恋愛と仕事の両立は可能か? 医学博士・恋愛小説家寒竹泉美さんががお悩み解決!
医学博士で恋愛小説家としても活躍する寒竹泉美さんが、仕事と恋愛それぞれのシーンでのリアルなお悩みにアンサー。ぜひ、参考にしてみてください。
20代30代の女性たちにとって、一番の悩みは恋愛と仕事との両立に関してだそうです。
これに対して医学博士・恋愛小説家である寒竹さんは、「仕事と恋愛は、互いに夢中になったら両立はできないと思います。ただ、夢中になれることがある時期というのは、人生において貴重です。どっぷりつかったらいいんじゃないでしょうか。若い間にいっぱい悩んでもがいたことが、今後の財産になると思います」と語ります。
そう、彼女たちの悩みを事前に理解しておくことも、パートナーにとって大切なこと。ここで、女性たちの悩みに応える寒竹さんの言葉とともに、彼女たちの心の内を可能な限り予習しておきましょう。
【仕事】Q.仕事が楽しいと思えません。会社に行くのも苦痛になってきました。辞めるべきでしょうか?
A.楽しいことを見つけて、自分の中でその割合を大きくしていこう。
「仕事以外は楽しいですか? ほかに楽しいことがあるなら安心です。何もかも楽しくないというのなら、たぶんとても疲れていると思います。よく寝て、ダラダラして、楽しいことを見つけてください。ドラマを観るとか、おいしいものを食べるとか…。ほかに楽しいことがあるのに仕事が楽しくないのなら、自分の中に占める仕事以外の楽しいことの割合をどんどん大きくしていくといいと思います。“楽しい”には、現状を打破するエネルギーが詰まっています。そこでの出会いから、もしかしたら次の仕事や自分がどうすればいいのかが見えてくるかもしれません」
【仕事】Q.どうしても先輩や上司と合いません。職場で穏やかに過ごすにはどうすればいい?
A.悩まずゲーム感覚で、穏やかに過ごす方法を試行錯誤してみましょう。
「合わない先輩や上司が、職場にいるのって辛そうです。合わない人とは次の仕事をしない、ということができるのがフリーランスの強みなので、わたしはその悩みからは解放されています。ですが、会社員の場合は、合わないからって会社を辞めるわけにはいきませんよね。わたしなら、“職場で穏やかに過ごすゲーム難易度5”とか勝手に決めて、穏やかに過ごせる方法を試行錯誤してみるかもしれません。距離をとるか、表面上合わせるか、お菓子をあげてみるか、ファッションを褒めてみるか…。ひととおりやって効果がなかったら、もういいやと開き直るかもしれません。もしミッションクリアできたら、新しいコミュニケーションスキルが身につきます。合わないのは自分のせいではないので、悩まず、人間観察を楽しむとよいのではないでしょうか」
【仕事】Q.転職を繰り返しています。どうすれば長続きしますか?
A.自分の「やりたくないこと」を把握しましょう。
「転職ってエネルギーがいるのに、それを繰り返すなんてすごいなと思ってしまいますが、繰り返すということは、自分に合う仕事先に出合えていないのではないでしょうか。いろいろな職場を経験したのなら、どこがよくてどこが嫌だったのか、データが蓄積されているはず。その中から、自分の“やりたくないこと”を見つけてみるといいと思います。やりたくないことをやらないで済む仕事、それが一番長続きするのではないでしょうか。わたしのやりたくないことは、納得いかない上からの指示に従うことと、同じ場所に通うこと。なので、会社員はできず、今の生活をしています。その代わり、締切に追われたり、土日がなかったり、先行き不透明な不安定な日々です。でも、自分にとってどうしてもやりたくないことをやらないで済むのならば、仕事は続けられるようです」
【仕事】Q.仕事の量が多くて片付かないのに、残業をしないように会社から言われます。こっそり持ち帰るべき?
