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ジープのアイコン的存在であり、本格クロスカントリー4WDの元祖であるラングラーが、11年ぶりに全面改良されました。伝統のスタイリングや独自の世界観を継承していますが、持ち味である悪路走破性はもちろん、快適性や安全性、燃費性能といった現代のSUVに求められる能力を向上させるなど、中身は劇的な進化を遂げています。ボディサイズは全長4870 × 全幅1895 × 全高1845mm(4ドア仕様)とサイズアップ。パワートレインは3.6LV6エンジンに加え、アンリミテッドスポーツには新開発の2L直4ターボエンジンが搭載されます。588万6000円〜(写真は米国仕様)(FCAジャパン/ジープフリーコール TEL 0120-712-812)

 「男らしくありたい!」、「豪快さや頼もしさが欲しい!」などの思いを抱かれている方へ。服のテイストをヘビーデューティーな雰囲気へとガラッと変えるのもいいですが、ライフスタイル自体を変えてはいかがですか? それには、同時にオーナーの性格にも影響を及ぼすであろうクルマ、それをジープ「ラングラー」に替えてみるといいでしょう。

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ラングラーと言えば、2ドアスタイルも通な選択です。受注生産モデルであるラングラー スポーツの全長4320mm、ホイールベースが2460mmというサイズは、あらゆる場面で扱いやすく、軽快な運転感覚を味わわせてくれます。435万円〜

 このラングラー、見ての通り通常のクルマとはカタチからデザインテイストまで、すべてが大きく違います。加えて手間は掛かりますが、屋根が取り外せるうえにドアも外せて、しかもフロントガラスを倒すこともできるという、軍用に開発された誕生経緯を今でも大事に引き継いでいます。

 もちろん、日常での快適性や実用性、使い勝手などを時代に合わせながら進化させているため、それら個性的な造りがストレスに感じることなどありません。むしろ、いざとなれば屋根を取り外せることが、多様性や万能性、頼もしさをオーナーに感じさせてくれるのです。

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上/ウィリスMBをベースに、パーソナルユースを想定して進化したのが1955年に登場した「CJ‑5」です。下/30年にわたって生産された「CJ‑5」の正統な後継車としてラングラーが登場。上質かつモダンな内外装デザインが採用され、その後のラングラーの礎となりました。
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外せる屋根、フリーダムトップは、軽量化や取付けメカニズムが見直され、取り外しが容易に行えるよう改良されました。トップを外せば、グランピングをはじめとしたアウトドアシーンにおけるオープンエアの開放感を、思う存分堪能することができるでしょう。

 言うなれば、進化を重ねながらも一目で「ラングラー」だとわかるこの独創的なスタイル…これは過酷な環境での使用を見定めた、機能美の結晶と言えます。それは運転していても感じられることでしょう。フロントガラスの角度が立っていて、外の景色が湾曲なくクリアに見える。さらに、ボディの四隅がつかみやすいなど…実はボディサイズのわりに狭い道がとても運転しやすいのはそんな理由からです。服で言えば、ルーツは軍用でありながら、日常性を持たせて進化させてきたカーゴパンツやPコートと言えるでしょう。一見、武骨でありながら、着こなし次第で個性とオシャレを強く押し出せるのです。

 すべては“着こなし次第”。これがオーナーを少しずつ変える原動力となるのです。

 例えばスポーツクーペに乗っていた方が、この「ラングラー」に乗り換えたら、最初は着ている服はもちろんのこと、靴から帽子まで含めて、持っているワードローブに合わせづらいと感じることでしょう。そこで、トラッドな服のテイストに少しずつアウトドアテイストを盛り込んでいけば、自然とラングラー調の頼もしく、力強さが漂うものになるはずです。その積み重ねが、気がつけばその人の言動から性格まで影響を及ぼし、男らしくしてくれるわけです。

 しかもラングラーには、一番上の写真のように道が続くカリフォルニアのオフロード最強のテストルート、「ルビコントレイル」で鍛え上げたオフロードにおけるスーパーカーと言える「ルビコン」グレードがあります。

 そのタフさはマニアックになるので、詳細を触れることは避けるとしましょう。ですが、歩くのが困難な道、恐怖を抱くような荒れた荒野をグイグイと走れるのです。そんな性能は、日本の日常において使うことは「皆無」といっても過言ではありません。ですが、“いざとなれば走れる!”…この余裕がオーナーの心にゆとりを与えて、頼もしさやオトコとしての器を大きくさせると言えるのです。

 世界最強レベルのラフロード性能を持つ「ラングラー」。知らない世界を体験できるクルマでもあり、子どものころに置いてきてしまった冒険心やロマンを思い出すことができるかもしれません。

進化を重ねる高い四駆性能

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上/ 頑強なフレームシャーシとクロカン4WDでは、伝統的な手法であるリジッドアクスルによって、写真の岩場のような激しい凹凸をものともしません。左下/タッチパネル式8.4インチスクリーンでは、車両の傾きやドライブトレインの作動状態なども表示できます。右下/トランスミッションにはエンジンの特性を効率的に引き出し、パワフルな加速性能と燃費性能を両立する8速ATを採用。手動で駆動方式を変えられる、トランスファーレバーが備わります。

 従来のパートタイム4×4だけでなく、路面や天候状況に応じて駆動力を自動的に前後配分し、あらゆる路面において安全かつ快適な走りを実現するセレクトラックフルタイム4×4システムを採用。

 クロカン4WDの卓越した悪路走破性は、日常生活での必要性を問われることもありますが、“どこにでも行ける”という行動力と期待感をもたらしてくれるのです。

公式サイト

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Yoshimi Hatori

【PROFILE】五味康隆(自動車ジャーナリスト)
自転車トライアル世界選手権、4輪レースの全日本F3でも活躍した、ジャーナリスト。優れた運転技術と理論に基づく分かりやすい解説に定評あり。先進技術にも詳しい。YouTube「E‑CarLife」チャンネルにてクルマ情報を発信中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。