1996年以来、フォーミュラ1(以下、F1)の公式セーフティカーはメルセデスAMGが提供してきましたが、2021年にはアストンマーティンが加わります。

 アストンマーティンは2021年3月8日(英国時間)に、既に活躍しているメルセデスAMGの「GT-R」に加え、2021年のシリーズで同メーカーの「ヴァンテージ」がF1の公式セーフティカーとなることを発表しました。

 F1のセーフティカーは、ペースカーとしてある程度のスピード性能が求められます。そのため、今回の「ヴァンテージ」は最高出力が24馬力ほど引き上げられ、528馬力の特別仕様車となります。0~96km/h加速は、なんとわずか3.5秒となります。他にも、剛性やフロントのダウンフォースが高められており、大型のルーフマウント式ライトバーを搭載しながらも、市販モデルよりスピーディーな一台となりました。

アストンマーティン,ヴァンテージ, f1,セーフティカー, メディカルカー, dbx, クルマ
Aston Martin

 一方で、アストンマーティンはF1の公式メディカルカーも供給し、同社のクロスオーバー「DBX」がこの役割を果たします。F1のメディカルカーについては、メルセデスAMGのさまざまなワゴンが長年起用されてきましたが、「DBX」の収納スペースと542馬力という圧倒的パワーは、この役割にぴったりという判断からと予測します。

 両モデルは、アストンマーティンの最新レーシングカー「AMR21」にも使用されている新たなグリーンで塗装されています。伝統的なブリティッシュ・レーシング・グリーンに青みを加えたこのカラーは、1950年代後半のアストンマーティン黄金時代のレーサーたちに敬意を表したものです。

アストンマーティン,ヴァンテージ, f1,セーフティカー, メディカルカー, dbx, クルマギャラリーで見る
Aston Martin
左から)F1セーフティカーのアストンマーティン「ヴァンテージ」とF1メディカルカーのアストンマーティン「DBX」。

 レーシングカーにはスポンサーフレンドリーなピンクのアクセントが加えられていますが、セーフティカーのアクセントは印象的なライムグリーンになる予定で、これは同社がFIA世界耐久選手権で使用した「ヴァンテージGT」にも施されたアクセントです。

 過去数年同様、セーフティカーのドライバーはベルント・マイレンダーが務める予定です。メディカルカーについては、バーレーンGPでの恐ろしいクラッシュの際にロマン・グロージャンのもとに、いち早く駆けつけたことでも記憶に新しいアラン・バン・デル・メルヴェが引き続きハンドルを握ります。

Source / Road & Track
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。