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新研究結果:週4回の筋トレが筋力向上に与える効果とは?

これが、自己記録を更新するために必要なトレーニング回数です。

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determined athletic man lifting heavy barbell in a gym
skynesher//Getty Images

筋力増強において、全てのトレーニングプログラムが同じ効果をもららすわけではないことは、これまで何度も伝えてきました。そして筋肉を大きくするためには、トレーニングの量を増やしたうえで限界に近いところまで追い込むことが必要であることも…。ですが最新の研究では、「トレーニングの頻度(週に何回トレーニングするか)が筋力向上に有力な影響を与える」という結果が示されました。その魔法の回数が、「週4回」ということなのです。

もし効率的にトレーニングをこなし、自己ベストを更新したいのであれば、これ以上の方法はないかもしれません。

研究の参加者と内容

ジムで記録をとる男性
Hirurg//Getty Images

欧州スポーツ科学ジャーナル(European Journal of Sports Science)誌に掲載されたこの研究では、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動…いわゆる「レジスタンストレーニング」を受けた成人における、トレーニング頻度の違いで最大筋力(筋肉の力の最大値)、筋肥大(筋肉の増大)、およびジャンプパフォーマンス(跳躍力や爆発力)への影響がいかなるものかが調査されました。

研究の参加者はスクワットデッドリフトスプリットスクワットブルガリアンスプリットスクワットなどの4つの複合(多関節)トレーニングで構成される、8週間のトレーニングに参加。そこで「低頻度」と「高頻度」2つのグループに分けられ、低頻度グループは週に1回のセッションで全てのエクササイズを実行し、もう1つの高頻度グループは週に4回のセッションに分けてエクササイズを行いました。

トレーニングプログラムを始める前には、参加者全員の最大筋力(最大スクワット1回)、筋肉量、外側広筋(太ももの側面に沿って走る筋肉)の筋肉の厚さ、およびジャンプの高さのベースラインを測定。そして8週間のトレーニングプログラムを終えた後に、参加者の状態やパフォーマンスが再度測定する流れで行われました。

またこの研究では、8週間にわたって徐々に強度とボリュームを増加させるトレーニングプログラムで実施。重量は12RM (=Repetition Maximum。最大反復回数のことで、ウエイトを持ち上げられる最大回数。つまり、13レップはできないが12回はできる最大負荷)の重さから始まり、徐々に6RMまで増加させます。また1回のトレーニングのセット数も、4セットから5セットへと増やしていきました。

また、参加者は全てのセッションで指導を受け、セッションを欠席した場合には後でそれの分を実施し、進捗状況を記録するように指示されました。

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その結果は…

トレーニングをする男性
gilaxia//Getty Images

両グループともに、スクワットの1RMにおける最大筋力が有意に向上しました。筋肉の厚みに関しても両グループで増加が見られ、その間には有意な違いはありませんでした。また、ジャンプパフォーマンスも両グループで向上がみられ、これも同様に有意な違いはありませんでした。

ですが、頻度のトレーニンググループは低頻度のトレーニンググループと比較して、筋力向上が大きくなっている数値が導き出されたのです。

研究チームはこの結果を踏まえ、トレーニングのボリューム、特異性(運動の種類)、および神経筋適応(最大筋収縮の改善)など、その違いに影響を与えた可能性のあるいくつかの要因のもと議論を行いました。

そしてその討論の結論として、「最大筋力の向上には、トレーニング頻度が高いほど有益である」という可能性を示唆し、これは、「複数のトレーニングセッションが、神経適応に対する累積効果をもたらすためである」としています。

そしてこのチームは、研究の結果に対する潜在的な制約や問題点を認め、それらを開示しています。

それは、筋肉量の測定には信頼性の低い「生体電気インピーダンス法(身体への電気の流れやすさから体組成を推定する方法)」を使用したこと、さらに研究の参加者の一部が脱落したことによるサンプル数の少なさ、が報告されています。

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結論:複数のセッションに分散させるほうがいい

バーベルを持つ男性
jose carlos cerdeno martinez//Getty Images

そして、この研究チームは最大筋力を向上させたい人に対して、トレーニングのボリュームを週に複数のセッションに分散させて行うことを推奨しています。

これは、筋トレのプログラミングの観点からも理にかなっていると言えます。これは「「スプリットトレーニング」「スプリットルーティン」と呼ばれるもので、例えば大胸筋を中心にした「上半身の日」と大臀筋を中心にした「下半身の日」というように…大きな筋力を鍛えるトレーニングを別々の日に行うことで、各トレーニングで損傷した筋肉が十分に回復した状態で、その日のトレーニングが実施できるようになる。すなわち、その日も最大限の力が発揮できるという考えです。

これは、筋肉の“マイクロトラウマ”と呼ばれる原理に基づくもので、最大限の負荷で鍛えることで筋繊維に微細な損傷を受けるとその回復過程で、身体はその負荷に負けない筋肉へと強化するよう再生するというもの。そしてその間、十分な休息と栄養をとることで、筋肉の「超回復」が行われるとされています。

このことは多くの研究で導き出されており、メンズヘルスチャンネルだけにとどまらず、多くのトレーニーたちも実践しているほどの常識と言っていいでしょう。

または「プッシュ(押す)の日」と「プル(引く)の日」といったように、筋肉の役割の違いで分ける方法もあります。この方式は、筋トレ経験の豊富な人ほど実行していること。効率的な筋肉の成長と回復を促すために役立つでしょう。

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最大筋力を向上させるために、週に何回トレーニングすべきか?

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AzmanL//Getty Images

よって、最大筋力を向上させるのが主な目標である場合は、毎週のトレーニング量を複数のセッションに分散することをおすすめします。

この研究の結果に基づけば、より高いトレーニング頻度(例えば週4回のセッション)はセッション数が少ない場合と比較しても、最大筋力の大幅な向上につながる可能性が高いということになります。

ですが、自分のスケジュールやフィットネスレベルに合った適切なトレーニング頻度を選択し、一貫性を保ちつつトレーニング間の十分な回復を確保することが重要です。そしてなによりも、継続を大切にしてください。

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Translation / Yumi Suzuki
Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です

From: Men's Health UK
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