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VRゴーグル(VRヘッドセットやVRマウントディスプレイとも呼ばれます)は、360度に広がるバーチャルリアリティ(VR)の世界に入り込むためのチケットとなるアイテムです。
VRゴーグルがあれば、NetflixやDMMなどのVR動画に加え、本格的なVRゲームをしたり、目の前に広がる巨大スクリーンで映画を観ることもできます。また、メタ(Meta)が推し進めていることで注目を集めているメタバースにも、VRゴーグルは大いに活躍してくれるでしょう。
このページでは、さまざまなVRコンテンツを楽しむためにどのような種類のVRゴーグルが必要か? また、購入する製品を選ぶためにはどのようなポイントがあるのか? などを解説します。さらに、おすすめのVRゴーグルも紹介します。
VRゴーグルの種類とその特徴
これまでVRを経験したことがなく、まずは「VR動画を見てみたい」と考えている人なら、スマホをセットして楽しむスマホ取付型のVRゴーグルがおすすめです。
スマホにVR対応アプリを入れて動画を再生し、VRゴーグルを通して見るとVRが楽しめるシンプルな仕組みです。そのため、画質のよいスマホを使ったほうがきれいな映像が楽しめます。
価格は安く、数千円でVRを体験できます。VRゴーグルにスマホをセットしてしまうと操作ができなくなるため、Bluetoothコントローラーがセットになっている製品もあります。
スタンドアロンとは、「独立して動作する」といった意味です。その名のとおり、スタンドアロン型のVRゴーグルはバッテリーやディスプレイを内蔵しているので、それ単体で使うことができます。
スマホ取付型と比べると価格はグンと高くなって数万円になりますが、スマホ用より映像への没入感は数段高いとされており、VRユーザーから支持されています。
動画だけでなく、ゲームなどを楽しめるようにコントローラーが用意されている製品もあります。さらに単体で使えることはもちろん、PCと接続して使える製品も増えています。
パソコンやゲーム機に接続して利用するVRゴーグルなら、最新VRの世界を堪能できます。高画質なVR映像や本格的なVRゲームを楽しみたい人には、このタイプがおすすめとなります。
パソコン接続型の場合、パソコン本体に一定の「グラフィック性能」が求められます。VRゴーグルを接続して使用する予定のパソコンがVRに求められる性能をクリアしているかどうかは、パソコン側がNVIDIAの「VR Ready」や、Metaの「OCULUS READY」、HTCの「VIVE Ready」などに対応しているかどうかをチェックするとわかりやすいでしょう。
ゲーム機接続型は現状、PlayStation VRのことを指します。PS4もしくはPS5にPlayStation VRを接続することで、対応したゲームを楽しめます。パソコン接続型より使い始めるまでがシンプルでわかりやすいのも魅力です。
VRゴーグルの選び方
VRゴーグルには大きく分けて3種類ありますが、どのタイプを選ぶかは「何を楽しみたいか」で決めるとよいでしょう。
まずはVRを体験したいなら、スマホ取付型がよいでしょう。スマホ取付型からステップアップを目指すなら、映像メインで簡単なゲームをしたい人はスタンドアロン型を、ゲームを重視するならゲーム機接続型を選ぶのが現実的かもしれません。
さらなる高画質を追求する場合やPCにのみ対応しているゲームを選ぶ場合は、PC接続型を選ぶことになります。最近はスタンドアロン型でPC接続に対応しているタイプもあります。
VRの映画を観たり、長時間ゲームを行うなど、VRゴーグルを付けている時間が長くなれば長くなるほど、軽さが大切になってきます。
また、スマホ取付型の場合は使用するスマホの重量によって変わってきますが、200gを超える重いスマホを使うとスタンドアロン型より重くなることがあります。
以下は重さの一例です。参考にしてください。
- エレコム VRG-X02BK+iPhone 13 Pro:525g(322g+203g)
- Meta Quest 2:504g
- PlayStation VR:600g
スマホ取付型以外のVRゴーグルは、ゴーグルを装着している人の動きに映像を合わせるためにセンサーを内蔵しています。これをトラッキング性能と呼びますが、自由度を意味する「DoF(Degree of Freedom)」でその性能が確認できます。
首の前後、左右、回転の動きを検知できるものが「3DoF」。3DoFの動きに加えて、身体の前後、左右、上下の動きが検知できるものを「6DoF」と言います。
3DoFでは首の動きのみですが、6DoFではしゃがんだり、ものを掴んだり、前後左右に移動したりといった動きも可能になります。そのため、動画を観るなら3DoFでも構いませんが、ゲームを楽しむなら「6DoF」のものをおすすめします。
おすすめのVRゴーグル・VRヘッドセット6選
エレコム VRG-X02BK
国内メーカーの保証付きスマホ取付型ゴーグル
数少ない製品保証の付いた国内メーカーのスマホ取付型VRゴーグルです。基本を抑えたつくりで、Bluetoothリモコンとのセットでも3000円程度で購入が可能です。コスパがよくおすすめのVRゴーグルです。
低価格帯の製品ながらヘッドフォンが内蔵されており、ミニプラグでスマホとつなぐことで音声も楽しめます。また、幅約142mmまでであればメガネをかけたままでも利用可能で、視界距離ダイヤルで操作すればピントの調整も可能です。
- タイプ:スマホ取り付け型
- 重さ:322g
- その他:コントローラー付き。メガネの上から装着可
Meta(メタ) Quest2 128GB
主要コンテンツに対応した超人気製品
