スニーカー人気は過熱するばかりです。

 試しに今すぐ街に出て、ストリートを行き来する人たちの足元をチェックしてみてください。本当に多くの人たちがスニーカーを履いていますので…。その中には、スニーカーにオリジナリティーを求める愛好家もいますし、ラグジュアリーブランドとのコラボレーションを求める時代の気分もあります。スニーカーの収益性の高さに注目した一部の人々の間では、「投機対象の1つとしてスニーカーへの投資が過熱している」というリポートもあるくらいです…。

 スニーカー市場が継続的に拡大している現在の状況は、今のファッションシーンで最も興味深い分野の1つと言えることは確かです。果たして、2020年のスニーカーを取り巻く状況は一体どのように変化していくのでしょうか? ここでは、2020年の最も重要なスニーカートレンドをご紹介しましょう。

1:ハイブランドとのコラボ

ディオールとジョーダンブランドのコラボスニーカー
courtesy dior

 まず1つ目の潮流としては、ラグジュアリーブランドとスニーカーブランドとの間で頻繁に行われているコラボレーションがあります。プラダとアディダス、ディオールとジョーダンブランド、Kith(キス)とナイキ…例を挙げればキリがありません。この傾向は、普段スニーカーをあまり履かないラグジュアリーブランド好きの人たちを大いにザワつかせました。

 肝心のデザインですが、「ハイブランドの精神といかにうまく融合できるか」という点を強く意識したモデルが、市場から熱い支持を集めるようになるのではないでしょうか。 つまり、スニーカーのデザインを大々的に更新することよりも、ディテールや素材へのこだわりが重視され始めるということです。

 信じられませんか? それなら上記に掲載してある、ディオールのモノグラムでカスタマイズされたナイキのスウォッシュをご覧ください…。多くの人はご納得いただけるのではないでしょうか?

 それぞれのブランドの魅力が溶け込んだ、魅力的なデザインへと落とし込まれています。このように、ラグジュアリーとストリートのハイブリッドスニーカーが2020年の主要トレンドの1つとなるでしょう。

2:ヴィンテージスニーカーの復権

ナイキのヴィンテージスニーカー
Courtesy Stadium Goods

 ファッションの世界において、あるアイテムの人気が過熱すると、「そのトレンドの起源・オリジナリティ」を探求するという動きが見られます。つまり、私たち消費者は過去の歴史やアーカイブに興味関心を持ち始めるというわけです。

 ブランド側にとっても、レトロなモデルはそのブランドの歴史や格、美学を伝えやすい貴重な存在でもあります。多くのブランドは過去のアーカイブの中から、より多くの人にアピールできる可能性のあるモデルの発掘に精を出し、そのバージョン2.0として復刻版を発表するのです。

 すでにnorthwave(ノースウェーブ)の「エスプレッソ」や、1980年代にブームとなったプーマのランニングシューズ「ライダー」が21世紀の現在に蘇っています。さらに1985年を代表する名作、ナイキの「ダンク」はトラヴィス・スコットやヴァージル・アブローのカプセルコレクションに取り入れられています。

3:環境に優しいスニーカーに注目

ヴェジャのスニーカー
Courtesy Veja

 環境に優しく、サステナブルであること。これは環境保護への意識が高まるファッション業界において、ますます重要な関心事となっています。

 2019年においては、ベジャ(VEJA)が活発な動きを見せました。フランス発のこのブランドは、バナナオイル・サトウキビ・もみ殻・オーガニックソールをはじめ、45%ものパーツがオーガニック素材でつくられたスニーカーを発表しました。

 アディダスも負けてはいません。2019年4月から「FUTURECRAFT.LOOPプロジェクト」を進めています。これは寿命が来たシューズを、新しいシューズの原料として100%リサイクルすることができるランニングシューズ「FUTURECRAFT.LOOP」を軸にした、循環型生産プロセスに向けた取り組みとなります。

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 その内容は、「FUTURECRAFT.LOOP」を世界中で200人のリーディングクリエイターに配布し、ある程度使用してもらいます。その後、履きつぶされたシューズを返却してもらい、新しいシューズにリサイクルするという壮大なプロジェクトとなります。現在も研究が続けられ、2021年春夏向けの一般販売を目指しています。

4:ゴアテックスを採用したスニーカー

ナイキのゴアテックススニーカー
Courtesy Nike

 サステナブル性を高める方法は他にもあります。それは、耐久性の高い商品に目を向けることです。トレンドが終われば履かなくなってしまうようなスニーカーではなく、機能的で実用性に優れ、そして長期間愛用できるスニーカーを目指すという動きです。

 この分野で頭ひとつリードしている素材の代表例が、ゴアテックス(Gore-Tex)でしょう。ファッショナブルなアウターやスポーツウエアの分野ではすでに広く導入されている素材ですが、スニーカーづくりにも採用され、近未来感あふれるシューズがつくられ始めています。実際2019年初頭からすでに、ストリートにおいて感度の高い人たちが取り入れ始めているスニーカーでもあります。

5:ミドルカットのスニーカー

エアジョーダンというスニーカー
Courtesy Jordan Brand

 ミドルカットやハイカットのスニーカーにも、注目すべき1年となりそうです。気になるデザイナーとブランドを2つご紹介しましょう。それは…アディダスとのコラボレートコレクション“adidas + KANYE WEST”。2019年12月に、「Yeezy 500 High Slate」をリリースしています。もう1つがオフホワイト(Off-White)とコラボし、2020年1月のパリ・メンズ・ファッションウィークでエアジョーダン5(Air Jordan 5)を発表した、今話題のJordan Brand(ジョーダンブランド)です。どちらも大胆なフォルムと独自のパーツ構成で、足元を印象的に飾ってくれるマスターピースに仕上がっています。

 ここまで2020年のスニーカーのトレンドを見てきましたが、とにかく2020年もトピックが目白押し。注目モデルも数多くリリースされる見込みです。例年以上にスニーカーを楽しめる1年となりそうなことだけは、確かなようです。

Source / Esquire IT
Translation / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。