現地時間2022年4月4日(月)に 何百人もの富豪や有名人が、音楽界最大の夜のためにラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナに集まりました。そんな中、今回のグラミー賞で最も注目されたゲストは、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領であったと言えるでしょう。

ジョン・レジェンドのニューシングル「Free」の演奏の前に、ゼレンスキー大統領は式典に顔を出し、この困難な時代における音楽の重要性について感動的なメッセージを伝えました。

「わが国のミュージシャンたちは、タキシードの代わりにボディアーマー(防弾ベスト)を着ています」と、ゼレンスキー大統領は言います。「病院で負傷した人たちに、聞こえない人たちにも歌って聞かせています。音楽はこの静寂を打ち破ってくれるはずです。私たちは、生きる自由、愛する自由、音を出す自由を守るのです」と。

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ゼレンスキー大統領のビデオは、ロシア軍がウクライナへの攻撃を続ける中、放送前の48時間以内にキエフの安全なバンカーから撮影されたと言われています。

彼のスピーチのあと、ジョン・レジェンドがピアノを弾き、3人のウクライナ人パフォーマーが伴奏する『Free』へと続いていきました…。さらに、ミカ・ニュートンのボーカル、シウザンナ・イグリダンのバンドゥーラ(ウクライナの民族楽器)、リューバ・ヤキムチュクの口語詩が披露されました。

現地時間2022年3月28日に行なわれたアカデミー賞では、ショーン・ペンが、「もしアカデミーがゼレンスキー大統領を呼ばないならオスカー像をくすねるよ」と記者団に語って話題となりましたが、ゼレンスキー大統領によるスピーチはそのわずか1週間後に実現しました。アカデミー賞の共同司会者であるワンダ・サイクスは、ゼレンスキー大統領について『バラエティ』誌に異なる見解を示していました。

「今、彼はとても忙しいと思うんです。ハリウッドでは、自分たちのしていることがとても重要なことだと思い込んでしまうことがあります。そして、自分たちのやっていることが、多くの人に届くということも理解しています。私たちは人々を説得する力も持っているはずですが、同時に、自分の立場を知ることも大切です。私が言っていることがわかりますか?出過ぎた真似をしないほうがいいということです。」

以下、ゼレンスキー氏のスピーチ全文を紹介します。

戦争…これ以上、音楽と相反するものがあるでしょうか? 廃墟と化した街と殺された人々の静寂。私たちの子どもたちは流れ星ではなく、落ちてくるロケット弾の絵を描いています。400人以上の子どもたちが負傷し、153人の子どもたちが亡くなっています。私たちはこの子たちが絵を描く姿を、もう二度と見ることはできません。私たちの親たちは朝、防空壕の中で目覚めることができたことに幸せを感じながら生きています。そして愛する人たちと、また一緒になれるかどうかも分からないのです。戦争は誰が生き残り、誰が永遠の沈黙に留まるかを私たちに選ばせてはくれません。わが国のミュージシャンたちは、タキシードの代わりにボディアーマー(防弾ベスト)を着ています。彼らは病院で、負傷者たちのために歌っています…それを聴くことができない人々に対しても。それでも音楽は、乗り越える力を持っていると信じています。私たちは自分たちの自由を守ります。生きる自由を、愛する自由を、音を出す自由を守るのです。

私たちの地で今、私たちはロシアと戦っています。ロシアは爆弾で恐ろしい静寂をもたらしています。それはまるで死んでしまったかのような静寂を…。その静寂を、あなたたちの音楽で満たしてください。沈黙するのではなく、皆さんのソーシャルネットワークやテレビで、この戦争について話してほしいのです。できる限りの方法で、私たちをサポートしてください。静寂だけはやめてください。音を鳴らせば、平和が訪れるはずです。チェルニーヒウ、ハールキウ、ヴォルノヴァーハ、マリウポリなど、その他私たちの多くの都市は戦争によって破壊がもたらされています。これらの地は今ではレジェンドと化しましたが、私は再びこれらの地が息を吹き返し、人々が生きて、そしてFreeになるとことを夢見ています。グラミー賞のステージに立つあなた方のように、Freeに…。

このようにゼレンスキー大統領が話した後、前述のようにジョン・レジェンドがウクライナのミュージシャンSiuzannaIglidanとMikaNewton、そして詩人のLyuba Yakimchukと一緒に新曲『Free』を演奏。ウクライナでの戦争の写真が大画面に表示されました…。

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Source / ESQUIRE US
※この翻訳は抄訳です。