[目次]

▼ 防災セットは必要?

▼ 防災セットの選び方

▼ 防災セットのおすすめ8選

▼ 防災セットはどこに置く?

▼ 防災セットは定期的に点検しよう

▼ まとめ


地震や台風など災害が発生した場合に備え、最低限必要な防災用品がまとまっているものが「防災セット」です。Amazonや楽天市場などECサイトでは、LA・PITAやアイリスオーヤマ、山善の防災セットが評判。とは言え、命にかかわるものだからこそ慎重に選びたいところです。

そこでこのページでは、防災セットの選び方を詳しく解説します。内閣府や環境省の資料を参考にしつつ、防災に必要なものを確認していきましょう。

防災セットは必要?

男性
Robert Recker//Getty Images

大規模な地震や台風など災害が発生した場合、電気・ガス・水道などライフラインが止まってしまうことがあります。「今後かなりの確率で起こる」と言われている首都直下地震において、13年12月19日に内閣書が公表した「中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ最終報告書」では、M7クラスの都心南部直下地震を想定したときの被害試算を「最大で約61万戸が焼失」さらに「最大で約2万3千人が亡くなる」としています。

首都直下地震発生直後は約5割の地域が停電し、1週間以上不安定な状況が続くとも…。また、一般道は瓦礫(がれき)によって通りにくくなり、放置車両などが発生。深刻な交通麻痺が起こるとも。復旧にかなりの時間を要するかもしれません。(出典:特集 首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)|内閣府

実際に東日本大震災では、電気の復旧に約3カ月ガスの復旧に約2カ月水道の復旧に約6カ月かかったとの報告もあります。災害発生直後は、公的機関の支援が受けられるかどうかも不透明ですから、一人一人がしっかりと災害への備えをしておくのがおすすめです。

防災セットの選び方

防災セット
olegkalina//Getty Images
はじめに中身を確認しよう 

◇ 「一次持ち出し品」は絶対!
 その他アイテムはカスタマイズしよう

大規模な地震や台風など災害が発生したときの避難には、「一次避難」と「二次避難」があります。一次避難とは、災害が発生した直後に“安全の確保”を目的に行う避難のこと。一方で二次避難とは、一次避難をしたのち“生活の確保”を目的に行う避難のことです。

防災セットは、一次避難用と二次避難用と分けて用意しておくのがおすすめ。また、特に一次避難用の防災セットにおいては、安全を確保するためのアイテムも必要でしょう。首相官邸ホームページに掲載されている「災害の『備え』チェックリスト」では、「避難の際に持ち出すもの」として次のアイテムが挙げられています。

  • 水/食料品(最低3日分)
  • 防災用ヘルメットや防災ずきん
  • 衣類や下着/レインウエア/紐なしのズック靴
  • 懐中電灯/携帯ラジオ/予備電池や携帯充電器
  • マッチやろうそく
  • 救急用品(絆創膏、包帯、消毒液、常備薬など)
  • 使い捨てカイロ/ブランケット
  • 軍手
  • 洗面用具/歯ブラシや歯磨き粉
  • タオル
  • ペンやノート

防災セットには最低限、これらのアイテムが入っているものがおすすめです。マスクや手指消毒用アルコールなど、感染症対策に役立つアイテムが入っていればなおよし。ちなみに、停電によってクレジットカードが使えなくなるかもしれませんので、通帳や現金を入れておくと安心でしょう。保険証や運転免許証、パスポートなどもお忘れなく。

なお、防災セットは1人1つが原則。先ほどのアイテムが入った防災セットを、同居家族の人数分用意しておくことをおすすめします。ただし、懐中電灯や携帯ラジオなど一家に一台あれば済むアイテムは、同居家族全員の防災セットに入っていなくても構わないでしょう。

また、同居家族に子どもや高齢者がいる家庭は、次のアイテムを入れておくのがおすすめ。足りないアイテムがあれば、それぞれでカスタマイズしましょう。

【子どもがいる家庭の備え】

  • ミルク(キューブタイプ)/使い捨て哺乳瓶/離乳食/携帯用カトラリー
  • 紙オムツ/お尻ふき/携帯用お尻洗浄機
  • ネックライト
  • 抱っこ紐(ひも)
  • 子どもの靴

