ベンツEクラスを見て、「もっとあちこち光れば、もっと素敵なのに(現状、やや地味だな…)」と、そんな風に思ったことのある方へ…。メルセデス・ベンツからの回答がこちらになるのではないでしょうか。

 最新のコンセプトとして、ドイツで開催された「フランクフルト モーターショー2019」で発表された「Vision EQS(ビジョンイーキューエス)」には、実際数えられないほどのLEDが散りばめられていました。

 「持続可能なラグジュアリーの、新たな可能性を示す一台」として、メルセデスが開発に力を入れているのがこの電気自動車「EQS」になります。この「EQS」とは、EQ+Sの意であり…つまり電気自動車でありながら、Sクラス相当のポジションということになります。

◇ 188個のLEDで構成されたデジタルフロントグリル

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 フロントグリル部分だけでも188個のLEDが使用されており、点灯時には立体的に浮き上がるような効果を演出します。

 またヘッドライトには、ホログラフィック レンズモジュールが組み込まれておりますが、これはメルセデスが「デジタル ライト」と呼ぶテクノロジーです。フロントグリルとヘッドライトの生み出す流れるような光の効果が、外観の隅々へと視線を誘うデザインです。

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 後部からも見てみましょう。

 いわゆるテールランプはついておらず、その代りにベンツのロゴマークでもある「スリーポインテッド スター」が229個あしらわれており、それぞれLEDライトにより発光します。さらに、その赤くきらめく星々のうえには、一筋の細くシャープな光のラインがあしらわれており、清潔感のある流線形のデザインを際立たせています。

 ちなみに、ご存知の方も多いかと思いますが、この星の輝きのようなメルセデス・ベンツのエンブレムは「スリーポインテッド スター」とよばれ、「陸・海・空」を意味しています。


◇「Vision EQS」の内装デザインは環境にも配慮

 さて…、もちろん光の演出は外装だけに留まりません。

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 ヨットの船内にインスパイアされたという内装デザインにおいても、輝くラインは外装に対応するように続いており、ダッシュボードの上下にもまたそのラインで縁どられています。

 メルセデスによれば、使用されているマイクロファイバーはリサイクルしたペットボトルを材料としており、ヘッドライナー部分に使われているのは海洋プラスチックごみを再利用した素材からになります。

 床下には大容量バッテリーが搭載されており、約700キロの走行を可能にしているとのこと。

 生み出されたパワーは、前後の車軸にそれぞれマウントされた2発の電気モーターへとおくられ、469馬力の動力を生み出します。最大トルクは560lb-ft(760Nm)で、時速100キロまでの加速はわずか4.5秒に。

 さらにメルセデスは、20分未満で80%のバッテリー充電が可能だとも謳っています。

 この「Vision EQS」は、すぐに商品化されるというわけではなさそうです…。しかし、メルセデス・ベンツがどのようなテクノロジーとデザイン言語を用いて未来を見据えているのかを知るための、分かり易いヒントがここに示されていると言えるでしょう。

 将来このようなクルマが、メルセデスから発売されるのかと想像すれば、実にわくわくしてきませんか? それではこの、LED満載「Vision EQS」の全容を写真集&動画にてご覧ください。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

From Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。