「金ぴか時代」をオマージュした、メットガラ2022のメンズ・ベスト・ドレッサー集

近年5月の第一月曜日はファッション界最大の夜として、（また東海岸のアカデミー賞とも呼ばれる）MET（メット）ガラパーティーが行われることが恒例になっています。映画、音楽、スポーツ、政治など各界の著名人たちが、ニューヨークのメトロポリタン美術館の階段を上っていきます。

彼・彼女らが纏（まと）う、ワイルドで素晴らしいドレスやスーツの多くは、コスチューム・インスティテュートがキュレーションする展覧会のテーマに沿ったもの。そして2022年のメットガラのテーマは、「Gilded Glamour（金色に飾られた魅力）」です。これはこのガラパーティーが初めて開催日を延期した、2021年9月のテーマ「In America: A Lexicon of Fashion,（イン・アメリカ：ファッションの辞書）」の続編となります。

2021年の前期は“歴史的な回顧展”であり、2022年の後期は南北戦争の終結から20世紀初頭にかけてアメリカが急速な経済成長を遂げた、「金ぴか時代／ギルディッド・エイジ」を意識しているということ。つまり、白いネクタイやボリュームのあるボールガウン（女性用イブニングドレスの一種）などが誕生した時代です（また、所得格差の激しい時代でもありました。リズ・アーメッドはこの点を強調し、生放送で自分の衣装は「金ぴか時代を支えた労働者へのオマージュ」だと述べています）。

しかし、長年にわたってメットガラが期待されてきたように、主催側が提示するテーマはただのすべり出しに過ぎません。人々はその先のストーリー、つまりこのテーマを各々が再解釈した結果を求めているわけです。

現地時間2022年5月2日（月）、スターたちは華やかさを増し、リスクを冒し、境界線を押し広げるようなスタイルでメットガラのレッドカーペットを歩み始めました。その中から、2022年のベストルックをご紹介します。お楽しみください。