A.作業時間を“見える化”して、仕事相手と共有しよう。
「どの作業にどのくらい時間がかかるか、まずは測ってみるといいと思います。10枚の書類で1時間かかったから、50枚だと5倍して5時間…のように。そんなふうにして今ある仕事の作業時間を“見える化”しておくと、1日の時間でどこまで終わるかがわかります。全体として何日かかるかもわかります。物理的に終わらないということが数値としてわかれば、仕事を減らす手段を講じるしかありません。その場合は、新たな仕事を受けない、他の人に手伝ってもらう、人を増やしてもらうなど、他の人の協力が必要になると思いますので、相手を説得する客観的な指標が必要です。自分のためにも仕事相手のためにも、作業時間の見積もりができるようになって、それを客観的に説明できるようになるといいと思います」
【仕事】Q.昇進したいのに、競争が激しくてなかなか評価されず、悶々としています。どうしたらいい?
A.出世は運とあきらめて目の前の人を喜ばせよう。
「わたしももっと売れる小説家になりたくて、悶々としています。結構、面白い小説書いていると思うのになあ…。でも、そんなふうに自分ではどうにもならない他者からの評価に悩んでいるのって、精神的に不健康で消耗するなと最近気づきました。わたしは会社組織のことはよくわかりませんが、昇進できるかできないかは、上の人との相性とか、仕事内容とか、同僚の顔ぶれとか、自分にはどうにもならない運の要素もあるのではないでしょうか。目の前の仕事を楽しんで、いい仕事をして仕事相手に喜んでもらう。そんなふうに過ごしていたら、あるとき時がめぐってひょいっと上にいけるかもしれません。そう考えたほうが、人生はうまく回っていくような気がします。半分自分に言い聞かせていますが…」
【恋愛】Q.彼氏がいない期間が長いです。なかなか人を好きになれず、デートに誘うのもめんどうですが、どうしたら彼氏ができますか?
A.恋愛する気があることを周りに知らせよう。
「人を好きになるのって、難しいですよね。恋愛のあれこれもとっても面倒くさいです。もういっそ、フリーのままでいいんじゃないですか? だめ? 面倒だけどもフリーを脱却したいというのなら、これはもう、誰かに自分を好きになってもらうしかないと思います。告白されたら、ドキっとして恋愛スイッチが入るかも…。誰かに好きになってもらうために一番重要なのは、恋愛する気があることを周囲に知らせることだと思います。彼氏がいそうだと思われてませんか? そう、わたしが実際に会う20代、30代の女性、みんな、彼氏がいそうに見えます(笑)。すでにいそうに見えるというか、あんまり彼氏を欲しくなさそうに見えるというか。恋愛したい! 彼氏募集中! とあちこちで言っておけば、情報は勝手に回っていくはず。あとは気にせず、楽しく自分らしく過ごしていてください」
【恋愛】Q.なかなか彼氏ができません。出会いはそれなりにあり、デートをするのですが1、2回会って終わってしまいます。どうすればいい?
A.デートで相手を楽しませてみよう。
「1、2回で終わるのは自分が嫌になっちゃうのか、何となく立ち消えてしまうのか、どちらなんでしょうね。とりあえず相手を楽しませて“また会いたいな”って思われることを目標にして、いろいろ試行錯誤してみたらどうでしょうか。例えイマイチかなと思う相手でも、試みてデータが集まれば、1、2回で終わってもスキルアップに役立ちます。“また会いたいな”スキルがアップしたら、仕事も順調になるはず。そして、いつか、自分もまた会いたいなと思える人に出会ったときには、きっと彼氏ができるでしょう」
お話を聞いたのは、寒竹泉美さん
Profile
1979年生まれ。京都在住。医学博士、恋愛小説家。九州大学理学部卒業後、京都大学大学院医学研究科に入学、博士課程修了。2009年に『Birth』(講談社)で作家デビューし、『月野さんのギター』(講談社)、『天才研究者の婚活事情-プロポーズから始まる恋-』(夢中文庫)ほか著書多数。映画・演劇・朗読劇の脚本・演出・出演でも活躍中。https://kanchikuizumi.amebaownd.com/
2020年に開催予定の『第6回地球女性からだ会議®2020』にて、「人生が変わる『未来の選びかた』」をテーマに登壇予定。詳しくはhttp://thinkpearl.jp/meeting/