さまざまな経験から
創出された
ジャンルレスで独自スタイル

a person sitting on a couch
Jumpei Seki
ローレント・ラポルトさんが住む建物の最上階にあるスタジオにて。古い躯体(くたい)がむき出しになった部屋には天窓があり、自然光がたっぷりと入る抜けの良い空間に彼がセレクトしたヴィンテージの家具が並ぶ。

さまざまな企業やブランドのアートディレクションを手がけるローレント・ラポルトさん。彼のインスタグラムを見ると、まさにセンスの塊としか言い表せない魅力的な写真が並びます。

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「パリの広告会社で働くかたわら、ムードボード的に自分の好きな写真を集めたブログを始めたんだ」と言います。そのブログが人気を集め、コンセプトはそのままに同名の雑誌を創刊したのが2018年。『Whereisthecool?』という名前のとおり、世界中に存在するクールを集めたこの雑誌は、インディペンド誌でありながら毎号完売するほどの人気ぶり。

「クールというのは決してわざとらしく魅力的に見せようとするのではなく、自然と自由にやっている人や物に備わっている。クールの根底には、誠実さが結びついていると考えているよ」

letter
Jumpei Seki
「クールとは?」という疑問に答える形で構成された雑誌は、年2回発行。独自の切り口で世界のファッションやカルチャーを紹介する。編集やデザインはもちろん自ら撮影を行うページも。

また、自身の手がける雑誌以外にも、Studio Whereisthecool名義でフランスをはじめ世界中のクライアントに対しての撮影やアートディレクションを手がけています。そんな彼が今ハマっているのが、自然派ワイン。

「僕はフランス人だけど、今までワインが好きではなかった。でも、数年前に友人が持ってきてくれた1本の自然派ワインを飲んで、衝撃を受けたんだ」

それからは週末のたびにフランス各地の生産者のもとを訪れ、現在はパートナーと共にCLUB NATUREというサービスもスタート。イベントなどでのケータリングを行うほどに。時代が大きく変わろうとしている現在、本当にクールなものとは何か? それをデザインの最前線で長年見つづけている彼のセンスの源がどこにあるのかを探ってみたいと思います。

経年変化を楽しむ
シンプルフレンチシック

「昔はもっとたくさんの洋服を持っていたけれど、今は毎日同じような服ばかり着ているよ」と言いつつ、プレッピースタイルがベースのこなれた雰囲気の着こなしはさすがのひと言。

ワードローブの中でも、経年変化が楽しめて長く着られる服が自然と残ったそうです。生活をするうえであまり気を使わずにいたいので、高級なものや壊れやすいものは所有せず、気軽に扱えるアイテムのみを愛用中。 「ヴィンテージウェアだって今は高くなりすぎてしまって、気楽に着るのは難しいしね」

a man with his arms crossed
Jumpei Seki
a man sitting on a couch
Jumpei Seki
デニムのウエスタンシャツとネイビーブレザーは共にパリのハズバンドで購入。なんてことのないデニム上下のスタイルでも格好よく着こなすのは自分のスタイルを持っている証拠。
a person wearing a watch
Jumpei Seki
以前はビンテージのロレックスなども所有していたが、セカンドマーケットの価格の高騰に嫌気が差し、すべて売り払いカシオのデジタルに。ほかに数本のスウォッチを所有するのみ。
a person's legs and shoes
Jumpei Seki
父親から譲り受けたセバゴのローファー。プレッピーの代名詞だがあまり磨かずに履くのがフレンチ流。ワンウォッシュからはき込んだジーンズはパリのスーパースティッチのもの。

メンズクラブ2023年10月号掲載


ローレント・ラポルトさん (フォトグラファー、アートディレクター)
南仏のトゥールーズ出身。大学卒業後、パリの広告会社でコピーライターとしてキャリアをスタート。在職中に始めたブログが起点となる自身の雑誌『Whereisthecool?』を2018年に創刊。
Whereisthecool? Magazine

インタビュアー
関 隼平さん(ファッションインプルーバー)
パリをベースにさまざまなショップやブランドの価値を高めるべく活動中。9月7日に2店舗目となる新ショップkeylime Tokyoをオープン。

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