【高齢者がいる家庭の備え】

  • 大人用紙パンツ/吸水パッド/デリケートゾーンの洗浄剤
  • 杖/補聴器
  • 介護食
  • 入れ歯や洗浄剤
  • 持病の薬/お薬手帳のコピー

◇女性用には生理用品や防犯アイテムを

そして女性の場合、生理がきたときに備えて生理用品を用意しておくと安心です。また、災害が発生した混乱に乗じて、窃盗や性被害など犯罪に巻き込まれる可能性も否定できません。防犯ブザーやホイッスルなど、防犯アイテムも入っていると心強いですね。

【女性の備え】

  • 生理用品/おりものシート/サニタリーショーツ/中身の見えないごみ袋
  • 防犯ブザー/ホイッスル
住んでいる地域の特性を
考慮しよう
東京の街
CHUNYIP WONG//Getty Images

◇海・河川に近い地域|
 避難のしやすさ、防水性を重視

海や河川に近い地域に住んでいる場合は、津波や洪水など水害に遭う恐れがあります。

例えば洪水が発生したときには、「歩いて避難できるのは、水位が膝下くらいまでのとき」という目安があります。足元が悪い中、速やかに移動できるよう防災セットの中身は最小限にし、なるべく軽くしておくべきでしょう。転倒防止のため、防災セットのタイプはやっぱり「リュックタイプ」がおすすめです。

ちなみに避難のとき、水位が膝下くらいまでであっても、用水路などからあふれた水によって勢いのある流れがある場合、足をすくわれ転倒して流されてしまう危険性も大です。なので、避難に使う道が“浸水する前”に、避難を終えておくことが大切だと覚えておきましょう。

◇都市部|
 衛生用品が充実していると心強い

都市部に住んでいる場合は停電や火災、断水、交通機関の乱れなどが起こり、帰宅困難になる恐れが…。また、混雑も予想できます。そのため、なかなか避難所に入れない可能性もあるでしょう。

電気やガス、水道などライフラインが止まってしまった自宅で避難生活を送ること(「在宅避難」と言います)を想定し、水や食料はもちろん、携帯用(非常用)トイレなど衛生用品が充実している防災セットを選ぶのがおすすめです。

さらに、自宅だけでなく職場にも1人用の防災セットを用意しておくとよいかもしれません。

犬や猫など
ペットがいる家庭は
ペット用の避難用品を追加
ペットの避難バッグ
Lightspruch//Getty Images

犬や猫などペットがいる家庭は、ペットの避難アイテムも用意しておきましょう。

環境省がとりまとめた「災害、あなたとペットは大丈夫? 人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」では、犬や猫など「ペットの備蓄品と、持ち出す際の優先順位の例」として、次のアイテムが挙げられています。

【優先順位1:動物の健康や命に係わるもの】

  • 療法食(主に、獣医師の指導のもとで与えられるペットフードのこと)/薬
  • ペットフード(最低5日分<できれば7日分>)/水
  • キャリーバッグやケージ
  • 予備の首輪/リード(伸縮しないもの)
  • ペットシーツ/排泄物の処理用具/トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂など)
  • 食器

【優先順位2:情報】

  • 飼い主の連絡先/飼い主以外の緊急連絡先、預け先などの情報
  • ペットの写真
  • ワクチン接種状況、既往症、かかりつけ動物病院などの情報

【優先順位3:ペット用品】

  • タオル/ブラシ/ウエットタオルや清浄綿
  • ビニール袋
  • ペットの匂いがついた用品
  • 洗濯ネット(猫の屋外診療や保護などに)
  • ガムテープやマジック

ちなみに犬や猫など、ペットとする避難は原則「同行避難」になります。同行避難とは、犬や猫などペットと一緒に避難所まで避難すること。必ずしも、避難所で同一の空間で過ごせるわけではありません。それぞれの避難所のルールに従いましょう。

持ち運びやすい
「リュック」タイプが
ベスト

一口に「防災セット」と言っても、その種類はさまざま。リュックタイプやトートバッグタイプ、キャリーバッグタイプなどがあります。が、防災セットはそもそも地震や台風など災害が発生し、避難しなければならないときに持ち出すもの。両手が空き、走って逃げやすいリュックタイプがおすすめとなります。

プラスαの機能をチェック

防災セットの中には、防水仕様の防災セットも。防水仕様の防災セットなら、防災セットの中身を水から守れるでしょう。特に海や河川に近い地域に住んでおり、津波や洪水など水害に遭う恐れがあるかもしれない人は、防水仕様の防災セットを選ぶのがおすすめです。

