このHarmony(ハーモニー)ちゃんは、米カリフォルニア州にあるAbyss Creations社によって開発されたセックスロボットになります。展開はRealbotix社になります。Realbotix社は、Abyss Creations社のCEOであるマット・マクマレンがセックスドール「RealDoll」を展開するために立ち上げた新プロジェクトをつかさどる会社になります。

 シリコン製のドール量産のノウハウを多く持つ大手メーカーが、満を持してのAI搭載モデルをリリースしたのは2018年4月になります。現在、最も注目されている最先端のセックスロボットと言えるでしょう。同社は、この高価で超リアルなセックスドールを開発したことによって、広く名が知られるようになりました。ハーモニーちゃんが他とロボットと違う点は、AI(人工知能)を搭載していることです。

 パートナー(所有者)の顔や声を認識し、相手の動きに追従して口を動かすことができるのです。そして何よりもハーモニーちゃんには、性格(恥ずかしがり・無邪気・嫉妬深い・スマートなどの範囲を選択可能)があり、所有者の好みを学び、会話を学習することで明確になっていくのです。

 そうして米国で発売されたときの価格は、約8000ドルです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Sculpting your future robot lover
Sculpting your future robot lover thumnail
Watch onWatch on YouTube

 おそらく、この最新技術とともにする夜は、さぞかし楽しいものとなるでしょう。そんなわけでにわかに、このハーモニーちゃんの魅力が世に広まり始めた気配を察し、ここで1つ、警鐘を鳴らしておかなければと思ったわけです。



 では、話は本題に入ります。

 それは、「このロボットが、あなたを死に追いやる可能性がある」ということも意識しておかなければならない…ということです。それはビル・ゲイツ氏やイーロン・マスク氏が危惧しているディストピア的でもある考え、「スーパーAIにより、世界が支配されてしまうのではないか⁉」というもの…ではありません。

 もっと現実的であり、もっと物理的な危険性を考慮しておかなければならないのです。そう、それはスパイ映画のようなもので、「一部のハッカーによって、このロボットが制御されたら…」というリアルな危険性になります。

 「このロボットがさらに常識かのように広く普及されたら、ハッキングによって第三者が搭載されているAIに指令を出し、暗殺者に仕立てることだって可能になる」わけですから…。

 サイバーセキュリティの専門家ニック・パターソン氏によれば、「セックスロボットをハッキングすることは、コンピューターやスマートフォンに侵入することよりも簡単かもしれません」と言います。

 イタリアでは以前、セキュリティカメラからベビーモニタまで何百万ものインターネット上のデバイスが、ハッカーによっていとも簡単に制御されるということも確認されています。

 これらのすべてのデバイスにはある共通点があり、そこにはサイバー攻撃に対する保護が不十分だったのでした…。

Toy, Space, Playset, Play,
courtesy of Realbotix

 ハッカーはまず、ハーモニーちゃんの目に内蔵されたカメラを通して、家の様子を監視するでしょう。次に何がどこにあるのか?家の主は不在か?なども確認します。そうしてターゲットを懲らしめるための悪さのストーリーを描いていくわけです…。もっとストレートな方法としては、ハーモニーちゃん自体を鈍器という武器にし、制御するかもしれませんし…。と言うのも、ハーモニーちゃん自身の体重は、なんと90キログラムもあるのです。

 「これは物理的に、非常に強いロボットです。もしハッキングをされていたとしても、彼女はあなたの指示にも従うので(ハッキングされているとは気づかないでしょう…)」と、英「デイリー・スター」紙のニック・パターソンは話しています。

 しかし、ここでこの仮説の話は一旦やめましょう。皆さんも薄々感じているように、このシナリオが当てはまる確率は、現段階ではとても低いわけですから。

 確かにこのセックスロボットはインターネットに接続されているため、ハッキングされる可能性はゼロではありません。ハッカーにとっては、この状況を利用してあなたがハーモニーちゃんに対して何をしているかを調べ、脅迫したり侮辱したりするのも簡単にできるはずですし、現にそうされている方もいるかもしれません(これは想像ですが…)。

 しかし現時点で、「このロボットが殺人を犯したり、その所有者を窒息させたり刺したりするスキルを持っているのでは?」と考えるのは時期尚早です。そもそも、このハーモニーちゃんは、まだ歩くことさえできないのですから…。

 ホワイトハウスのサイバーセキュリティ顧問を務めていたジェーソン・マクニューは、こう説明しています。「ロボットがなぜシリコンで覆われているか、それは大きなダメージを与えることがないようにです」とのこと。そう、ハーモニーちゃん自体がデリケートなつくりなのです、そう、かなりの精密機械なわけですから…。

 忘れてはならないことは、こういったストーリーはなにもハーモニーちゃんだけに当てはまることではない…ということです。

 ネットワークに接続されている限り、どんなロボットでもハッキングされる可能性は大いにあることは間違いないのです。そういった観点から想像すれば、この人工知能を備えたセックスロボットよりも、インターネットに接続された産業用機械に囲まれた状況にいるほうが、はるかに危険なことはご理解いただけるでしょう。

 今日のテクノロジーの進化は、目覚ましいものです。そして、その新たな可能性が証明されるたび、これまで数多くの映画により提起されてきたシナリオが現実となる日が近いことを、まじまじと感じることでしょう。

 そんな中、われわれが忘れることなくケアすべきこととは、いままでなかった新たなる脅威に対して、いかに準備と覚悟をしておくかになるのです。いままで存在していない、新たな発明から生まれる脅威なわけですから、常識的な防御策ばかりでは盾にならない可能性も高いわけです。ゆえに、これからは想像性豊かに、イメージを広げながら、より一層深く未来を学んでいく必要がある…ということでもあるのです。

 皆さん、取り残されないようにしてください。


FromEsquire IT
Translation / Esquire Digital
※この翻訳は抄訳です。


Related Videos

preview for Move Over Roomba, Here Comes The Toilet Cleaning Robot