子どものころに父親から教わったり、見よう見まねで覚えたりして、ヒゲの剃り方は自然と身についていくものです。そう、ヒゲ剃りに関しての話は男性間でちょいちょい話題になることもあるでしょう。ですが、体毛のケアについての話は…オープンに話す機会は少ないものです。どうすればいいか分からない人も、きっと少なくないでしょう。

 man(男性)とlandscaping(美化すること)を合わせた“Manscaping(マンスケーピング)”というワードは、ちょっと聞きなれない単語かもしれません。これは造語なので、正式な定義はありません。なので、ここでつくってしまいましょう。

 「マンスケーピング」とは、顔以外に生えている体毛の手入れのことになります。背中、胸、腕、腹、足、そしてアンダーヘアも含みます。手入れには、毛抜きやワックス、シェービング、シュガーリング、レーザー脱毛など、様々な方法があります。男性も体毛の手入れをするというコンセプト自体は、考えてみる価値があります。そこで専門家にマンスケーピングの方法について聞いてみました。

マンスケープとは具体的にどうすればいいのか?

 マンスケーピングのやり方は、人それぞれです。自宅でカミソリや毛抜きを使ってもいいですし、専門家に任せることもできます(そのほうが安全でしょう)。

 アメリカにある脱毛サロン「Sugared + Bronzed」の創業者コートニー・クラグホーンさんによると、人気が高いのは背中と胸の脱毛だそうです。

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 どの部位の脱毛にも言えることですが、「やらなければいけない」というわけではありません。脱毛したい場合にのみやるべきであり、強制的なものでもないのです。

 クラグホーンさんによると、多くの男性が同じような理由でサロンを訪れるといいます。「Tシャツからはみ出る胸毛が邪魔になった」、「腹筋が毛に隠れて見えない」、「パートナーがその部位に毛がないことを好むから」といった理由です。

 美意識から脱毛する人が多いですが、それだけではありません。例えば運動選手(特にタイムを競ったり、美しさを競うアスリート)は、そのパフォーマンスに対し可能な限りの最高値を求めるため、脱毛に関してもこだわっています。

 「Uni K Wax」の創業者兼CEOのノエミ・グルーペンメージャーさんによると、「水泳やボクシング、ボディビルディング、サイクリングなどのスポーツの選手は、体毛の手入れをする必要がある」のだそうです。

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体毛の手入れに最適な方法は?

 最も一般的な方法は、自宅でのケアになります。自分で手入れを行っても、大抵の場合は問題ありません。より効果的にケアするためには、太く密集した毛を扱えるようなボディ用のトリマーを使いましょう。

 カミソリを使わずに全体的な量を減らしたい場合は、毛抜きで抜くという方法もあります。もちろん、これらの方法は自分で手が届きがら、目視もできる場所に適しているので、背中や肩そして胸の上部の手入れは、誰かの手を借りたほうがいいことになります。

 専門家に脱毛してもらう方法として一般的なのは、ワックス、シュガーリング、レーザー脱毛ですが、それぞれメリットが異なります。

 ワックスは、脱毛初心者の方には最も手軽な方法であり、体のどの部位でもリーズナブルに脱毛できます。毛を根元から引き抜くので、シェービングよりもきれいな仕上がりになるのが特徴です。

 グルーペンメージャーさんによると、「ワックスの脱毛は、4〜6週間ほど持続する」そうです。またワックス脱毛は、「痛い」という印象が一般的ですが、「体毛が増えすぎる前に定期的に通えば、痛みも楽になる」とも言っています。

 料金ですが、例えばUni Kでは腕や手であれば50ドル、全身であれば300ドルで脱毛可能だそうです。(日本でもサロンにより価格帯は異なりますが、背中とうなじは8000~9000円、腕や足は8000円~12000円、VIO(デリケートゾーン)であれば10000円程度が目安となっています)。膝や足の指や手の甲といった細かいところまで、ワックスで取り除けます。

