2020年7月24日現在、アメリカの一部の州では床屋や美容室の営業規制が部分的に緩和され、営業が再開されているヘアサロンもあります。ですが皆が皆、物理的にも心理的にも、街に出て散髪に行く準備ができているというわけではありません。髪の毛が伸びたままで暮らしている方も、そう少なくないのが現状でしょう。 

 そんな中、さまざまな機械を発明し、その過程を動画で公開しているシェーン・ワイトン氏も髪が伸びたままになっている1人でした…。このコロナ禍にあって、公共の場で髪を切ることに抵抗があった彼は、自動で髪を切ってくれる「自動散髪ロボット」を開発。それをYoutubeにて公開すると、たちまち大きな話題を呼んだのでした…。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
I made a hair cutting machine
I made a hair cutting machine thumnail
Watch onWatch on YouTube

 彼が開発した自動散髪ロボットが使用するのは、ハサミだけ。バリカンは使用しません。ご存知のとおり、ロボットは人間のような繊細な動きは苦手なので、その点をどう克服するかといった地点から開発研究が進められました。

 そのひとつに、髪を切る際の“セクショニング”というステップがあります。これは、前髪・フロント・頭頂部・サイド・バックなど、頭のカタチに合わせてカットする髪の毛を取り分ける作業のことを指します。ワイトン氏は当初、2本の櫛(くし)を使うことで髪のセクショニングをロボットにさせようと考え、セクショニングを覚えさせるための特別なメカニズムまで作成しました。

 しかしながら、「人間にとっては理にかなっていることが、ロボットにとっても理にかなっている」とは限らないものです。髪の具合を見てセクショニングを判断するためには、オーバーヘッドカメラと高度な物体検出アルゴリズムが必要となってしまいます…。

 そこで櫛(くし)の代わりに 彼が採用したのが、バキュームで髪の毛を吸い上げるという発想でした。掃除機のように吸い込む機械で髪の毛を引き出し、伸びたところでハサミを入れる…そうして、この難題をクリアしていったのです。完成までの流れはぜひ動画をご覧ください。

stuff made here
Stuff Made Here//YouTube
開発初期の段階で、ワイトン氏が計画していた2本の櫛(くし)を使用するメカニズム。

 ところで日本国内では、マスク着用はほぼすべての場所で求められているのが現状です(編集部注:道義的には必須です。美容師も細心の注意を払いながら営業を続けていますので)。もちろんヘアサロンにおいても、マスクは新型コロナウイルスの蔓延防止に効果が期待できることを示す調査結果もあります。

 ミズーリ州の2人の美容師が、5月に新型コロナウイルスに陽性反応を示しました。その検査が実施される前日までに、2人の従業員はマスク着用の上で139人の顧客にサービスを提供していたということです。その結果…米国疾病対策センター(CDC)によれば、サービスを受けた2週間後の検査において、「139人の顧客またはその二次接触者の間では、新型コロナウイルス感染症の症状は確認されなかった」とのことなのです。

 さて、肝心のワイトン氏ですが、動画の最後には新たなヘアスタイルで、すっきりとした表情を浮かべています。「で、仕上がりは?」と言うと…前髪はやや短くカットされ、大きな瞳とカタチのいいオデコが強調され、爽やかでなかなか素敵な印象となりました。

 「例えひどい髪型になっていたとしても、とても良い気分です。なぜなら、髪をロボットに切ってもらった人が、地球上に自分以外にどれだけいるのでしょうか? それに、髪をカットするということは、芸術的な行為でもあるのですから」と語っています。

Source / POPULAR MECHANICS
Translate / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。