記事に移動

記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がEsquireに還元されることがあります。
記事中に記載の価格は、記事公開当時の価格です。

男優同士の熱い抱擁に胸が熱くなる理由:ブレンダン・フレイザー&キー・ホイ・クァン

2023年1月15日の放送映画批評家協会賞(CCA)で主演男優賞と助演男優賞に輝いた2人が、お互いを称え合う姿に注目が集まっています。

By
28th annual critics choice awards – show
Kevin Mazur//Getty Images

第28回クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)では、映画部門の主演男優賞はブレンダン・フレイザー、助演男優賞はキー・ホイ・クァンが獲得しました。公式インスタグラムは、この2人の熱い抱擁シーンを2度にわたって投稿。今年度のイベント投稿中、最も「いいね」を集めています。

うつ状態から復活を遂げたブレンダン・フレイザー

instagramView full post on Instagram

2人のハリウッド俳優はともに、出演作で“奇跡のカムバック”をしました。

「ハムナプトラ」シリーズのようなブロックバスターから、『ゴッド・アンド・モンスター』などの実話ものまでこなす優秀な俳優であったフレイザー。彼は2003年、ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の元会長フィリップ・バークからの衆人環視のもとセクハラを受けた(のちに協会に訴えるも「冗談」だと片づけられたと語っています)ことを一端に結婚生活の破綻なども重なり、次第に精神状態を崩したとのちに『GQ』のインタビューで告白しています。

その後はうつ状態に陥り、長らくキャリアは低迷。#MeToo運動をきっかけに2018年、被害を表立って告発するまでの数年間はほぼ目立った仕事がないほどにまで落ち込みました。

しかし2022年、『ザ・ホエール』が公開されたヴェネツィア国際映画祭で喝采を浴び、一気に今期アワードイベントの話題の中心に躍り出たのです。

アジア人の元子役からチャンスを失くしたキー・ホイ・クァン

一方のキー・ホイ・クァンは1975年のサイゴン陥落をきっかけに、1979年インドシナ難民としてアメリカに移住してからわずか4年足らずの1983年4月、12歳のときにスティーブン・スピルバーグ監督に選ばれ『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年公開)に出演しました。そこでハリソン・フォード相手に大立ち回りを演じ、翌年のスピルバーグ製作『グーニーズ』(1985年公開)のメインキャストの1人にも選ばれた天才子役でした。

しかし名門・南カリフォルニア大学映画芸術部(USC School of Cinematic Arts)に進学するも、成人になるとハリウッドの「人種の壁」に阻まれ役がない状態に。その後、アクション振付師や助監督として裏方としての仕事にシフト。ところが2018年に公開された『Crazy Rich Asians(邦題:クレイジー・リッチ!)』の成功に感化され、俳優業に再び戻ってきました。

2018年がターニングポイントだった同年代の2人が30年の時を経て“共演”

champagne collet obc wines celebrates the 28th annual critics choice awards
Michael Kovac//Getty Images

奇しくも2018年に転機を迎えていた2人、実は30年前の作品『原始のマン(Encino Man)』(1992)では共演者でした。フレイザーが1968年生まれ、クァンが1971年生まれと年は近いものの、全く異なるタイプの男優2人が、時を同じくしてハリウッドに“奪われた時間”を取り戻すかのような「復活劇」を見せている事実…。

これに「人は何歳になっても立ち直れる」と、多くの人々からの共感を集め賞賛の声であふれました。

ADの後に記事が続きます
champagne collet obc wines celebrates the 28th annual critics choice awards
Michael Kovac//Getty Images

最後に、アジア系タレントが勢ぞろいした『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のスタッフたちが、ブレンダン・フレイザーを取り囲み記念撮影。この様子に、何か明るい未来を想像した人も多いに違いありません。

アワードシーズンをクライマックスを飾るアカデミー賞でも、この2人が並ぶ姿が見られるのか…。期待が高まるノミネーション発表は、現地時間2023年1月24日(火)です。

[関連記事]

うつ症状から復活! ブレンダン・フレイザー、ヴェネツィア国際映画祭で涙

会場の涙を誘ったキー・ホイ・クァンの受賞スピーチ

アカデミー賞

ジュスティーヌ・トリエ監督 落下の解剖学

『落下の解剖学』を解剖する:ジュスティーヌ・トリエ監督アカデミー賞脚本賞受賞後インタビュー

コード・ジェファーソン

【第96回アカデミー賞】『アメリカン・フィクション』、コード・ジェファーソン監督は議論を求めています

96th annual oscars show

冴えわたるジミー・キンメルのアカデミー賞ジョーク

第96回アカデミー賞 ジョン・シナ ジミー・キンメル

第96回アカデミー賞物議を醸した問題シーン

ADの後に記事が続きます
ADの後に記事が続きます