マクラーレンの「スピードテール」は、“唯一無二のクルマ”と表現する以外に、その特殊さを語る術がありません。1035馬力を誇るそのハイブリッドカーは世界中で106台が生産されたものの、マクラーレンですらその存在を確認する前にあっという間に完売となりました。マクラーレンの顧客の中でもほんのひと握りの人しか手に入れることができなかったという、もはや伝説のモデルです。

 例え、数百万ドルを即座に余裕で工面できたとしても、幸運に恵まれることなしにはお目に掛かれなかった「スピードテール」ですが、このたびオークションに出品されることが判明しました。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 世界最古の国際競売会社であるサザビーズは、2021年1月22日にアリゾナ州で開催するオークションイベントにて36台目として製造された「スピードテール」を出品する予定であることを発表しました。このモデルが一般向けのオークションに出品されるのは、これが初めてのこととなります。

 
TED SEVEN AKA TED7© 2020 RM SOTHEBY'S

 「スピードテール」は、マクラーレンのF1マシンを現代風にアレンジしたモデルであり、ガルウイングを備え、中央に運転席を設けた3人乗りのハイパーカーです。キャビン後方には、4.0リッターツインターボV型8気筒エンジンとハイブリッドシステムを搭載、7速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪に強大なパワーを送りこみます。流麗なるラインで描かた細長いティアドロップ型のボディと、ファンキーなエアロダイナミクスのおかげで、最高速度は250マイル(時速約400キロ)を誇ります。

 今回オークションに出展される1台は、マクラーレンのヘリテージカラーであるアトランティックブルーのボディが印象的で、2020年秋にアメリカ人のオーナーの元に納車されたものとなります。

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 サザビーズによると、総計17万ドル(およそ1800万円)以上のオプションも用意されているとのこと。具体的には、ウィンドやドア周りなどの内装のディテールに視覚的な魅力を与える(マクラーレンらしい)カーボンファイバートリムのセット、さらに5万3000ドル(およそ550万円)相当のピンストライピング(特殊な筆でピンストライプと呼ばれる塗料などで、極細のラインによって描かれる装飾)がエクステリアにアクセントとしてすでに施されているそうです。

 そして、このクルマの現状の走行距離は、わずか30マイル(約48キロ)とのこと。注文書、トランクケース、シリアルナンバーがつけられた軽量の金色のチタンツールセットも付属されています。

 
TED SEVEN AKA TED7© 2020 RM SOTHEBY'S

 新車の「スピードテール」の価格は約200万ドル(約2億600万円)であり、しかも、世界で106台しかありません。再び売りに出されることはしばらくないでしょう。つまり、二次流通市場ではさらなる高値がつく可能性も大。果たして、落札はされるののか? そして、その際の価格は? 今から目が離せません。
 

Source / Road & Track
Translate / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です