フェンダーと言えば、言わずと知れた世界有数のギターブランド。Stratocaster®(ストラトキャスター)やTelecaster®(テレキャスター)、Jazz Bass®(ジャズベース)などが特に有名で、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトン、ジョン・フルシアンテをはじめ、世界中のギターの名手が愛用し続ける豊かな歴史に彩られています。

そのフェンダーの世界初となるフラッグシップストア「FENDER FLAGSHIP TOKYO(フェンダー フラッグシップ トウキョウ)」が2023年6月30日(金)、東京・原宿の明治通り沿いにオープンしました。ショップは地上3階・地階1階の4フロア構成で、延べ床面積は1068.4平方メートル。都内有数の繁華街に位置する路面店にあるライフスタイルストアとして異例とも言える広さの中、最新のギターやベース、アーティストのシグネチャーモデルからライフスタイルグッズまで豊富な商品ラインナップを誇ります。

さらに、30種類以上のアンプを実際に試奏できる防音設備を完備した空間や、カスタムオーダー用のストア(予約制)、地階1階にはカリフォルニア・サンタクルーズ発祥のVERVE COFFEE ROASTERS(ヴァーブ・コーヒー・ロースターズ)が監修するカフェも併設。若者の街原宿に新たに誕生した、大人をも満足させるライフスタイルブランドの世界初のフラッグシップストア。オープン前に足を踏み入れてみました。

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その美しさはまるで美術館のよう

建物1棟が丸ごとギターショップ、それも若者の街・原宿に。しかも、創立77年目にしてブランド初となる旗艦店――。やや意外な組み合わせに新鮮な驚きを感じながらプレスプレビューに参加したのですが、この意外とも言える組み合わせが化学反応を起こし、創造的で新たなライフスタイルを提案するハブになりそうだと強く感じました。

メインエントランスのある建物1階は、高く取られた天井と優しい自然光の明かりで解放感にあふれた空間が広がります。店内の至る所には滑らかな曲線や精巧な仕上げといったフェンダーのディテールが取り入れられ、ぜいたくにスペースを取って飾られたギターを前にすると、ついつい立ち止まって1本1本のディテールを眺めてしまいました。

フェンダー フラッグシップ トウキョウ
Fender
地下1階は、初心者でも手に取りやすいアコースティックギターの展示販売と、音楽が好きなさまざまな人に向けたイベントを開催できるイベントスペース(画像はイメージです)。
フェンダー フラッグシップ トウキョウ
Fender
1階は、新製品や注目アイテムが展示販売されるフロア。さらに雑貨類や新アパレルブランド「F IS FOR FENDER」などのライフスタイル商品の販売も予定されています(画像はイメージです)。

ギターは日本製、アメリカ製、東京店限定モデルなど、フロアによって陳列されるタイプがテーマごとに編集され、3階に至っては職人が手掛けた最上級ギターがまるで博物館のように美しく展示されています。各階をつなぐ螺旋(らせん)状の階段の壁面にはフェンダーを愛用してきたレジェンドたちの写真がひしめき、ブランドの豊かな歴史を改めて思い知らされました。地階1階はイベントスペースにもできるつくりで、前述のとおり常設のカフェも併設されています。

設計は「クライン ダイサム アーキテクツ」

今回「FENDER FLAGSHIP TOKYO」のデザインを担当したのは、「クライン ダイサム アーキテクツ(Klein Dytham architecture)」。代官山のDAIKANYAMA T-SITE/蔦屋書店やGINZA PLACE、カルティエ心斎橋ブティックをはじめとする作品を多く発表する日本有数の建築事務所です。フェンダー初の旗艦店のデザインに対して、次のようにコメントを発表しています。

「私たちが目指したのは、これまでに経験したことのないほどインスピレーションにあふれた、新しいギターのランドマークです。初めてギターを手にする初心者から、ベテランのミュージシャンまで誰もが心地よく好きな楽器を手に取り、演奏に没頭できる空間をデザインしました。全てが体験のために設計された、単なる店舗ではない魅力的な環境を追求した空間では、ギターそのものがステージの中心で輝きを放つスターのような存在に感じられるに違いありません」

フェンダー フラッグシップ トウキョウ
Fender
2階はアメリカ製と日本製のエレキギター・ベース製品や、種類豊富なアンプ製品を中心に展示販売(画像はイメージです)。
フェンダー フラッグシップ トウキョウ
Fender
3階はドリームファクトリーとも呼ばれる、フェンダーの最上級ギターを生み出す「Fender Custom Shop®」専用のフロアとなります(画像はイメージです)。

実はいま、ギター人気が再燃しています。米国フェンダーの日本法人「フェンダーミュージック」のエドワード・コール社長によると、2016年以降、同社は日本市場で2桁以上の成長を続けているとのこと。これにはコロナ禍による家時間の増加や、アニメの影響、ギターアーティストの人気などが背景にあるようです。

今回オープンした「FENDER FLAGSHIP TOKYO(フェンダー フラッグシップ トウキョウ)」を訪れて、眠らせていたギターへの情熱に再び火をつける、もしくは新たな趣味としてギターを始めるきっかけとしてみてはいかがでしょうか。