また、繰り返しになりますが、地震や台風など災害が発生したときは停電が起こりやすく、あたりが真っ暗…なんてことも考えられます。視界が悪い中、防災セットを背負って避難しなければならないかもしれません。思いがけない衝突事故を防ぐために、リフレクター(反射材)が付いている防災セットもおすすめです。

さらに、リュックタイプの防災セットが非常用給水袋(防災用ウォータータンクとも)になれば便利。ずっしり重たい非常用給水袋を、手に持って運ぶ必要がありません。ただし、リュックタイプの防災セットを非常用給水袋にするには、いったん中身をすべて移し替える必要が…。別途、移し替えるための袋を用意しておきましょう。

防災セットのおすすめ8選

LA・PITA 防災セット ラピタプレミアム1人用

LA・PITA 防災セット ラピタプレミアム1人用

LA・PITA 防災セット ラピタプレミアム1人用

¥19,800
Amazon で見る
楽天市場 で見る

LA・PITAの防災セットでは、多機能ダイナモラジオライトや防滴ダイヤルランタン、長期保存水、アルファ米、レスキュー寝ぶくろ、ハイブリットレスキューシート、目かくしポンチョ、蓄光ホイッスルなど、合計36点の防災用品がそろいます。

リュックの生地には、一般社団法人防災安全協会が推奨する「ターポリン生地」を採用。ターポリン生地は耐久性に優れており、テントなどにも使われているそうです。また、止水ファスナーも使用されているので、防水性が高い防災セットと言えるかもしれません。

ちなみに、リュックの背面にはIDカードを入れられる仕様。もしも、けがをして意識がない…という状態で助けられた場合の、身元確認に役立つはずです。さらにリュック本体だけでなく、ショルダーベルトにも反射材を搭載。「上空ヘリからの発見にも有効」と謳(うた)っています。

  • リュックのサイズ:高さ46 × 幅33 × 奥行き16cm
  • 重さ:約5.3kg

アイリスオーヤマ 防災リュックセット BRS-33

アイリスオーヤマ 防災リュックセット BRS-33

アイリスオーヤマ 防災リュックセット BRS-33

Now 19% Off
¥6,040

アイリスオーヤマの防災リュックセットには、アルミシートやアルミブランケット、エア枕、非常用給水バッグ、携帯用トイレ、ホイッスルなど合計33点の防災用品が入っています。東日本大震災を経験した、防災士による監修付きです。

すっきりした見た目のリュックですが、容量は26L(リットル)もあるそうです。こちらの防災セットには水や食料品が含まれていないので、水や食料品をはじめ、各自で必要なアイテムをカスタマイズして使うのがおすすめです。

  • リュックのサイズ:高さ約43 × 幅約32 × 奥行き約16cm
  • 重さ:1.97kg

山善 防災リュック30点セット

山善 防災リュック30点セット

山善 防災リュック30点セット

¥8,968

一次避難に着目し、重たくて大きいものは避け、なるべく最小限の必要物資を厳選した防災セット。消耗品を中心に、家族が一人一つずつ持っておきたいレインポンチョやアルミシート、アルミブランケット、携帯トイレや歯ブラシなど衛生用品を含む合計30点が入っています。

重さわずか1.97kgと軽量。避難するときにサッと持ち出しやすくておすすめです。取っ手が付いているので、壁にかけることもできます。ちなみにリュックの色は、レッド・ブラックの2色展開。好みにあわせて選んでみてはいかがでしょう。

  • リュックのサイズ:高さ43 × 幅32 × 奥行き16cm
  • 重さ:1.97kg

Defend Future 防災セット

Defend Future 防災セット

Defend Future 防災セット

¥14,300

こちらは、“災害後3日間生き抜くこと”を念頭に置いた防災セットです。「最低限これは必要!」という防災用品を集め、できるだけ軽量になるよう考えられているのがおすすめのポイント。乾電池・手回し充電・USBケーブルから使えるLEDダイナモラジオライトをはじめ、水や食料品、携帯トイレやエアーマットなど合計34点が入っています。

ちなみに、これらの防災用品はリュックに“詰められていない状態”で届きます。これには「全てのアイテムを実際に手に取り、各アイテムの要・不要を考えながら詰めることにより、どこに何が入っているかを覚えておいて欲しい」との思いが込められているそう。おかげで、いざというときに必要なものを取り出しやすくなりそうですね。

