今冬、記録的大寒波に見舞われ広範囲で停電が起こり、雪で家や車から出られなくなるなど死者も増えているアメリカ。現地時間2023年1月1日日曜日、アカデミー賞作品『ハートロッカー』(2008)や近年ではマーベル作品『ホークアイ』(2021-)などの主演で知られるジェレミー・レナーが除雪作業中の事故に遭い、ヘリコプターで向かった救急医療隊によって病院に運び込まれたと「BBC」などのメディアが伝えていました。

事故が起こったのは、ネバダ州リノです。当時の現場では雪は降っていなかったものの、ワショー郡保安官のダリン・バラム氏が1月2日(月)の記者会見で明らかにしたところによれば、「ハイウェイが厳しい冬の天候のために閉鎖されており、まだ除去されていない雪があり…」「(ハイウェイには)約13〜20台の放置車両が残され、身動きが取れない状態」ということ。

リノの国立気象局の報告による大晦日から元旦にかけてのこの地区の気象状況は、標高5000フィート(約1500m)以下でも6〜12インチ(約15㎝~30㎝)、それ以上の高地では最大で18インチ(約64㎝)の降雪があったということ。

彼の代理人で広報担当のサマンサ・マスト氏は、「(レナ―は)元旦にネバダの自宅近くで、休日に集まった家族が家を出るのを手伝うために私道から雪を取り除いているときに負傷した」と発表。続く保安官事務所の公式発表で、「その後容態は安定し、他状態でICUにいる」ということが判明。その後、彼と共演した多くの俳優仲間たちから激励のメッセージが殺到していました。

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自身の運転していた雪上車に轢かれる

レナーはこのリノのNPOなど地域貢献に数年前から積極的に関わっており、保安官事務所の名誉副保安官も務めていました。このときも住民のためにスノーキャット(キャタピラー部分が幅の広い鉄板で覆われた雪上車)で除雪作業を手伝っていたということ。そして、その中での事故だったことを「CNN」は伝えています。

事故が起きたのは、作業を一時中断していたとき。保安官バラム氏の発表によれば、「レナーが操縦室から離れてしばらくするとスノーキャットが勝手に動き出し、慌てて操縦室に戻ろうとしたときに家族の目の前で轢かれた」とのことです。一部報道では、「脚から大量出血していた」とも伝えられています。

ジェレミー・レナー事故
ShevchenkoAndrey//Getty Images
スノーキャット(写真は事故車とは別のもの)。

マスト氏は「CNN」の取材に対し、「胸部鈍的外傷(blunt chest trauma≒肋骨骨折などを、車など大きな外部の物によって打たれた際に生じる怪我)と整形外科的な負傷(orthopedic injuries)を負った」ものの、現地時間1月3日(火)夜には「ジェレミーは積極的な進歩を遂げており、目を覚まし、話し、元気です」と語りました。

そうして1月4日(水)、2度の手術を受けたのち、本人がSNSでファンに感謝のコメントを発表。「皆さん、優しい言葉をありがとうございます。私は今、あまりに混乱していて文字を打つことが難しいですが、みんなに愛を送ります」と、病院のベッドにいると思われる自撮り写真とともに自身のSNSに書き込んでいます。

保安官事務所は、レナーが操縦していた雪上車がなぜ勝手に動き出したのか?という疑問に対し、「機械的欠陥の可能性を排除する」ために分析しているとのこと。「これは、このような重傷を負った事故においては通常の捜査の一部として行われるもの」としています。

この冬、年明けも含め強烈な寒波に襲われ、日本海側を中心に大雪に見舞われている現在の日本でも、除雪中の事故は深刻な問題。事故防止や緊急事態時の救援方法について、改めて考えるきっかけとなるニュースです。