をゴムで覆うカタチになっている、スイス生まれYeti(イエティ)の製品です。メーカーは「振動はノーマルタイヤとあまり変わらない」としており、実際に乗員に振動を与えることを可能な限り避けたい救急車にも装着され、降雪地で活躍しています。
- タイプ:非金属タイプ
- 車両移動:必要
- 増し締め:不要
エフ・イー・シー タイヤチェーン エコメッシュ2
ウレタン製のタイヤーチェーンで、ソフトな乗り心地が特徴。さらに、たった1カ所ロックするだけで装着完了、という手軽さが魅力です。
また、収納方法に工夫が施されているおかげでコンパクトに収納できるので、トランクに積んでおいても邪魔になりにくいタイヤチェーンです。
- タイプ:非金属タイプ
- 車両移動:不要
- 増し締め:不要
コーニック CGマジック
三菱自動車で純正採用されている、イタリアメーカーのKONIG(コーニック)の製品です。小ぶりなチェーンを組み合わせることで、金属チェーンながらタイヤと車体の隙間が狭いクルマにも対応。ジャッキアップや車両移動が不要で、慣れてしまえばわずか30秒で装着できる便利さも魅力です。
- タイプ:金属タイプ
- 車両移動:不要
- 増し締め:不要
エフ・イー・シー 雪道楽QII
手ごろな価格の「雪道楽」シリーズは、カー用品店で人気の金属チェーンです。小ぶりなチェーンを組み合わせることで、雪の積もった道はもちろん、雪の少ない道でも比較的静かに走行できます。
めったに雪の降らない地域の、緊急用タイヤチェーンとしてもおすすめです。
- タイプ:金属タイプ
- 車両移動:必要
- 増し締め:不要
タイヤチェーンはどのタイヤに装着すべき?
前輪駆動なら前輪、後輪駆動なら後輪につける
タイヤチェーンを、4輪すべてに装着する必要はありません。装着するのはエンジンの力(駆動力)が伝わるタイヤである、「駆動輪」だけで問題ないでしょう。
タイヤチェーンは「前輪駆動(FF)」のクルマなら前輪、「後輪駆動」のクルマなら後輪に装着します。愛車の駆動輪がわからない場合は、冬が来る前に確認しておきましょう。
4WD(四輪駆動)の場合は前後どちらにつける?
4輪すべてが回る4WD(四輪駆動)車の場合も、4輪すべてにチェーンをつける必要はなく、2輪だけで大丈夫です。前後で駆動力の大きいほうに装着するのが正解です。
ただし一概に4WDといっても、車種によって前後どちらの駆動力が大きいかが違います。自動車の取扱説明書にチェーンの装着方法の記載があるので、必ず確認してからチェーンを使用してください。
まとめ
近年人気の布製チェーンは、クルマに積んでおいても邪魔にならないため、冬季は緊急用として備えておくことをおすすめします。また、雪がほとんど降らない地域では、スタッドレスタイヤではなくタイヤチェーンをうまく活用することでコストの削減も可能です。
どんなに良いクルマでも、タイヤが地面をしっかりとグリップしなければ、まともに走ることはできません。ここにご紹介したタイヤチェーンの選び方をご参照いただき、もし気になった製品があれば、クルマのトランクに積んでおくことをおすすめします。