  • リュックのサイズ:高さ48 × 幅30.5 × 奥行き17cm
  • 重さ:約925g

Relieved Life 防災セット1人用

Relieved Life 防災セット1人用

Relieved Life 防災セット1人用

¥16,800

着替えなど自ら追加するアイテムを詰めても余力がある、収納力の高さが自慢の防災セット。撥水加工済みなのもおすすめのポイントです。もちろん、付属の防災用品も充実。例えば「多機能ソーラーライト」は、給電後にコードを挿すとiPhoneやandroidを充電できたり、ランタン機能を搭載していたり…とさまざまに使えます。

さらに、簡易的なプライベート空間がつくれる本格シュラフも。シュラフは防寒具やマット、座布団としても活用できます。5年保存水やレスキューライスなど、水や食料品など合計46点が入った1人用の防災セットです。

  • リュックのサイズ:—
  • 重さ:約5.3kg

防災のミカタ 防災セット1人用 46点セット

防災のミカタ 防災セット1人用 46点セット

防災のミカタ 防災セット1人用 46点セット

¥13,900

防災のミカタの防災セットは、被災生活経験者から防災グッズについてヒアリング。さらに実際に300点もの防災グッズを試し、検討を重ねたそうです。「災害が発生したときに必要なアイテムだけを詰め込んだ」と謳っています。

懐中電灯にもなる2Way仕様のランタン、ワイドFM/AM対応のライト付きラジオ、袋に消臭を施した非常用トイレ、災害の心得が記されたハンドブック、静音タイプのアルミシート、3種類のアルファ米、エネルギー補給源のえいようかんなど充実の46点が入っています。

  • リュックのサイズ:—
  • 重さ:—

HIH plus ハザードバッグ

HIH plus ハザードバッグ

HIH plus ハザードバッグ

¥9,800

福島県の被災企業が考案・制作。一次避難に特化した防災セットです。バッグ本体を含め、スマホ対応のダイナモラジオライトやアルミポンチョ、携帯用ミニトイレ、アルミ保温シートなど合計20点の防災用品が入っています。

バッグのサイズは直径20cm・高さ50cm、重さは2.2kgと軽量でコンパクトなため、女性や子ども、高齢者でも背負いやすくておすすめ。「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響はない」とされるIPX6相当の防水仕様なのも美点。給水バッグとしての機能も兼ね備えています。

  • リュックのサイズ:高さ50 × 幅20 × 奥行き20cm
  • 重さ:2.2kg

防災防犯ダイレクト 地震対策30点避難セット

防災防犯ダイレクト 地震対策30点避難セット

防災防犯ダイレクト 地震対策30点避難セット

¥29,800

「防災のプロが本当に使える防災グッズを厳選した」という防災セット。官公庁や大手企業などに導入され、実際に被災地でも活用された実績のある防災セットです。注目ポイントは、5000mAhの大容量バッテリーを搭載した「ソーラー多機能ラジオライト5000」が入っているところ。スマホを充電できるのはもちろんこと、明るさ・角度を調整できる読書灯やワンタッチライト、被災時に居場所を伝えられる大音量サイレンとしても使えます。

IPX3防水なところもおすすめです。その他5年保存水や缶詰ソフトパン、アルミブランケット、水のいらないシャンプーなど合計30点のアイテムが入っています。

  • リュックのサイズ:高さ38.5 × 幅29 × 奥行き13cm
  • 重さ:5.5kg

防災セットはどこに置く?

保管された防災セット
recep-bg//Getty Images

繰り返しになりますが、防災セットは地震や台風など災害が発生し、避難しなければならないときに持ち出すもの。なので、防災セットは“すぐに持ち出せる場所”に保管しておくべきでしょう。

防災セットの保管場所の定石と言えば、玄関やリビング、寝室など。ただし、もし就寝中に災害が発生したときにすぐに使いたい「懐中電灯」などは、枕元に置くなどアレンジするのも1つの方法です。

防災セットは
定期的に点検しよう 

最後に、防災セットを定期的に点検するのをお忘れなく。購入しっぱなしにしていたら、防災セットに含まれている食料品の賞味期限や電池の使用期限が切れていた…なんて事態も考えられるからです。1年に1回、例えば9月1日の「防災の日」などを目安にし、中身を確認しておきましょう。

まとめ

このページでは、防災セットの必要性や防災セットの選び方を解説するとともに、防災セットのおすすめ商品を紹介しました。日本は「地震大国」と言われるほど、しばしば大規模な地震が発生する国。さらに近年では、大雨による被害も…。いつ、何があってもよいように備えておきたいものです。このページを参考に、自分にマッチする防災セットを見つけてみてくださいね。