多くの人にとってヒゲ剃り・シェービングとは、できれば避けたいと思う面倒な「朝の儀式」ではないでしょうか? 毎朝ヒゲを剃るのは非常に手間が掛かります。そのうえ、カミソリ負けをしたり、場合によっては肌から出血する恐れだってあります(過去数年間にわたって、あごヒゲを伸ばす人が増えているという事実が、そのことを雄弁の物語っているのではないでしょうか…)
しかし、例えそうであったとしても、男性にとってシェービングが重要なスキルであることには変わりありません。そして、正しいシェービング方法を知っておくことは、紳士にとって必要不可欠でもあります。
顔にただシェービングフォームを塗り伸ばして、ヒゲ剃りの刃を滑らせるだけでは肌への刺激を十分抑えることは不可能で、カミソリ負けの恐れは大いにあるわけです。そう。そこで、正しいヒゲ剃りの方法をここで再確認しておきましょう。
ヒゲを剃る前にまずすべきこと。それは、熱いシャワーを浴びることです。その時間がない場合は、熱したタオルで顔を包んでから行ってください。
そうすることで蒸気による熱と水分で毛穴を開き、さらにヒゲを柔らかくすることによって、その後のシェービングが楽になります。温める目安としては、3分以上が理想的です。
また、プレシェーブローションを顔に塗ることで、ヒゲはさらに柔らかくなります。潤いを与えながら肌の状態を整え、さらなる深剃りもかなえてくれるでしょう。
シェービングクリームの最大の目的は、顔に潤いを与えることです。最善の方法としては、懐かしのブリキ缶に入ったシェービングクリームと、昔ながらのシェービング用ブラシの使用をおすすめします。
それによって肌を潤し、顔のをリフトアップしてくれるだけでなく、スプレー缶に含まれる「肌トラブルを引き起こす恐れのある化学物質」をシャットアウトできます。
西洋カミソリか安全カミソリかに関わらず、まずはカミソリの刃が鋭利であることを確認しましょう。刃こぼれした刃などは論外です。一見、当たり前のことのように思えるかもしれません。ですが、刃を替えることなく数ヵ月間も使い続ける人もいるようです。
そんなカミソリの刃は、“シャープ”という表現とは程遠いはずです。言うならば、それは、“シャーク”…、サメの歯で剃ったようかのようになるかもしれませんので(これはちょっとオーバーに言っています)。
ヒゲを正しく剃るには、「スッ、スッ、スッ」と短く軽いストロークを心がけましょう。耳から首の付け根まで一気に長いストロークで剃るようなことは避けましょう。せいぜい1インチまたは2インチのストロークです。各ストロークの間には、刃を水で洗い流すことでヒゲの詰まりを防ぎましょう。
ヒゲを剃る方向ですが、ヒゲの生えている方向に剃る「順剃り」が基本です。それによって、肌への負担が少なくてすみます。
熟練の理容師の中には、ヒゲが生えている方向に逆らって剃る「逆剃り」をする人がいるかもしれません。ですが、自分で逆剃りをするとなると、カミソリ負けなど顔を切ってしまう恐れもあります。
どうしても剃り残しが出てしまった場合など、必要なときに限って逆剃りを行うことをおすすめします。
また、首の部分は最後に剃ることをおすすめします。ここは顔の他の部分と比べても、非常にセンシティブな箇所です。なので、最後に剃ることでシェービングクリームが十分に浸透する時間を与えることで、ヒゲを最大限に柔らかくなってから剃るというのがその裏にあります。
あごや唇などの剃りにくい部分は、口の中に空気を溜めて頬を膨らませることで、剃る表面積を広げながらシェービングをすると良いでしょう。
ひと通りのシェービングを終えた後、余分なシェービングクリームを取り除きます。
そこで、冷水の出番となります。冷たい水で冷静に顔をすすいで毛穴をふさぐと、埋没毛(ヒゲを剃った後に、皮膚内で発毛・成長した体毛)が生えてくることを防ぐことが期待できるのです。それによって、よりなめらかで健康的な顔へと導いてくれることでしょう。
そして一度流したら、タオルで軽く顔を叩くようにバッティングして乾かしてください。ここでは拭かないことがポイントとなります。
剃り傷がついてしまった場合は、軟膏やフェイスクリームで血液を凝固させ、感染症を防ぎましょう。次にアルコールを配合していないアフターシェーブローションをつけ、肌をリフレッシュさせて潤いを与えるようにしてください。
以上、6ステップとなります。
ヒゲを剃る、もしくはヒゲを伸ばすに関わらず、この方法をマスターしておけば、ひとまずジェントルマンへの道を剃り開くことができたと考えてよいはずです…。ご紹介したアイテムを手に、このまま紳士への階段を駆け上がってください。
Source / Esquire US
Translation / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。