「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」によるパンデミックが始まって以来、マスクの有効性についてはさまざまな混乱に満ちた言説が飛び交っていました。また、悲しいことに「アメリカ大統領選挙2020」では、本来マスクは自分自身や周囲の方へ、感染拡大予防という配慮のために着用すべきものですが、「マスク着用する・しない」が政治利用されてしまいました。つまり、その〇と×が、支持政党への表明のカタチになってしまったということは非常に残念でなりません。 

 今回は、「メンズヘルス」英国(UK)編集部と一緒に、最新研究で分かったマスク着用の大きな効果について、英国の状況を教えてもらいました。


◇英国首相、新型コロナ感染者との接触で自主隔離

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 ジョンソン英首相は2020年11月15日、新型コロナウイルス感染者との接触が判明したために、規則に従って自主隔離に入ったことをツイッターで明かしています。英首相の報道官によると、「本人に感染による症状はなく、自主隔離しながら官邸で職務を続ける」と伝えられています。

 英国の状況は深刻で、保健当局によると、感染して死亡した方は2020年11月11日の時点で595人となっています。これによって累計の死者数は5万365人と、ヨーロッパでは初めて5万人を超えています。

◇ロンドン再び外出制限

 ロンドン・イングランドでは、11月5日から市民の外出を制限したり、小売店や飲食店の営業を原則として禁止したりする、今年春以来の厳しい対策に踏み切っています。ですが、それが具体的な感染の拡大に歯止めにはなっていないようです。

◇英国のマスク事情

 今日では医学系ジャーナル『Journal of General Internal Medicine』誌も、マスク着用によるCOVID-19罹患リスクが低くなること示す研究論文を掲載しています。

 「重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)」が引き起こした、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」によるパンデミック。マスクを着用することで、そんな「SARS-CoV-2」を吸い込む可能性の低下が根拠として示されています。

 その論文によると、研究チームは医療用マスク(=サージカルマスク・不織布マスク)の素材でつくられた仕切りで区分けしたカゴの中のハムスターを用いて、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」の感染に関する実験調査が行われました。

 とは言え、動物実験の結果をそのまま人間に当てはめていいわけではありません。

◇アウトブレイクがあった米食品企業タイソン社

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Tyson Foods Workers Are Risking Their Lives to Feed America | NYT Opinion
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 そのようなわけで、2020年4月に米食品企業タイソン社の養鶏所施設で発生した突発的な感染拡大(アウトブレイク)などについても、検証が行なわれています。ジョン・タイソン会長は同年4月26日に、「ワシントン・ポスト」と「ニューヨーク・タイムズ」に対し、「アメリカの食糧供給が崩壊し始めています」という一面広告を掲載しています。

 タイソン社では、すべての職員がマスクを着用していました。が、COVID-19陽性者が1名出た後、間もなく多くの職員が感染し、その後SARS-CoV-2の抗体を獲得したことが確認されています。

 当然のことながら、あらゆるマスクが同じ性能を持っている訳ではありません。再利用可能なマスクの中には、およそ95%の微粒子を遮断できるものもあれば、わずか7%ほどしか遮断できないものもあるという結果が報告されています。

◇N95マスクの効果についておさらい

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 「N95マスク」と呼ばれる微粒子用の個人防護具の一種で、マスクと顔の密着性および空気中の微粒子の95%以上を捕集する性能が認められています。厚生労働省はSARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、新型インフルエンザや結核菌の対策指定品のひとつに認定しています。

 本来は使い捨てとされているN95マスクですが、令和2020年4月10 日に厚生労働省が発表した「N95マスクの例外的取り扱いついて」というリリースにより、

  • 滅菌器活用等による再利用に努めること。
  • 必要な場合は、有効期限に関わらず利用すること。
  • 再利用方法についても取り扱いに関する留意点が発表されています(過酸化水素水プラズマ滅菌器を用いた再利用法では再利用は2回まで・過酸化水素水滅菌器を用いた再利用法では、再利用は10回まで)。

     などが推奨されています。

    ◇英国マスクの遮断性、通気性、快適性、劣化を比較評価

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    What makes a Best Buy face mask
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     日本の読者の皆さまには、なかなかピンとこない情報かもしれませんが、英国へ渡航予定のある方に向けて、家族の中に英国在住の方がいる皆さんに向けて、現地でおすすめのマスクをご紹介します。

     英オンラインメディア「Which?」が、種類の異なるマスクの遮断性、通気性、快適性、そして洗濯後の劣化や再利用の適性などを比較評価しています。

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     記事によると15ポンド(約2070円)で「NEQI」と「Bags of Ethics」という両ブランドのマスクが、フィルター性能と快適性で最高ランクの評価を得ています。

     予算が厳しいという方には、2ポンド(約275円)で売られている「Step Ahead」のマスクの高い費用対効果が示されています。

     その反面、同メディアにより「買ってはいけない(Don’t Buys)」と分類されてしまった低性能のマスクもあるようです。

     「Termin8(Lloyds PheermacyやWHSmith=英国の薬局チェーンなどで販売)」、「Etiquette(Superdrugで販売)」、そして「Asda White Patterned」の3種類のマスクは、フィルター性能に「問題あり」という評価されています。いずれも伸縮性の布素材でつくられた一層式のマスクになります。

    ◇結論

     以上2種類の調査が示す結論とは、つまり、ワクチンが開発されるのを待つ間に私たちが取れる最善の予防策は、【1】多層式のマスクを着用し、【2】手を良く洗い、【3】ソーシャルティスタンスを守る、と言えるでしょう。

    ◇新型コロナウイルス対策は、やはりマスクより「手洗い」が効果的

     『マスク、その着用に効果はあるの? 専門家「手洗いはより効果的」』の記事でも解説していますが、マスクよりもずっと効果的なのはやはり「手洗い」と言っていいでしょう。

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    Source / Men's Health US
    Translation / Kazuki Kimura
    ※この翻訳は抄訳です。