厳しい服装規定のある学校に通ったことがある女性ならば、制服のスカートチェックがあったことを思い出すかもしれません。服装規定のチェックは、基本的に腕を両脇にまっすぐおろして、膝頭がスカートからはっきりと見える場合は「短い」と判断され、生活指導の先生に注意される対象でした。

 数年前まで男性のショートパンツの長さは、直立したときに膝頭がかかるくらい長いものがスタンダードでした。しかし、ここ数年の間スタイルは一変し、TikTokでは「#5inchseam 」というハッシュタグのコンテンツが急増し、股下5インチ=およそ12cmムーブメントが起きているのです。それも、学校の外でメンズファッションのアリ/ナシを指摘をする生活指導の先生のような立場にある女性が、このムーブメントに同意しているのでした…。

 事の始まりは、TikTokユーザー@sabrinaxrodからのバイラルビデオ。動画を投稿した女性は恋人のパンツ選びの際、こうアドバイスしています。「彼が股下17~22cmのショーツに引き上げようとしたとき🤢🥴🤢」VS「股下12cmのショートパンツをはいた彼😍🤤」というキャプション付きの動画で、“ショート”パンツを念押ししています。このビデオの視聴回数は30万回を超えており、メンズファッションのアドバイス動画でTikTokにトレンドをつくったのでした。

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 他にも、今季のメンズファッションのトレンド傾向をわかりやすく示す「#5inchseam 」動画があります。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 もちろんショートパンツのトレンドは、TikTokが生み出したものではなく、これよりずっと前からあります。パタゴニアから出ている街着にも最適な「バギーズ・ショーツ」は、1982年に誕生以来夏の人気アイテムです。Huluオリジナルドラマ『Normal People』で主演を務めるポール・メスカルもパパラッチに撮られたときは、股下12cmのショートパンツを着用していました。

ポール・メスカル

 「彼のように鍛えた、たくましい脚を持った男性は、散歩しているだけでも完璧」と、そんな声が聞こえてきそうです。それは確かにそうです。彼のようにたくましい脚を持つ男性は、脚トレを欠かさず行っていることでしょう。ですが誰もが、「脚を鍛え上げ、彼のような脚にならないければ、股下5インチのショートパンツをはいてはいけない」というわけではありません。

 ウェブメディアの「MEL Magazine」でも、この話題は記事になっています。記事の担当者は、「私は個人的に、これまで魅力的ではないと感じた男性の太ももは見ないようにはしていますが…」と話しています。これには、皆さんも理解できることかと思います。

 そうして筆者である私は、街中でショートパンツをはく男性の丈感を意識しながら見てきました。それはまるでヘアカットのように、人それぞれ異なっていることが確認できました。一般的なショートパンツは、5・7・9インチと2インチ間隔でつくられているようです。その中でも、やはり股下5インチ(12cm)が最も最良な選択だと言えます。女性に人気のヘアスタイルがあるように、指示されるパンツのサイズ感があるということです。

 おそらく、トレンドに敏感な方は、去年(2019年)もしくはそれより前からこのスタイルに挑戦し、脚トレに励んでいたのかもしれません。年々上昇する気温に応じて、メンズファッションの生地が減っていくのも時間の問題かもしれませんし…。そんな時代に備えて、早めに全身を鍛えておくというはいかがででしょうか?

Source / ESQUIRE US