ショパール・トロフィー（Trophée Chopard）とは
カンヌ国際映画祭の公式パートナーを長年務め、パルム・ドールのトロフィーの製作も担当するジュエラー、ショパールの名を冠した映画祭公認のアワード。同ブランド共同社長キャロライン・ショイフレの発案で2001年にスタートし、映画界で今後の活躍が期待される若手俳優に贈られる賞です。単なる特別賞ではなく、イリス・ノブロック（映画祭プレジデント）、ティエリー・フレモー（映画祭ディレクター）も共同主催者に名を連ねます。
これまでの受賞者は、第一回のオドレイ・トトゥ（『アメリ』）とエドゥアルド・ノリエガ（『オープン・ユア・アイズ』）を筆頭に、マリオン・コティヤール、ダイアン・クルーガー、タン・ウェイ、レア・セドゥ、フローレンス・ピュー、ニールス・シュネデール、ジョン・ボイエガ、ジェームズ・マカヴォイ、ジェレミー・アーヴァイン、ジョー・アルウィンなどなど、今をときめく錚々たる面々が並びます。そのため、「映画界その後の10年をけん引すると期待される若手俳優の登竜門」としても注目されています。
第76回受賞者 女優・ナオミ・アッキー
2023年の受賞者1人目はナオミ・アッキー。『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』（2019）のジャナ役で存在感を見せたアッキーは、2022年『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』で歌こそ大部分が吹き替えだったものの、本人の”なりきり”具合が話題になりました。彼女はイギリスの超名門、セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマを卒業した正統派俳優。2023年以降はポン・ジュノ監督、ロバート・パティンソン主演のSF『Mickey 17』などが待機しています。
第76回受賞者 男優・ダリル・マコーマック
アイルランド出身の30歳、マコーマックは同国の長寿ソープオペラの出演によってキャリアのスタートを飾ると、オールスターキャストで送る英国BBCの長寿大河ドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』に出演するなど、着実に実力を積んできました。2022年は『グッド・ラック・トゥ・ユー、レオ・グランデ』で、デイム・エマ・トンプソンを相手に思いやりある美しき男娼を説得力ある演技で成立させ、その名がポスターでトンプソンと同列に並ぶことになりました。今後はリチャード・E・グラント共演の『The Lesson』（2023）、ヤン・デ・ボン監督1996年のパニック映画『ツイスター』の続編となる『Twisters』（2024年公開予定）への出演が決定しています。
プレゼンター役の“ゴッドマザー”は、ナタリー・ポートマン。
この賞のプレゼンターは歴代、すでに世界的スターとして名をはせる”先輩俳優”が任命されるのが慣習。第一回目のエマニュエル・べアールやヘレン・ミレン、コン・リー、ジュード・ロウ、ロバート・デニーロ、ジュリア・ロバーツら大スターが積極的に参加してきたのも、この賞が如何に重要視されているか理解できるポイントのひとつ。今年はオスカー女優ナタリー・ポートマンが務めました。
パーティは超一流ホテル、カールトン・ホテルにて
この賞が発表される席であるディナー・パーティも豪華。会場は、ヒッチコックの映画『泥棒成金』（1955）の撮影地として知られる、カンヌのカールトン・ホテルのビーチクラブ。この時期は宿泊費が高騰し、一流の著名人が集結する高級ホテルです。その場を盛り上げたのはフランスのシンガーソングライター、ジュリエット・アルマネ。自身の代表曲を歌い上げ、テーブルに上がってまでパフォーマンスする大サービス。来年のショパール・トロフィーのパーティー含め、アッキー、マコーマックの今後の活躍からも目が離せません。
