『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開を前に、マーベル初心者が「今からでもこの流れに乗り遅れたくない」と思っている場合、「このシリーズ全21本、いまのうちに観ておく必要があるなぁ!」と考えていることでしょう。しかし、冷静に計算してみてください。これらは1本平均2時間としても、公開までのわずかな期間に合計40時間以上もの間、スーパーヒーロー映画を観続けなければならない計算になるわけです…。

 まあ、数字上では不可能ではありません。ですが、全作品を鑑賞することはオススメできません。幸い、『アベンジャーズ』シリーズの監督を務めるルッソ兄弟も、この途方もない数の映画の一気見は、かなり無意味だと考えています。実際、2人の意見では、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)初心者が『アベンジャーズ/エンドゲーム』を前に予習として観るべき映画は、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『マイティ・ソー バトルロイヤル』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の4本だけだと言います。 
 
 アンソニー・ルッソ監督は映画情報サイト「ファンダンゴ」のインタビューの中で、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズの各作品がもともとはマーベル映画通というわけでもない新たなファン層を取り込んできたことや、彼自身が初心者にも楽しめるよう意識してシリーズ作品をつくってきたことについて言及しています。 
 
 「シリーズの映画が公開されるたびに、観客動員数は増え続けてきました。ここからわかることは、シリーズの過去の作品を観ていない人が新作を観に来ているということです。ですから、これらの物語をおそらく初めて観るであろう観客に向けて、話をすることが重要になってきます」とのこと。 
 
 さらに続けて、「そうは言うものの、これまでの作品の中で『アベンジャーズ/エンドゲーム』と密接なつながりを持つものは確かにあります。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は今作の導線となる最も重要な2本でしょう。アベンジャーズがバラバラになるという状況をもたらしたのが、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』だったという意味で…」と。

 「トニー・スターク(アイアンマン)とスティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)の関係が切れたことで、アベンジャーズは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』での敵であるサノス襲来時に、不安定な立場に置かれていたのです」と、アンソニー・ルッソ監督はコメントしました。 
 
 また、「そのような状況が、あの映画での彼らの終焉を招いた一端になったのだと思います。過去に直面したことのない最大の脅威が訪れたとき、彼らはバラバラだったのですから…。このため、そこには間違いなく直接的なつながりがあります」と、アンソニー・ルッソ監督は続けて話しました。 
 
 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』は、ルッソ兄弟がMCUシリーズで初めてメガホンを取った映画であり、キャプテン・アメリカの感情的発達をもたらした物語でもありました。 
 
 「弟と私は、当然『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から始まる物語に目を向けています。なぜならば、私たちがMCUに入ったのがそこからだからですから……私たちの頭の中でのストーリーテリングという意味では、そこから物語を紡いできました。とは言え、それまでの「アベンジャーズ」映画に『アベンジャーズ/エンドゲーム』に向けた多く要素が含まれていることも確かです」と、アンソニー・ルッソ監督は続けて話しました。 
 
 ちなみに、「マイティ・ソー」シリーズの最新作『マイティ・ソー バトルロイヤル』については、時系列的に重要な点の理解にかなり役立つというだけでなく、何より作品自体がとにかくコミカルで楽しいのでオススメです。こちらの作品では、ソーとハルクのギャグセンスが素晴らしく、悪巧みが好きなソーの義弟ロキも活躍。さらには、魔術を使うヒーロー、ドクター・ストレンジも登場するのですから…。 
 
 あと数日で、全世界公開される大作『アベンジャーズ/エンドゲーム』。映画館でいきなり鑑賞する前に、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『マイティ・ソー バトルロイヤル』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を鑑賞しておけば、より各ヒーローの魅力や人間関係が理解できることでしょう。この予習を怠らなければ、熱烈ファンにも負けないくらい、この映画が楽しめるはずです! 

 そんな『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、2019年4月26日より公開となります。 

 
 

From Esquire UK 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。