マーベルを率いるケヴィン・ファイギ社長(以下、ファイギ)は2021年7月11日(米国時間)に、単独映画やTVシリーズを製作する上で、どのようにキャラクターを選択しているかについて明らかにしました。

 ファイギはディズニーが展開するオンラインストリーミングサービス「Disney+(ディズニープラス)」が比較的新しいプラットフォームであることに言及した上で、特定のキャラクターで独自のスピンオフシリーズを製作することに関して、「まだまだ手探りの状態で簡単には説明できない」と発言しました。

 また、映画批評サイト「Rotten Tomatoes」のインタビューの中で、「現在のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)フェイズ4は、この5~6年の仕事の集大成にあり、まだまだ時間がかかる」と語りました。

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 マーベル映画やオリジナルドラマシリーズが、なぜ「Disney+」でストリーミングされているのか、少し不思議に思われている方がいるかもしれません。実は2009年に、マーベル・エンターテインメントはウォルト・ディズニー・カンパニー傘下に入ったため、マーベル映画の配給会社がディズニーちなりました。その経緯があるため、「Disney+」のみでオンラインストリーミングされています(ただし、「スパイダーマン」シリーズにおいては、ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントがまだ配給会社となっています)。

 現在、「Disney+」では、これまで単独映画がなかったキャラクター(ウィンター・ソルジャーやファルコン、スカーレット・ウィッチ、そしてヴィジョン)などが主人公となるオリジナルドラマを制作し、マーベル映画同様に高い人気を誇っています。これらの作品は「Disney+」会員でないと鑑賞ができないため、多くのマーベルファンがこれを機に加入しています。

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(C)MARVEL STUDIOS
MCUフェイズ4の注目作のひとつとして挙げられるのが、『エターナルズ』。日本公開予定日は、2021年11月5日です。

 そしてファイギは、「どのキャラクターやどのストーリーで、短編映画あるいは「Disney+」のオリジナルシリーズ作品を製作するかについては、多くの選択肢があり、正直まだ決めきれていません。私たちの中でも議論が続けられているのです」と、このたびコメントしました。

 ファイギのコメントによれば、マーベル幹部は「Disney+」でTVシリーズを製作するチャンスが与えられるとは、そもそも思っていなかったようです。またファイギは、そのストリーミングサービスがこれまでに掘り下げる機会があまりなかったキャラクターたちに、絶好のチャンスをもたらしたことを認めています。

 「ボブ・アイガー(ウォルト・ディズニー・カンパニーの会長兼CEO)から、『Disney+』の構想とこのサービスで、マーベルのTVシリーズを製作したいという話を聴いたとき、正直これまでに考えてもいなかったような新たなチャンスが生まれました。それは、深く掘り下げる価値があったにもかかわらず、その機会がなかったキャラクターたちをこのタイミングで掘り下げることができるのです」と、ファイギはオリジナルシリーズ作品について語りました。

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「アベンジャーズ」最初のメンバーの一人であるブラック・ウィドウ。そんな彼女の生き様を描いた映画『ブラック・ウィドウ』は、現在映画館および「Disney+」にて公開中。

 一方ファイギは、マーベルが観客の声に耳を傾けていることも説明しています。彼は『ワンダヴィジョン』や『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に登場したキャラクターたちに言及しながら、「スクリーンには短時間しか登場していなくても、観客が好きになったキャラクターたちがいました」と語っています。

 「これらのキャラクター、それを演じる俳優たちが十分に活用されてこなかったことは、ご存知のとおりです。ですので、私たちはこれらのキャラクターや俳優たちがどれほど素晴らしいかをアピールしたかったのです」と、ファイギはマーベル作品のキャラクターについて言及しました。

 「Disney+」でのオリジナルドラマシリーズが、今後お気に入りのキャラクターたちをさらに深く掘り下げてくれるとなれば、ファンたちの楽しみはますます増えそうです。さて次は、どのキャラクターになるのでしょうか? 皆さんもぜひ予想してみてください。

Source /Digital Spy
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です