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マクラーレン初のグランドツアラー、「マクラーレン GT」の魅力に迫る

ラグジュアリーさと力強さを兼ね備えるマクラーレン初のグランドツアラー「マクラーレン GT」は、究極の「ラグジュアリーカー」のお手本となるでしょう。

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マクラーレン初のグランドツアラー、「マクラーレン GT」の魅力に迫る
Beadyeye

 マクラーレンは小さなパーツから些細なディテールにまで、こだわりを発揮する自動車メーカーです。同社はそのルーツにF1レーシングのDNAを持ち、より軽量かつスピーディーで効率的なクルマづくりに励みながら常に無駄を省き、進歩してきました。 
 
 このため、英国サリー州ウォーキングに本拠地を置く同ブランドが、グランドツアラー「マクラーレン GT」を発表すると…。「マクラーレンの新たな夜明けや、その新たな方向性を指し示すための動きではないか」と、注目が集まり始めました。 
 
 なぜかと言えば、「マクラーレン GT」は定義上では快適さやラグジュアリー感、レザーやラゲッジスペースといった要素に結びつけられる車種だからです。これらはいずれも、マクラーレンのエンジニアリングチームにとって苦手意識のある要素でした。 
 
 マクラーレンはスピード自慢のレースカーや、一般車のメーカーとして、まだまだ歴史の浅いブランドですが(マクラーレン・オートモーティブが創業されたのは2010年です)、今回の「マクラーレン GT」は様々な意味で、同社がこの短期間でどれほど進化してきたのかを示す指標であり、この動きを同社が本格的な高級車ブランドの地位を目指すための合理的なステップと見ることもできるかもしれません。

【動画】マクラーレン「マクラーレン GT」 #1

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
The New McLaren GT: New Rules
The New McLaren GT: New Rules thumnail
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最初に動画で、「マクラーレン GT」の走行シーンを確認してみましょう。

マクラーレン「マクラーレン GT」 #2

マクラーレン初のグランドツアラー、「マクラーレン GT」の魅力に迫る
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 マクラーレンには今まで、製品志向かつ技術志向の顧客が集まる傾向がありました。が、今回のモデルは、これまでとは異なる新たな顧客層を積極的に引き入れることを目指しています。複雑で専門的なイメージを薄め、寛ぎをもたらし、フェラーリやアストンマーティン、ポルシェが人々を魅了し続ける20世紀半ばのGT黄金時代から「生きる喜び(joie de vivre)」といった価値観が反映させています。 
 
 当然ながらデザインにおいては、マクラーレン独自のやり方が貫かれています。従来のグランドツアラーによく見られる幅広で長く、流線的なデザインを採用しつつも、そこにはマクラーレンのデザイン言語や空力原理をはっきりと感じ取ることができるでしょう。

 デザインチームにとって決断が必要だったのは、これらの要素をどの程度を取り入れるかということでした。

マクラーレン「マクラーレン GT」 #3

マクラーレン初のグランドツアラー、「マクラーレン GT」の魅力に迫る
Beadyeye

「私たちにとっての1つの問いは、『ジェームズ・ボンドがマクラーレン車を持つことになるとすれば、それはどのようなデザインになるだろうか?』というものでした」と、デザイン・ディレクターのロブ・メルヴィル氏は語ります。 
 
 また、「アスリートのような肉体を持ちながらもスーツを着こなすジェームズ・ボンドのように、パワフルなスポーツカーでありながらも、り入念なデザインを志向しました」と、メルヴィル氏は続けてコメントしています。 
 
 実際にこのクルマを見てみると、マクラーレンの特徴的なルックを継承しながらも、わずかに控えめで威圧感が薄れ、少しリラックスした印象を抱かせるものとなっています。

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マクラーレン「マクラーレン GT」 #4

マクラーレン初のグランドツアラー、「マクラーレン GT」の魅力に迫る
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 マクラーレンの特徴的なルックを継承しながらも、リラックスした印象を抱かせる傾向はインテリアにも反映されています。そしてその内部は、過去のどのマクラーレン車よりラグジュアリーな印象を抱かせるものです。

 アンビエント照明や研磨・刷毛引き仕上げ、グレインレザーシートなどの要素に加え、タッチスクリーン式コンソールはこのクルマのほとんどの機能を操作できるものです。 
 
 マクラーレンは「すべてのものに理由がある」というフレーズを、自社のスローガンのように使っています。

 「社内になどにいて、いついかなるときも『機能的でないものは無意味である』と自然に考えてしまう傾向にあります」と、メルヴィル氏は話します。

 「見た目が適切で笑顔をもたらしてくれるということも、十分な理由になります。それが快適なキャビンづくりに貢献するなら、顧客はクルマの中で長時間過ごすことをいとわないでしょうから」と、メルヴィル氏は続けてコメントしました。

マクラーレン「マクラーレン GT」 #5

マクラーレン初のグランドツアラー、「マクラーレン GT」の魅力に迫る
Beadyeye

 メルヴィル氏によれば、「マクラーレン GT」にはキャビンの改良だけでおよそ100kg分の重量が加わったと言い、これは同車種のモデルでは前代未聞のことだとも言います。ラゲッジスペースには、NASAと共同開発したハイテク素材「SuperFabric」が採用されています。これは極めて耐久性に優れたものです。 
 
 「このクルマの特徴は、このような華やかな要素がいずれもしっかりと目的をはたすものであることです」と、メルヴィル氏は述べます。 
 
 使い勝手のいいクラス最高のグランドツアラーとみなされるためには、ラゲッジ/ストレージスペースの拡張も必須でした。マクラーレンがこの点を優先したのも初めてのことです。 
 
 「マクラーレン GT」は、新開発の専用カーボンプラットフォームによって、多くの競合モデルより軽量になっているだけでありません。エンジン高の低さやエキゾーストの配置といった巧妙な工夫により、ラゲッジスペースが拡張されています。

 このスペースには、ゴルフバッグやスキー板、ヘルメットのような道具を収納できるほか、手荷物も十分に積むことができます。

マクラーレン「マクラーレン GT」 #6

マクラーレン初のグランドツアラー、「マクラーレン GT」の魅力に迫る
McLaren

 「マクラーレン GT」が貫く最後の信念は、マクラーレンを進化させてきた最高のパフォーマンスを保持しながら、日常での利用や長距離ドライブでのスムーズかつ静かな運転を実現することです。 
 
 「マクラーレン GT」が秀でているのは、この点に尽きます。新たな心臓となるのは、最高出力620psの4.0リッター・ツインターボV8エンジン。また、最新の「プロアクティブ・ダンピング・コントロール」サスペンションシステムは、運転体験やブレーキング、ステアリングをより実用的かつ、より日常的な環境へと最適化を図ります。

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マクラーレン「マクラーレン GT」 #7

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McLaren

 「マクラーレン GT」は、普段使いにはもったいない1台と言えるでしょう。季節外れの雨の日に、ニース北部の曲がりくねった山道をロングドライブしてみました。が、これらの改良にもかかわらず、マクラーレンに結びつけられる素早く正確でしばしば驚異的な敏捷性は、犠牲になっていませんでした。 
 
 今回の動きは、あらゆる自動車メーカーが挑戦するSUV市場に、マクラーレンも将来的に参入することを示す兆候と言えるでしょうか? 今のところ、それは飛躍した話に思えます。何と言っても、同社は薄利の商売ですから。 
 
 「マクラーレン GT」のオーダーの受付は開始されており、納車は2019年末から開始される予定です。販売価格は2645万円(税込)。 
  
From Esquire UK 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です

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