世界保健機関(WHO)は先日、「“出産可能な年齢”の女性は飲酒すべきではない」との見解を示す勧告案(男性も妊娠成立の責任を50%負っているのに、男性の飲酒については触れられていません)を公表しました。そして今度は、イギリス男性たちが話題となっています。この国の男性の半数近く(46%)が、「出産において、36歳という年齢の女性が行うには“年を取り過ぎ”」と考えていることが明らかになりました。

 イギリスの調査会社ユーガヴ(YouGov)が、18歳以上を対象に実施した調査(サンプル数:2005人)によると、男性と女性がそれぞれ親になる「理想的な年齢」は、女性が28歳、男性が30歳と考えられていることがわかりました。一方、男性が36歳で初めて子どもを持つことについて、女性の出産と同じように“年を取りすぎ”と考える方は、わずか21%だったということです。

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 以上のWHOの勧告書およびユーガヴの調査結果に対し、ツイッター上には女性からの反発の投稿が相次ぎました。これは女性にとって、「個人的な選択に対するひどく偽善的であり、かつ大きなお世話」と言えるでしょう。男性自身のことは棚の上にあげて、なぜ女性側だけに時間的な制約を設けるのでしょうか? 医学的な見地から病院側は、35歳以上の女性が出産に対して「高齢出産」と判断し、リスクを最小限のとどめようと努めてくれることは別として…ですが。

 ツイートはどんどん盛り上がりを見せ、ある女性は会話で「疲れ果てた」と言った。 「男性、36歳で出産する女性は年を取りすぎていると言う理由はありません。私たちの体は放っておいてください」と作家のジェイド・モイラ・ローレンス氏は投稿しています。

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 また、人気料理ブロガーであるニアム・シールズは調査会社ユーガヴに対して、「科学に基づいた、重要な質問をしてくれているのはうれしいのですが、ただ、不必要な誤解を招いたり、女性蔑視の問題を駆り立てることになりかねません…。(そんな調査を行う)お金があるなら教育関連に基金にそれを投入し、活用してください」と投稿しています。

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 さらにそこには、「出産において最高の年齢というのは、女性自身が希望することで決定されるものであって、それが彼女にとって正しい決定なのです」「申し訳ございませんが、なぜこのような調査を行ったのですか?」と付け加えられています。

cropped hand of husband touching pregnant wife belly at home
Francesco Rocca / EyeEm//Getty Images

 男性の皆さん、もし、世界的な専門機関に「男性の皆さんも子どもがほしいのなら、ある程度の年齢までは飲酒はなるべく控えるように…」と言われたとします。その頃はキャリアアップにも精を出している頃でしょう。さらに、「子どもを授かるには、遅すぎではありませんか?」などと口々に言われたとしたら…そうですか? 「もう放っておけ」と言いたくなる気持ちも理解はできるでしょう。

 イギリスでは初産の平均年齢は徐々に上がっており、現在は28.9歳となっています。そして、20歳未満で出産する女性よりも、40歳以上で子どもを産む女性のほうが一貫して多くなっているということ。これに関する要因は、間違いなく資産も問題と言えるでしょう。出産を先送りする具体的な理由の多くは、「キャリアを優先したい」、「家族で住める大きさの家は高すぎて購入できない」の2つに集約されるのですから…。

 ちなみに日本では、2018年(平成30年)6月の発表された内閣府が行った調査で、「女性が最初に出産をする年齢(第一子出生時年齢)は、この30年間で4歳も上昇している」ことが報告されています。

初産は28歳が「理想的」?イギリスの調査結果に女性たちが反発
Cavan Images//Getty Images

 女性は40代まで、場合によってはそれ以降でも、妊娠および出産可能であることは実例として多々あります。またはその逆に、なんらかの障害を負って出産を終えた方も…。つまり、この件に関しては本人、そしてそのパートナーの自由なのです。周りから意見を言うべきことではない…ということでは。

Source / COSMOPOLITAN

From: ELLEgirl