複数の環境でライフスタイルをサポートするスニーカーというのは、貴重な存在と言えるでしょう。私(筆者ルーク・ギロリー)もトレイルランをするときや、ブルックリンの街角にある店に行く途中で水たまりを踏んでしまったとき、キャンプに行くけれどブーツを履きたくないときなど、アウトドアでも街中でも履けようなしっかりとした一足が必要だったのですが、なかなか見つけることができませんでした。

当初は人気のあるサロモン(Salomon)の「XT-6」を考えていましたが、大ヒットスニーカーの「XT-6」を履くような男になりたいわけでもありませんでした。トレイル以外では使わないであろうホカ(Hoka)の「カハ」を、3万円以上も出してまで買う必要も感じませんでした。こうして、手頃な価格のヴィブラムソールのスニーカー探しが始まったのです。

最終的にたどり着いた答えが、ホカが先日発表した「トランスポート」だったのです。「私の求めるものを全てをカバーしている」と言っても、過言ではありません。

バツグンの快適性

hoka transport review
Philip Friedman

Shop 1万9800円(税込み) hoka.com

これまでホカのスニーカーを履いたことはなかったのですが、「いかに快適で関節を守ってくれる」または「靴に対する考え方が変わる一足だ」という話はよく聞いていました。そんないい話を聞きながらも、これまで気にも留めていなかった私です。が、このスニーカーを履いて1週間歩いてみたら、その意味を実感することになったのです。

ある土曜日、このスニーカーを履いてブルックリンを20キロほど歩き回りました。2万5000歩くらい歩いたでしょうか。8時間後にアパートに戻ったとき、まだ数キロは歩けるような気がしました。しかも翌日、足がこれっぽっちも痛くなかったのです。運動神経はいいほうだと思うので、1日散歩しただけでベッドから起きられなくなるとは思っていませんでしたが、その快適さは想像をはるかに超えていました。

さらに週末、道路やトレイルで何度か走ってみてもその感触は同じでした。「もう少し歩き続けたい」「走り続けたい」とまで感じるほどだったのです…。大きくてクッション性の高いホカのミッドソール、それがいま人気である理由をやっと理解できた瞬間です。

そうしてこの「トランスポート」は、すぐに私のトラベルシューズのローテーションでトップの座に君臨するまでになりました。新しい街に行って何キロも歩くことが予想されるときには、必ずこのスニーカーをバッグの中に入れて旅立ちます。

街中でもキマるデザイン

hoka transport
Philip Friedman
Shop 1万9800円(税込み) hoka.com

ハイキングシューズを街歩き用スニーカーにする際の問題は、あまりにも登山用で明らかにアウトドアっぽい靴に見えることです。山道でも目立つ鮮やかな色やほこりっぽいアースカラーは、本格的なトレイルランナーやウルトラマラソン選手であればクールな印象になります。

ですがファッションとして捉えるなら、「アウトドアスタイルは過ぎ去ったトレンド」という声も無きにしも非ず…です。いまだに履きこなしている人たちは素晴らしいと思いますが、私は黒一色で、どことなくスニーカーっぽくて、どことなくアウトドアっぽい…そんな控えめで汎用性の高いスニーカーを求めていたのです。

そんなわけで「トランスポート」のブラックにロックオン、このスニーカーはまさに私が求めていた控えめなデザインだったのです。さまざまなコーディネートになじむ雰囲気で、街でドレープの効いた黒のコム デ ギャルソンのパンツと合わせても、なじみのコーヒーショップのバリスタから「合っていないんじゃない?」と言われることもないでしょう。トレイルの際には、コロンビアのショートパンツに古いTシャツを着ている私ですが、その際にこの「トランスポート」を合わせても「それはどこのスニーカーですか?」なんて、嫌味にもとれる質問もされません。

メンズには他に、2つのカラーバリエーション(アボカド / ハーバー ミストキャッスルロック / ブラック)があります。どちらかというと、その2種はよりハイキングっぽいデザインになっていますが、それでも控えめと言えます。

何よりも耐久性がある

hoka transport
Philip Friedman
Shop 1万9800円(税込み) hoka.com

トレイルランの観点では、「トランスポート」は本当に素晴らしい製品だと思います。過度に機能が詰め込まれているわけではないので、値段はそれほど高くありません。それでいて2万円以下のシューズとしては、驚くほどの性能を備えているのです。

最初に注目したのは、ヴィブラム製のアウトソールです。軽いハイキングやトレイルランを行うときの私には最適で、軟らかい土に沈んでしまうことも、大きく埃っぽい岩を下るときに滑ってしまうこともありませんでした。数カ月間履いた後ですが、いまだにそのアウトソールの機能性の高さは損なうことを知りません。きっとウルトラマラソン(フルマラソンの距離42.195kmを超える道のりを走るマラソンのこと。100kmなど一定の距離を走る大会と、24時間走のように一定の時間を走り続けたうえで距離を競う大会もある)でもない限り、かなりの距離に耐えられることが予想できます。

しかもアッパーはコーデュラ素材で、丈夫で耐摩耗性に優れています。お手入れもしやすいというわけです。思うに「トランスポート」は、街歩き用のスニーカーがハイキングシューズへと変身した、まるで私にとってのヒーローのように頼れる存在です。

週末のキャンプで汚れてしまっても、石鹸と水でケアできます。そして街中でも、何ならオフィスにだって履いてもいけます。つまりこのシューズは、汎用性の高いスニーカーに対して最高の褒め言葉となる「気楽なシューズ」なのです。

Source / ESQUIRE US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。