永遠のカッコよさを持った洒落者の愛用品には、彼らと同様、時代を超えて愛されるトラディショナルなカッコよさがあります。今テーマでは、そんな名品とその物語を紹介します。

 今回、ご紹介する洒落者は、高い人気を誇る俳優のスティーブ・マックイーンです。


元祖アンチヒーロー
その不良っぽさに
誰しもが憧れた

 1980年11月7日、50歳という若さでこの世を去ったスティーブ・マックイーン。その端正な顔立ちと彼の持ち味である、ただの優等生で終わらないアンチヒーロー的なキャラクターにより、多くの人の心をつかんできました。

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Getty Images

 マックイーンはプライベートで、オートバイとレースカーの熱烈なファンでした。映画の中でクルマを運転する機会があれば、彼は率先して(保険の都合上、可能な範囲は)自らスタントを行っていたそうです。プロのレースカー・ドライバーを目指したこともあり、レースにも複数回出場しています。

 そんなマックィーンが、人生のすべてを賭けて完成にこぎつけた映画が1971年公開の『栄光のル・マン』です。90台ものパナビジョン・カメラを駆使した撮影により、これまでにない迫力と臨場感を表現。スピードの極限を目指して命を燃やす男たちの執念、そして友情などを描き、男のロマンを描いた感動作となり、時代を超えて高評価を受け続けています。

 そんな彼が、この映画『栄光のル・マン』で着用した時計が、タグ・ホイヤー「モナコ」(1133B)です。映画を製作するにあたって時計はキーアイテムになる考え、数ある候補の中から自ら「モナコ」を選んだと言います。そしてそれを機に、マックィーンはタグ・ホイヤーのアンバサダーも務めています。こうして「モナコ」は革新的なスクエアフェイスへの注目と相まって以降大ブームに。そうして、タグ・ホイヤーのアイコンのモデルとなったのです。 

 そして、彼の愛用品を語る上でもうひとつ外せないアイテムがあります。それが、アウターのバラクータ「G9」です。彼のプライベートな姿を収めた写真集『STEVE McQUEEN』の表紙でも、「G9」を着用していました。

 そもそもはレインウエアとして誕生したアウターではありますが、シンプルさの中に適度なワイルドさが表現され、まさにスティーブ・マックイーンのイメージそのもの。そうした親和性がシナジー効果を手伝って、このアイテムは永遠の定番アイテムとなったのです。

名品アイテム その1:
タグ・ホイヤー「モナコ」

スクエア顔に防水機能は世界初
「モナコ」こそ、クロノグラフの革命児

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TAG HEUER
(写真右)「ホイヤー モナコ キャリバー11 クロノグラフ」66万円、(写真左)「タグ・ホイヤー モナコ グランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリック リミテッド エディション」74万円(タグ・ホイヤー/ LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL 03-5635-7054 公式サイト

 写真右が革命的な「キャリバー11 」搭載モデル。左サイドにセットされたリューズが特徴的です。写真左は、歴史的に名高いグランプリ・ドゥ・モナコ・ヒストリックをオマージュした「キャリバー ホイヤー02」を搭載した最新であり、2020年7月に世界限定1000本で発売されるモデルになります。

名品アイテム その2:
バラクータ「G9」

1937年生まれの「G9」は
世界中のブルゾンのお手本

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BARACUTA
5万600円(バラクータ/バラクータ カスタマーサービス TEL 0120-165-006)

 イギリス・マンチェスターのバラクータ社から1930年代に誕生し、現在のジャンパーの原型となったアウターの「G9」。

 「ドッグイヤー」と呼ばれる襟やラグランスリーブなどが特徴で、数多くのブランドがこれに敬意を示して、アウターづくりのモチーフにしていました。ちなみにマックイーンが愛用したカラーは、「ミスト」と呼ばれる淡い色みのものになります。

※2020年6月4日(現在)、日本における緊急事態宣言は解除となっています。ですが、新型コロナウイルス感染症自体が終息したわけではありません。引き続き、徹底した予防と対策に努めましょう。