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アスリートばかりではなく一般のわれわれも、運動後に筋肉痛がストレートに感じると、内心嬉しいものではないでしょうか。
筋肉痛は自分がジムで真剣にトレーニングに取り組んだ成果をまさに体感でき、さらにその達成感も味わえる喜びのスイッチみたいなものですので…。ですが、喜んでるばかりではいられない筋肉痛もあります。それは、単なる乳酸の蓄積によって起こるものではなく、筋肉がショック状態にある場合です。ときに筋肉痛は、そうした事態を持ち主に知らせるサインでもあるのです。
「運動から数時間後、あるいは通常24時間〜48時間後に起こる激しい筋肉痛は、遅発性筋肉痛(DOMS)と呼ばれます」と話すのは、ノースウェスタン記念病院でスポーツ医療や緊急医療を専門にするクリストファー・ホグレフ医師です。
「この状態は乳酸アシドーシス(種々の原因によって血中に乳酸が増加し、血液が酸性に傾く状態)とは、ほとんど関係がありません。むしろ、これは筋繊維にできた小さな裂け目が原因とみられ、これが炎症プロセスと相まって痛みを引き起こすのです」と、ホグレフ医師は解説します。
この種の筋肉痛は、あまり慣れていない運動やハードな筋トレの後に感じるものではないでしょうか。ホグレフ医師は、「腱の伸長や筋肉の伸張性収縮に関わる運動、例えばスクワットや下り坂のランニングなどのエクササイズが、この種の筋肉痛をもたらします」と話します。
◇では、DOMS(遅発性筋肉痛)にはどんな症状があるのでしょうか。
米国オハイオ州にあるクリーブランド クリニックで、リハビリ&スポーツセラピー科の運動生理学者を務めるケイティ・ロートン氏は、「筋肉の痛み、筋力の低下、筋収縮スピードの低下、筋肉の硬直などはいずれもDOMS(遅発性筋肉痛)の症状です。DOMS(遅発性筋肉痛)とは、筋肉の収縮スピードを5〜8%遅め、関節の可動性にも変化をもたらすことになります」と説明しています。
今回は、そんな筋肉痛からスピーディーに解放されることに役立つ方法をご紹介します。
【筋肉痛の治し方1】きのこ類をたくさん食べる
「複数の研究によると、きのこ類には筋肉痛の緩和に効果的とみられる抗炎症成分が豊富に含まれていることが証明されています」と、ホグレフ医師。きのこ類の抗炎症成分は「ポリサッカライド」と呼ばれ、炎症を引き起こすサイトカイン化合物を減らす作用があるという研究結果があります。
【筋肉痛の治し方2】運動後のクールダウンをしっかり行う
トレーニング後にクールダウンを行うことは、筋肉の回復力向上に役立ちます。
動的回復に関する2018年の研究によれば、ランニングの最後に完全に止まって休憩するのではなく、負荷を半分に落としてクールダウンを行ったランナーは、2度目に走ったときには前者に比べて、3倍長く走ることができたということです。
研究チームはこの理由について、「クールダウンが血行を促進し、これによって血中乳酸(筋肉痛をもたらす代謝副産物)が減少したため」と考察しています。また、2012年の研究では、「筋力トレーニング後すぐに低負荷〜中負荷のサイクリングを20分間行った被験者は、筋肉痛が緩和した」という結果も出ていまるとのことです。
【筋肉痛の治し方3】タルトチェリージュースを飲む
日本では、あまり馴染みのないジュースかもしれません。ですが、このタルトチェリージュースには、抗酸化成分や抗炎症成分が豊富に含まれているのです。
2010年の研究では、タートジェリージュースを8日間飲んだ長距離ランナーが「筋肉痛がいつもより緩和されていたと感じた」との個人的な意見にはなりますが報告しています。
このことについて、ホグレフ医師はこう話しています。「きのこ類と同じように、チェリーに含まれる抗炎症成分が、筋肉痛の緩和に効いているのかもしれません。しかし、特にタルトチェリーエキスの場合は、糖含量がかなり高いことには注意しておかなければなりません」とのことです。
【筋肉痛の治し方5】温熱パッドやアイスパックを使う
「温熱パッドには血管拡張効果があり、血行を促進することが期待できます。これは、筋肉痛に関係する炎症の副産物を筋肉から流し出すことをサポートする可能性が大いにあると考えられているからです」と、ロートン氏。
さらに、アイスパック(氷のう)も組み合わせればより効果的とのこと。ホグレブ医師によれば、「温めることと冷やすことを交互に繰り返すことは、運動による筋肉痛の緩和に最も効果的かもしれません」と言っています。というのも2015年の研究では、温めたり冷やしたりを繰り返すことで、弾性組織の損傷を抑える数値を導き出したということです。
「冷やしてから温めると、運動後の筋肉痛を緩和してくれます。20分間ほど冷やした後、また20分間ほど温めるのが、運動後の筋肉痛を緩和するための効果的な対策かもしれません」と、ホグレフ医師は話しています。
【筋肉痛の治し方6】フォームローラー(ストレッチポール)を使う
筋肉痛を感じる箇所にストレッチポールでフォームローリングをする…という行為は、かなりの激痛を味わいことかもしれません。ですが、筋肉の回復にはかなり効果的と言えるでしょう。
「ストレッチポールはむくみ(筋肉の腫れ)の解消に役立つことが示唆されており、筋組織の治癒を促進する可能性があります」と、ホグレフ医師は言います。
2015年の研究では、運動してから24時間後の高密度ストレッチポールによる20分間のフォームローリングによって、筋肉の圧痛緩和や大きな動きの衝撃を和らげるのに役立つという統計結果がとれているそうです。
【筋肉痛の治し方7】水風呂に入る
2010年の研究によれば、「水風呂には血管を収縮させることで、DOMS(遅発性筋肉痛)を引き起こす筋肉の腫れや組織の損傷を緩和する効果がある」という効果が割り出されたということです。この研究では5〜10分間水風呂に入ることで、「改善の兆候が見られた」ということです。
また、2014年の別の研究によれば、「運動後に10分間水風呂に入っていた被験者は、その後、ストレッチをしたときの筋肉の痛みがもっとも低レベルであった」と言っています。「一部の研究では水風呂によって、筋肉痛を20%緩和できることが示唆されています」と、具体的な数値までホグレフ医師は教えてくれました。
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Source / Men's Health
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。