 ワックス脱毛の経験がない人に注意しておきますが、初めはかなり痛さがともなうことが予想されます。ですが、この痛みというものは一瞬ですし、しっかりとしたサロンでは痛みを抑えるために肌を冷やしてくれるので、あまり心配しすぎずリラックスしてお願いしてみましょう。

 シュガーリングもワックスと同様、毛を根元から引き抜きますが、その手法は異なります。ワックスの代わりに使うのはシュガーペーストで、通常砂糖、レモン、そして水を混ぜ合わせたものが使われます。そして肌に馴染ませたあと、ワックスと同じように毛を絡め取って根元から引き抜くという手法です。背中全体であれば1万円~1万5000円ほどで脱毛でき、月に1回のペースで通うといいでしょう。

 ワックス同様、こちらも痛みを伴います。シュガーペーストのほうがワックワックスよりも肌に優しい成分ですが、剥がすときの感覚はワックスと変わりません。

 そして、最も持続性が高いのがレーザー脱毛です。

 一番高価な方法ですが、レーザーが毛包を直接破壊し、同じ場所から毛が生えるのを防ぐため、永久的な脱毛を考えているのであればレーザー脱毛が最も効果的です。

 永久脱毛するためには、全部で8回(※個人差があります)ほど通う必要があり、1回の施術時間や頻度は脱毛範囲の広さや、毛の量や色によって異なります。

 効果的で痛みの少ないレーザー脱毛を受けるには通いやすい場所で、最新技術を取り入れた脱毛サロンを探すことをおすすめします。

 ニューヨークにある「Romeo and Juliet Laser Hair Removal」のオーナー、クリスチャン・カラヴォラスさんによると、レーザーで毛を薄くすることもできるとのこと。

 詳しいことは、専門家に診てもらって話を聞く必要がありますが、体毛を薄くしたいだけであればより少ない回数で、刺激の低いレーザーを使って完了できるというわけです。体毛が濃すぎるのが悩みだという人や、埋没毛になりやすい人におすすめの方法で毛包を完全に破壊することなく、太い毛が一部生えてこないようにすることもできるとのこと。

 しかし、レーザーも痛みを伴うことを覚えておいてください。「痛くない」という宣伝文句を掲げているかもしれませんが、全く痛くないということは全くないでしょう。

 この施術は毛を「抜く」というよりは、「壊す」といったイメージのほうがふさわしい方法となります。なので、ワックスやシュガーリングとはまた違った種類の痛みとなるでしょう。レーザーは毛包を破壊するので、レーザーが当たるたびに焼けるような痛みを感じる人が多いのが現状のようです。毛が焦げるようなにおいがすることもありますが、レーザー脱毛ではよくあることなのでご安心ください。

マンスケープしたほうがいい頻度は?

 剃る場合は、ヒゲを剃るのと同じ頻度がいいでしょう。

 ワックスやシュガーリングは、4〜6週間に1回受けましょう。レーザーは2カ月に1度ほどですが、薄くしたいだけであれば回数は少なく、永久脱毛であれば回数は増やす必要があります。

ワックスやシュガーリングの前後のケアは?

 クラグホーンさんによると、コーヒーやタバコなどの刺激物は施術の数時間前から控えたほうがいいそうです。

 痛みに弱い方は、麻酔クリームなどを希望すると良いでしょう。また、数週間前からボディスクラブなどで角質を取っておくと、毛が取れやすくなります。ですが、肌に刺激を与えないために施術前の数日間は避けるようにしましょう。

 施術後に生えてきた毛は、放置してください。ワックスやシュガーリングの合間にカミソリや毛抜きを使ってしまうと、次回の施術で脱毛にムラが出てしまう可能性があるそうです。

 毛が生えてきたらそのままにし、ボディスクラブや保湿クリームなどでケアしてあげれば、埋没毛や肌荒れといったトラブルを防ぐことができます。辛抱強く、定期的に通うこと…それが「マンスケーピング」のコツになります。

From Esquire US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。

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