もともとOculus(オキュラス)の製品だった「Quest2」。現在は、メタバースの普及を目指すMeta(旧Facebook)の製品として販売されています。メタバースへの入口となる重要な製品と呼べるでしょう。
スタンドアロン型としては現在最も普及している製品の一つで、6DoFに対応していることからゲームも含めた本格的なVR体験が可能です。NetflixやDMM(FANZA)、YouTubeなどの主要なコンテンツに対応しているため、日本人のユーザーからも人気です。
コントローラーが付属しているためVRゲームを楽しめますが、より本格的なゲームを楽しみたいとなれば、パソコンとの接続も可能です。高い人気も納得のオールマイティな製品です。
- タイプ:スタンドアロン型(PC接続も可)
- 重さ:504g
- トラッキング性能:6DoF
- 解像度:1832×1920px(片目)
- リフレッシュレート:最大90Hz
- その他:コントローラー付き。メガネの上から装着可
ピコ(Pico) Neo3 Link 256GB
コストパフォーマンスに優れた注目の製品
ピコ(Pico)のNeo3 Linkは、一つ前に紹介したMetaのQuest 2のライバルと言える製品です。性能は似通っていますが、最高120Hzのリフレッシュレートに対応し、動画がより滑らかに再生され、残像が出にくい特徴があります。
Meta Quest 2より価格が抑えられているにも関わらず記憶領域が大きく、より多くのコンテンツを保存できます。一方で公式アプリがまだ少なく、利用できるコンテンツが限られている点には注意が必要です。
PCに接続して使うことを考えた場合は、Meta Quest 2と違いディスプレイポート接続ができるため画質の点で勝ります。今後のアプリの充実に期待しつつ、主にPCに接続して使う人にとっては非常に魅力的な製品と言えるでしょう。
- タイプ:スタンドアロン型(PC接続も可)
- 重さ:642g
- トラッキング性能:6DoF
- 解像度:3664×1920px
- リフレッシュレート:最大120Hz
- その他:コントローラー付き。メガネの上から装着可
SONY PlayStation VR
PS4・PS5ユーザーが今すぐ使えるVR
PlayStation 4と5専用のVRゴーグルです。発売は2016年と古く、解像度に関しては最新のスタンドアロン型やPC接続型にかなわないものの、手軽さや価格の安さは魅力です。
画像のリアリティの面では最新の他製品に及びませんが、6DoFに対応した高精度センサーや残像の少ない高リフレッシュレート(120Hz)など、ゲーム用途での性能は十分と言えるでしょう。VRゲームのためにゴーグルを購入するのであれば、最適解の一つとなります。
PlayStation VR2の発売も決まっており(2023年を予定)、そちらはさらなる高性能が期待できます。ですが、こちらのモデルも価格が下がった今が買いどきかもしれません。VRゲーム入門用としてもおすすめです。
- タイプ:ゲーム機接続型(PS4・PS5専用)
- 重さ:600g
- トラッキング性能:6DoF
- 解像度:1920x1080px
- リフレッシュレート:最大120Hz
DPVR E3-4K GamingCombo
4K対応のPC接続型ゴーグル
4Kに対応したPC接続型VRゴーグルです。高画質でありながら、5万円を切る価格で購入のハードルが低いことが魅力です。
使用する際は正面に同封のベースステーションを置き、ヘッドセットに専用パーツを取り付けることで6DoFのトラッキングに対応します。付属のコントローラーで基本操作ができますが、口コミなどによると人気のMetaの製品に比べると操作はやや上級者向きのようです。
メジャーなVRプラットフォーム「SteamVR」や「VIVEPORT」に対応し、さまざまなVRゲームを楽しめます。PCに明るい人なら、比較的リーズナブルに高画質のVRが楽しめる製品です。
- タイプ:PC接続型
- 重さ:300g(ヘッドストラップを除く)
- トラッキング性能:6DoF
- 解像度:3840×2160px
- リフレッシュレート:最大75Hz
- コントローラー付き。メガネの上から装着可
HTC VIVE PRO 2 HMD
圧倒的なリアリティでVR空間に没入できる
超高画質による圧倒的な没入感と、リアリティを追求した製品です。値段も張りますがその分スペックも高く、2022年現在の最新VRを思う存分楽しめる内容になっています。
画質は4Kを超える5K(4896 × 2448px)です。フレネルレンズと球面レンズを使った新設計の光学系により、VRゴーグルでトップクラスとなる120度もの視野角を実現しています。
重さは公式には非公表ですが、ストラップ込みで800g程度とかなりの重量級。その分、ズレずに到着できる高精度なストラップが付属しています。PCもいわゆるゲーミングPCのスペックが求められますが、VRゲームをとことん楽しみたい人にはおすすめの製品と言えるでしょう。
- タイプ:PC接続型
- 重さ:非公表
- トラッキング性能:6DoF
- 解像度:4896x2448px
- リフレッシュレート:最大120Hz
まとめ
VRゴーグルがあれば、VR動画やゲームの世界を思う存分に楽しめます。スマホ取付型はあくまで簡易式ですが、意外なほどの没入感に驚く人も多いかもしれません。YouTubeやDMMなど、スマホで手軽に楽しめるコンテンツも少なくありません。
しっかりVRを楽しみたい人は、早い段階でスタンドアロン型に移行するのがおすすめです。値上げが行われたMeta Quest 2ですが、その評判は良好でユーザー満足度の高い製品です。
VRゴーグルはまだ黎明期のため、Amazonなどの通販サイトにはさまざまな商品が販売されています。しかし、評判のよいものは意外なほど少なく、購入には十分な検討が必要となります。