マクラーレンは以前から、「SUVをつくることはない」と宣言していたスーパーカービルダーです。しかしながら、2022年7月1日付けで新たにCEOに就任したマイケル・ライターズ氏のもと、そのラインナップに2人乗り以上の大きさの「ユーティリティなEV(電気自動車)」が追加される可能性があることを示すコメントを、イギリスのカーメディア「evo」に対して語ったことが「evo」の姉妹メディアである「Auto Express」に報じられています。

ちなみにライターズ氏は、これまでフェラーリのチーフ・テクノロジー・オフィサー(最高技術責任者)を務め、それ以前はポルシェにおいて要職を歴任してきた人物。このコメントの中で彼は、「まだ純粋なEVスーパーカーを出そうとは考えていないが、(マクラーレンの電動化計画の一部として)ポルシェのタイカンに匹敵するスポーツサルーンとSUVを考えている」とも語っていたそうです。

さらに、ライダーズCEOは次のように話しています。

「今や車づくりの技術は成熟していて、これまでよりもはるかにライフスタイルや実用的な目的でカスタマイズすることができます。ですが、車づくりにおいて『ユーティリティ』や『ライフスタイル』といった言葉を使ってしまうと、(例えばSUVなど)明らかに特定の車を指すように話が飛躍してしまいます。ただ、今後のマクラーレンにおける潜在的な可能性の中に、『より多くの乗員と車内を共有できること』を加えるべきかとは思っています。とは言え必ずしも(SUVのように)、車高が高くなるということを意味するとは限りません…ですが、もちろんそうなる可能性もあります」

また同メディアに対しライターズCEOは、「マクラーレンが初めて発表するEVは、23万ドル(約3200万円)以上のエクスクルーシブな価格設定にするよう考えている」とも言います。「われわれれは数量ではなく、収益性に焦点を当てる必要があるのです」というのがCEOの弁です。

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このことを受け「Auto Express」は、「マクラーレンが高性能なEVを開発するためにも製造技術や製造環境を整える必要があり、そのためにもより大きな自動車メーカーと提携する必要がある」と指摘します。ちなみにマクラーレンが、2021年に発表した自社初のハイブリッドカー「アルトゥーラ」の開発において協力を仰いだのはBMWでした。よって真っ先に浮かぶのは、このドイツの巨人の存在ではあります。が、現時点では単なる憶測に過ぎないと言わざるを得ません。果たして、マクラーレンが向かう先は一体?

Source / Road & Track
※この翻訳は抄訳です