バラク・オバマ氏は、白人の警察暴力により亡くなった黒人男性のジョージ・フロイドさんの事件を、「人種差別に関する既存構造のターニングポイントにできる」とアドバイスをしています。

 オバマ前大統領は米ウェブメディア「Medium」への寄稿とともに自らのSNSを通じて、自らの思いを述べています。特に「Medium」に記された最後の章では、「…そして困難は、偏見と不平等が依然としてアメリカの生活の多くを形作っているという悲劇的なリマインダーによって悪化していることを私は認識しています」と、ジョージ・フロイドさんの事件に対する哀悼(あいとう)と遺憾の意を込めながら、次のように語っています。

「ここ数週間あらゆる人種あらゆる地域で、若者たちの活動が高まっているのを観て、私は希望に満ちあふれてきました。今後、正当な怒りを平和的で持続的かつ効果的な行動に向けることができれば、現在(このとき)は、私たちの国が長きにわたり描いてきた最高の理想を実現するための、真のターニングポイントとなるだろう」

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
 

 2020年5月25日(月)に、ミネソタ州の警察官によって殺害されたジョージ・フロイドさん(46歳) は、「I can't breath!(息ができない)」と訴えた後も警官はフロイドさんの首を膝で押さえ続けていました。フロイドさんの死因は、首と背中の圧迫による窒息(酸素不足)死でした。この事件後、米国各地で広範な抗議活動が続いています。

 オバマ氏はまず今回の抗議者たちに対し、「参加者の圧倒的多数は、平和的で勇気があり、しかも責任感を擁し刺激的です。 彼らは私たちの尊敬と支持に値するものであります。そう、彼ら彼女らに非難するところなどありません。ニュージャージー州カムデンやミシガン州フリントでは、警察官までもデモに参加しているのですから…」と平和的な抗議者たちを称賛しました。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Sheriff takes off riot gear and joins peaceful protesters
Sheriff takes off riot gear and joins peaceful protesters thumnail
Watch onWatch on YouTube

◇暴力は大きな損失をともなう…

 そして、暴力に身をまかせる少数の人々に対し、「無実の人々を危険にさらし、近隣地域の破壊を悪化させることになる…それは、より大きな損失をともなう…」として、その思いを留めるよう力強いメッセージをおくりました。そして、「私たちの刑事司法制度やアメリカ社会全体がより高い倫理規範に基づいて活動することを望むのなら、その規範を自分たちの行動でモデル化する必要があるのです」と、その章は結んでいます。

instagramView full post on Instagram

 今後、警察がどのように行動するか、司法制度が小規模で機能するか、これら最も重要なことを決めるのは選出された公務員になります。オバマ氏はこの事件を通して、アメリカ全土に向けて投票の大切さも説いています。また、このような抗議活動が、これまでいかにして政策を変化・活性化させたのかも強調しています。

◇大切なのは、政治に参加すること

「ほとんどの警察署長を任命し、警察組合との団体交渉協定を交渉するのは、市長と群の幹部です」「警察の不正行為に関与した人を調査し、最終的に起訴するかどうかを決定するのは、地区の弁護士と州の弁護士です。これらは全て選出された立場の人ばかりなのです。州によっては、警察の行動を監視する権限を持つ警察審査委員会の人々も選出される立場にあります」とオバマ氏。

行動的な若者が多いことについて、「将来の希望を感じさせてくれる」とコメントしながら最後に、“投票の大切さ”の話でその記事を締めくくっています。

「真の変化を望むなら、政治と抗議を組み合わせなければならない…私たちは(反人種差別の)意識を高めるために(自分と同じ意見の)人々を動員していく必要があります。そして、改革に取り組む代表候補者を選出する権利があるのです。選出を確実にするためには、投票しなければならないのです」と…。

 Let’s get to work...さあ皆さん、早速仕事に取り掛かりましょう。

Source / Meduim