走りに魅せられた人が「いつかはこんな車を…」と憧れる自動車メーカーと言えば、マクラーレンもその一つでしょう。つい先日も、創業者であるブルース・マクラーレンが創設したレーシングチーム「ブルース・マクラーレン・モーターレーシング」の60周年記念イベント「FOREVER FORWARD」を開催し、走りにおけるその豊かな歴史を改めて誇示したばかりです。

「GT」や「アルトゥーラ」をはじめ、マクラーレンの車はどれも、流線形の美しいフォルムと、走りへの情熱のために全てがささげられたピュアな精神性とラグジュアリーな世界観が大きな魅力です。そんなマクラーレンのラインナップに、今回新たに加わったのが「750S」です。スーパーカーとしてハイパフォーマンスを発揮していた「720S」を徹底的に分析し、さらなる進化をとげた記念碑的なモデルであり、クーペとスパイダーの2ラインナップで登場しました。

マクラーレン750s
McLaren
マクラーレン750s
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妥協なき軽量化で走りにさらなる磨き

「750S」では、先代「720S」をベンチマークに徹底的な分析が行われ、およそ30%のコンポーネントが刷新、もしくは変更されています。ボディにはカーボンファイバーが最大限使用されるなど、進化のひとつとして極められたのが徹底的な軽量化です。例えばカーボンファイバー製のシェルシートは合計で17.5kg、ホイールはシリーズとして生産されるマクラーレンの標準装備の中では最軽量となるタイプを採用したことで、13.8kgほど「720S」から軽量化を実現しています。

その取り組みはフロントウィンドウのガラスに至るまで行き届き、ここでも1.6kgの軽量化に成功。クーペの最終的な重量(最軽量乾燥重量)は、驚きとも言える1277kg。これは「720S」から30kgも軽量化したこととなります(ちなみにスパイダーは1326kg)。なお、ボディサイズは全長4569 × 全幅2059 × 全高1196mm、ホイールベースは2670mmです。

マクラーレン750s
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マクラーレン750s
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エンジンはV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンを搭載する、後輪駆動モデルです。その最高出力は552kW・750ps(@7500rpm)、最大トルクは800Nm(@5500rpm)の7速トランスミッション。0から100km/hまでの加速はわずか2.8秒です。

エクステリアでも、先代モデルからさらなる洗練化が図られています。フロントノーズ下部のフロントスプリッターが大きくなり、ヘッドライトを挟むアイソケットはその幅を狭めています。サイドのエアインテークは改良され、アクティブリアウイングは延長されるなど、リアのエアロダイナミクスが見直されています。流線形の端正な顔立ちは、その運動性能の高さを黙して語るようです。

インテリアは「テックラックス」と「パフォーマンス」のインテリアテーマが用意され、総ナッパレザー、もしくはアルカンターラとナッパレザーの組み合わせが選べます。さらにインテリアオプションとして、スーパー・ライト・ウェイト・カーボン・ファイバー・リーシングシート、Bowers & Wilkinsのオーディオシステムなども選択可能です。

マクラーレン750s
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ステアリングを握った際の圧倒的な高揚感、そして、走り出してすぐに感じる極上の俊敏性はさらに磨き上げられ、マクラーレンの生産モデルを新たな境地へと引き上げています。車両価格は「750S」が3930万円、「750Sスパイダー」が4300万円です。

※主要諸元は主に欧州仕様値です。

公式サイト